THE ROWのデザイナー、メアリー=ケイト・オルセン、アシュリー・オルセン姉妹 interview

THE ROW 15周年を記念して、ふたりのデザイナーがこの絶大な影響力を誇るブランドの歴史を振り返る。 創立15周年を記念して、ふたりのデザイナーとTHE ROWを愛してやまないモデルやアーティストが、この絶大な影響力を誇るブランドの軌跡を振り返る。

by Osman Ahmed; translated by Nozomi Otaki
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25 June 2021, 5:52am

すべてはシンプルな白Tシャツから始まった。2006年、ハリウッドがもっとも低俗で、ゴテゴテしたロゴマニアがファッション界を席巻していたとき、制作に1年半を費やした、ソフトでゆったりとした滑らかな手触りのTシャツをひっさげて、あるブランドがニューヨークに誕生した。

 1本のフレンチシームが背中を走る、不自然なしわや膨らみを排除したデザイン。たかがTシャツ、というひともいるだろう。しかし、シンプルであればあるほど、欠点に目がいきやすい。このTシャツは、鍛錬にまつわる実存的思索をもとに、完璧さをとことん追求した1着だ。

 しかし、当時のBarneys New Yorkの買い物客は、このシャツのデザイナーの名前を探すのに苦労した。ブランド名はいったいどこ? 厳密にいうと、ブランド名は書かれていなかった。背中の内側には、モノグラムの書かれたタグの代わりに、繊細なゴールドチェーン。名前も、ブランド名もない。説明は必要ないのだ。

 それから15年経った今なら、そのTシャツはメアリー=ケイトとアシュリー・オルセンが自由な思考でデザインしたアイテムだ、と私たちは知っている。弱冠18歳にしてブランドThe Rowを立ち上げた姉妹は、幼少期のスターから思春期前の子どもたちのアイドルへと転身した、誰もが知る存在だった。

 ラルフ・ローレンが〈完璧なネクタイ〉からスタートを切り、極めて英国的なスポーツから名前をとって、このブロンクス生まれのブランドにPoloと名付けたように、姉妹も世界屈指のテーラーが集うロンドンのサヴィル・ロウにちなんでこの名を選んだ。

 「正直、あの頃自分たちがやっていることをどれだけ自覚していたかはわからない」とアシュリー(くすんだ金髪、白く滑らかな肌、ミニマルなシルクスカート、ミラーネックレス)は打ち明ける。「ニューヨークに引っ越したばかりだった。まだ18歳で、当時思ったのは、それまでやっていたことをひと休みして、自分たちが興味のあることを掘り下げ、人生について考える時間にしたい、って……」

 創造力を使ってね」とメアリー=ケイト(ハニーブロンド、日に焼けた肌、ペイズリー柄のショール)が口を挟む。「自分たちの力で何かを成し遂げてみたくて」

生後9ヶ月でテレビに登場し、その後ローティーンにして、大衆向け洋服ラインのデザイナーとして花開いたふたり。姉妹のハリウッドでのブランド力は、ニューヨークに来る前から相当なもので、その名前は長年にわたり、数え切れないほどのTシャツと結び付けられてきたはずだ。

 しかし、The Rowはその対極に位置する。あらゆる思春期の反逆と同様、このブランドは彼女たち自身の変わりゆくイメージを予言していた。ただし、The Rowのデザインは、最初から思春期よりもはるかに成熟した、世界最高峰のアトリエによって考え抜かれたものだった。控えめで無駄を削ぎ落としたアイテムは、すぐに目の肥えた女性たちの注目を集めたが、その多くはその裏にいる姉妹の存在を知らずにいた。

「自分たちを前面には出したくなかったし、私たちがつくっていることを知ってもらわなくてもいい、とすら思っていた」とアシュリーは説明する。「本当に大切なのはプロダクト。誰の名前を出せば、自分たちの名前を出さなくてすむかな、なんて考えたこともあった」

The Rowは、彼女たちにとって、大人としての人生の始まりの象徴だった。今やメアリー=ケイトとアシュリーは30代半ばに差し掛かり、ブランド創立15周年という記念すべき年を迎えようとしている。また有名人のブランドか、と一蹴され、当初はファッション業界にあまり歓迎されていなかったことを踏まえれば、ふたりにとっては素晴らしい成果といえるだろう。

