音楽家マヒトゥ・ザ・ピーポー「新しい価値による代替の可能性も育てていきたい」【離れても連帯Q&A】

音楽家のマヒトゥ・ザ・ピーポー​​(GEZAN)は「パンデミック以後の世界のビジョン」を共有し、「正しく怯えること」が長期的には音楽業界の応援につながると話す。〈離れても連帯〉シリーズ第20弾。

by MahiToThePeople and Sogo Hiraiwa
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21 April 2020, 10:00am

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によって、日本ではいま、多くの文化施設が休業を強いられ、感染防止対策として、あるいは政府による“自粛の要請”によって。また「ステイ・ホーム」や「ソーシャル・ディスタンシング(距離をとること)」が求められ、人と人とのコミュニケーションはいまだかつてなく制限されています。

こうした中でわたしたちには何ができるのでしょうか。文化を維持するために、好きな人や場所を守るためには何が? 離ればなれであっても連帯するには? この"非日常"を忘れないためには? さまざまなジャンルの第一線で活躍している方々にアンケートを実施し、そのヒントを探ります。

今回はGEZANのフロントマンで音楽家のマヒトゥ・ザ・ピーポーが登場。休業を強いられているクラブやライブハウスのオーナーたちに現在の心境を聞いてまわったドキュメント動画「#WASH」をいち早く企画した彼は、「パンデミック以後の世界のビジョン」を共有し、「正しく怯えること」が長期的には音楽業界の応援につながると話す。

離れても連帯, KEEP-DISTANCE-IN-SOLODARITY

──新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、今あなたが属している業界や産業はどんな打撃を受けていますか? 応援・支援するにはわたしたちに何ができるでしょう?

マヒト:音楽の現場では十分な補償のない状態での自粛という打撃はあります。それに対して、政府に助成金を求める動きや、好きな人が集まりクラウドファンディングなどでサポートするのが一般的な支援の仕方になりますが、本当に仲の良い場所とは、このパンデミック以降の世界がどうなるかのビジョンを共有するというのも結果的に応援になる気がします。正しく怯え、変動する世界に対して、確固たる意志より、水のように形をかえることが、関わるスタッフや仲間の生活を守ることになりえるからです。

──自宅待機以降に新しく始めたこと、もしくはポジティブな影響・変化がありますか?

マヒト:誰かと会っていたことがいかに尊い時間だったか、そのことを誰もがそれぞれの部屋で感じ、そしてこの実感こそが未来と呼ばれる時間を作っていくべきだと確信しました。

──コロナのビフォー/アフターで、変化した自分の考え方や、社会への認識があれば教えてください。

マヒト:わたしのようなフリーランスという職業が最も最初に首を切られる場所にいるのだということを再確認しました。そして和牛券の発行など、政府がどこと癒着しているのかという自己申告、出来の悪いファンタジー。この脚本書いてるやつは0点です。才能がありません。

──自宅隔離中の人に試してほしい、オススメの行動やコンテンツを教えてください。

マヒト:花をきらさないようにする。

──自分の今の気持ち・気分を音楽で表すとしたら?

マヒト:HMLTDの『West of Eden』

──2020年2月の自分に伝えたい・教えてあげたいことは?

マヒト:特にないです。その時はその時でわからないなりに懸命に生きたので。

──コロナ禍で人間の「良い面」も「悪い面」も浮き彫りになりました。あなたが見聞きしたなかで、忘れたくないと思う、印象的な出来事やエピソードがあれば教えてください。

マヒト:体調を気づかい、友人が送ってくれた冷凍のカレー。10歳の友達が送ってくれた手書きの「コロナにかからないお札」。わたしは、そういうつながりこそ社会と呼ぶべきだと教えられました。皆、一人ぼっちなのだけど、それでも社会は存在するのだという実感をどうしたらこの静かな時の中で確認できるか、今探している途中にいます。その実感は来るべき世界にとっての武器になる。コロナが終息後、経済疲弊を取り返すために加速するであろう悪政の中でのたしかな灯台になるはずです。

──コロナ禍が落ち着いた後、日本の社会にはどう変わっていってほしいですか?

マヒト:資本主義の限界を、資本主義経済の中で補填しなければいけないという選択肢一択ではなく、新しい価値によって取って代わることの可能性も育てていきたい。そもそも人が生きていくのに、こんなにお金って必要なのか? 家賃ってなんだ? ひかれていた線の意味が変わり、風の色がかわる。わたしたちの戦いはそこからはじまる。

Twitter:@1__gezan__3 Instagram:@mahitothepeople_gezan

離れても連帯

Special Thank Kisshomaru Shimamura

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