Photgraphy Yuji Watanabe

自分の可能性を信じて新しい時代へ、池田エライザ interview

映画『夏、至るころ』で監督デビューを果たす女優・池田エライザの赤裸々な想いが次なる時代の扉を開く。

by Saki yamada; photos by Yuji Watanabe
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23 December 2019, 8:55am

Photgraphy Yuji Watanabe

2019年、それは多くの人々が世界中で声を上げ、これから自分達が何をしていくべきか考えさせらる年となった。池田エライザもまた、フタのされた問題に踏み込むことを躊躇することなく発言してきた人物だ。エモーショナルかつロジカルな彼女の綴る言葉が、来たる2020年代を生きる人類へのメッセージとなり、時代を動かす瞬間になることを願って以下インタビューをここに記す。

—— ”新しい時代”と聞いて、何をイメージしますか?

進んでく文化と進まない人達。誰かが頑張って叫び続けていても変わるってことに対する恐怖にとらわれて、その意見を否定してしまう人が多いように思います。私にもそういう瞬間はありますが、恐怖心をなくしてもっと冷静に話し合った先にあるものにすごく興味があるんです。

—— そういうことを考えるようになったキッカケはありますか?

幼い頃から世の中の理不尽さが目につくタイプでした。矛盾を矛盾のまま、文化にしてしまうのはすごく寂しいと感じ続けていて。”知らないもの=怖い”っていうのは人間として正しい反応かもしれませんが、思考が停止してる状態と同じだと思うんです。考えることを諦めてることに気付いていなかったり、時代が変わった後にできた新しい形態の中で生じる不具合に対して不変不満を言い満足感を得たり。その感情の厚みのなさが勿体無いと思います。

—— その状態に対して寂しいと感じるのはなぜですか?

人間は些細なことで涙が出るくらい感動できる生き物なのに、それを鈍感にして生きることを無意識に選択してることがすごく寂しい。私はいつまでも貪欲に、もっと深いところにいけるはずだと思ってお芝居をしていて、その領域でしか感じられない幸せを共有したいと思ってしまうんです。そして、みんなで時代を作りたい。人間ってすごい生き物だから、もっと自分の可能性を信じてあげてほしい。そうすることで面白い時代になっていくんじゃないかなって思います。

—— そういった想いが映画監督をする理由にも繋がっているんですか?

昔から映画を作りたいと思っていたのもあるんですが、世間の私に対するイメージが派手な印象で本来の自分とは真逆なので、やりたい役ができなかったこともあって。小説を読んでいるときに良いキャラクターだなって思っても、私にはオファーがこないだろうなって客観的にわかる瞬間もあって。なので私が伝えたいことを映画に込めれたのは嬉しかったです。

—— 映画『夏、至るころ』のストーリーについて教えてください。

舞台は福岡県の田川市なんですが、シリーズものの映画で高校生と食が登場するというルールがあって、ただご飯がでてきても面白くないので学生が一番葛藤する時期に寄り添うご飯をテーマにしました。例えば親友と喧嘩して泣きじゃくっているときに出てくるかき揚げ丼みたいな、日常にそっとあって、後から思い出すと忘れられない味になっている料理とか。私の場合、自分が左利きなのでお母さんがいつも左側にお箸を置いてくれて、その時は何も感じないけどいざ一人暮らししてその気遣いを思い出すとジーンときちゃって。そういう想いを込めて作っています。

—— 実際に女優業と監督業をこなして、やはり仕事をしている最中の感覚は違いますか?

誰かが自分のお世話をしてくれてたり、評価してもらえるのが当たり前な状況になってたら監督の仕事は辛くてできなかったと思います。監督は自分で荷物運んだり、地味な作業も多いので。だけど自分のキャラクターに合っていて、イキイキしていた自信はあります(笑)。私、いい仕事してるなって。

—— 現場での思い出はありますか?

キャストを含む撮影スタッフが仲良しすぎて、最後の打ち上げで全員ぼろ泣きしていました。私だけ笑っちゃって泣かなかったんですけど、それをみんなにつっこまれたりして(笑)。キャストは声のいい人で選んでいます。劇場で映画の編集をしていると、リリー・フランキーさんの声の倍音がずずずって響くんですよね。

—— 公開は楽しみですか?

作品を手放す瞬間でもあるので少し寂しいです。自分たちの世界で意見を言い合って作り上げてきたものが、これからはすごい広い世界でいろいろな捉え方をされ、私達が育てた通りにはいかなくなる。それがすごく寂しいと感じます。

—— 女優としても活躍されていますが、表舞台に立つ”美しい人”として、 いまの時代においてどのように立ち振る舞うようにしてますか?

2019年の目標が「スターになりたい」だったんです。それくらいの責任感を持って仕事をして、自分の行動に丁寧な理由をつけたくて。結局、自分なりに美しあろうと思っていても他の人が私の何を美しいと言ってくれているのか分からないので、だからこそ自分が思う美しいという感覚を信じるべきだと思います。周りは勝手に評価するので、自分を信じて1つ信念を持つとスター性みたいなものが出てきて自然と内面の美しさだったり、そういうものが滲み出てくる。私は自分がこの仕事に依存するくらい好きだと感じてるからこそ、この豊かさは奪われてはいけないと思います。人生が豊かじゃないと、自分としても豊かになれないと信じてます。

—— 最後に、新しい時代を築いていくためにみんなに試して見てほしいことを教えてください。

人に優しくするときって何か与えた気になるじゃないですか。与えすぎて疲れちゃったって気にもなってくるけど、よくよく考えてみてほしい。何も減ってないんですよね。どんなに疲れていても一呼吸置いて相手の目を見たり言葉にできない、もっと深いところを探してみたり触れ合う勇気を出す乗って、案外疲れないんですよ。考え方次第で、どんどん豊かになっていけるし、優しさって無限のゲージを持っている。私ばっかりって考えは自分しか損していないんですよね。設けもんって思っていた方が楽ですよ。

映画『夏、至るころ』
監督:池田エライザ
主演:倉悠貴、石内呂依、さいとうなり、高良健吾、安部賢一、杉野希妃、リリー・フランキー、原日出子、大塚まさじ他
公開日:2020年夏公開予定
映画『夏、至るころ』 公式twitter
https://twitter.com/natsuitarukoro

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