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その成長は飛躍的だったとはいえ、15年という年月は決して短くはなかった。当然ながら、派手なお祝いパーティーも、回顧展も、バズりそうなビデオもない。それは彼女たちのやり方ではない。メアリー=ケイトとアシュリーは、いわばスフィンクス的な、現代のファッション界における地に足のついた一目瞭然なBCBG(※bon chic bon genre:パリの上流階級のシックなファッションやライフスタイル)の最後の創始者だ。

 めったにインタビューを受けず(「うまくできなくなったから」とメアリー=ケイトは理由を説明する)、SNSも使わず、オンラインで買い物もしない。ほぼすべてのファッションブランドがファストファッションの〈今見て、今買える〉風潮に迎合して門戸を開いたとき、彼女たちは正反対のことをしていた。

 彼女たちは、わずか1ミリを大いに重視するような、細部に並々ならぬこだわりを持つデザイナーだ。ロサンゼルス、ロンドン、ニューヨークにある店舗は、石を積み上げた禅寺のようで、貴重なアート作品、20世紀の伝説的な家具とともに、メンズウェアから着想を得た、聖人のような雰囲気を漂わせるダブル​フェイスの16ゲージのカシミアコートがかけられた、彫刻のようなラックが並ぶ。さらにフィレンツェの石けん、パリのフレグランス、日本のファッションのアーカイブ、インドの王妃にふさわしいジュエリーなどの製品も揃う。

 「私たちはかなりの完璧主義者で働き者。今までずっと必死に働いてきた」とメアリー=ケイトはいう。「だから、完璧で、完成度の高いプロダクトだと思ってもらえたらうれしい。私たちが服をつくるのは、自分たちの完璧でないところを直し続けるため。次のシーズンはそのためにある。あらゆる欠点を洗い出し、常に自分を奮い立たせ、ものを見る目を養い、それがすべてのひとに届けられているかを確かめるのも私たちの仕事。ひたすら進化し、学び続ける」

 彼女たちの服のシンプルさは暗示的で、決して露骨ではない。すべてがベーシックだが、基本はクチュールに従いながらも、カジュアルな着心地のよさが両立する。バレエシューズはカシミアメッシュで、サンダルはトスカーナレザー。バッグの持ち手は、ベルベットの結び目やナパ革のシュシュ。贅沢ながらいかにも米国的な、ほどよく禁欲的なデザインは、17世紀のオランダ黄金時代の画家の作品のように、贅を凝らしながらも厳粛さを漂わせる。一見かけ離れているように思えるかもしれないが、いわばジョージア・オキーフ作品のような米国らしさだ。

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シンプルで露出の少ない服が多いが、一見ミニマルで禁欲的なデザインは、実は極めて寛大だ。「ラグジュアリーという言葉は、今はあらゆる場所で使われているけれど、私たちにとって、それは暮らしにゆとりを持たせてくれるもの」とメアリー=ケイトは説明する。

 「ラックにかかっている服を買い、それを身につけた瞬間に、まるで自分のワードローブの一部のようにしっくりくる……。ラグジュアリーとはそういうもの。あれこれ悩まなくてもいい、ということ」

姉妹のコレクションは、トレンドにはとらわれず、艶やかなカーブを描くモダニズム彫刻作品のようなぬくもりに溢れている。さらに、イサム・ノグチ、ビバリー・ペッパー、ジャン・プルーヴェなど、さまざまなアーティストを彼女たちの領域に引き込んだ。

 早朝のニューヨークで行われるショーは座席はなく、浄化作用のあるグリーンティーが提供される。さまざまな年代の素顔のモデルたちが、ビバリー・ペッパーの彫刻のあいだを通り抜けていく。店に行くだけで、ギャラリーを訪れているような気分を味わえる。「確かにアートは重要だけど、(作品を展示するのは)それが重要だからじゃない」とアシュリーは説明する。「とにかく私たち自身がアートを愛していて、発見したものをお客さんと共有したいだけ」

 姉妹のバックグラウンドは、図らずもファッションのキャリアを積むための訓練の場となった。しかし、彼女たちは当時のことを詳細に語ろうとはしない。メアリー=ケイトいわく、ふたりは「慎み深い人間」で、「そういうふうに育てられた」そうだ。私生活と同じくらい、生い立ちについても口を閉ざしている。だからこそ、これらの作品にも、彼女たちのThe Row以前の人生を感じさせるものはほとんどないとわかるだろう。

 幼少期に大衆の目にさらされることが、大人になってからひと目を避ける生活に繋がるということは、心理学者でなくても推察できるだろう。ふたりは今もなおパパラッチに追われ、ファッションはファンページやブログに時系列順に並べられ、双子であることを大いに持てはやされている。それでも、彼女たちのイメージの打ち出し方とデザインには、プライバシーが必要不可欠だ。

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しっかりと肌を覆う、慎み深い、質素なデザインを特徴とするThe Rowは、だからこそベラ・ハディッド、ジジ・ハディッド、ヘイリー・​ボールドウィンなど、世界でも特にメディア露出の多い、絶えず写真を撮られ続けている若い女性たちに選ばれるのだろう。

 「ふたりは(写真を撮られることを)意識しているとは思うけど、たとえしてなかったとしても、それこそが彼女たちのデザインの目的のような気がする」とジジは語る。

 「特に彼女たちみたいに常に写真を撮られる人たちは、〈これを着ればシックに見える、守られているような感じがする〉という服を着ることで、心から自由になれる。あれこれ詮索されることもない。例えば荒稼ぎしてるとか、そういうわかりやすいイメージに自分を合わせる必要はないんだ、とふたりから教えてもらった。店に入れば、メアリー=ケイトとアシュリーが携わっているとは知らなくても、高品質で美しくデザインされていることがひと目でわかる」

 2006年、メアリー=ケイトとアシュリーがThe Rowを立ち上げた当時、ふたりはまだニューヨーク大学の学生だった。「完璧な」白Tシャツから始まったラインには、すぐに6つの完璧なアイテム、サティーンのレギンス、タンクトップ、カシミアドレス、ブレザー、カーディガン、ノースリーブのセーターが加わることになる。

 アシュリー・オルセン:最初は自分たちのためだけのプロジェクトだった。だからTシャツと、タンクトップ、カーディガン、レギンスなど、6つのアイテムしかなかった。でも、フィット感やファブリックにはとことんこだわった、意欲的なプロジェクトだった。完成まで1年半かかったのは、ビジネスになりさえすればよくて、守るべき期限も目標も何もなかったから。

メアリー=ケイト・オルセン:とにかく着やすくて、すべてのひとにとって着心地のいいものじゃないと。私たちがそれまでのプロジェクトやデザインに込めてきたすべての要素を取り入れる必要があった。ファブリックは高級で完璧なもの、できれば長持ちするものがいい。アイテムに関しては、ディテールを完璧に、かつシンプルにすることを心がけた。

 パメラ・ゴルバン:7つのアイテムにまつわる記事を読んで、すごく興味を引かれた。2006年はロゴマニアの最盛期だったから、背景をきちんと説明する必要があったと思う。あの頃は、何もかもが明らかに大量消費を目的としていた。そんなときにこの姉妹は、ブランディングとは何の関係もないことを始めた。これこそが本物の〈隠れた価値(stealth wealth)〉で、一種のミニマリズムでもあった。

 アシュリー・オルセン:最初の数年を乗り切れるくらいのラインナップだったけど、質にこだわったおかげで売り上げはどんどん伸びていった。みんなが快く、安心して私たちのアイテムに投資してくれた。

 サラ・アンデルマン:まだブランドができたばかりの頃、パリのショールームに行ってColetteのセレクトに加えるものを探した。当時の私たちにとって、時代を問わないブランドを扱うことはますます重要になっていた。

 ジェイムス・ギルクリスト:最初から驚かされたのをよく覚えてる。このふたりの有名な女の子は、よくある有名人のブランドとはまったく違うものをつくろうとしていた。

 

The Rowのサウンドデザイナー、ウラジーミル・シャールによるプレイリストはこちら。

パメラ・ゴブリン:パリス・ヒルトンやニコール・リッチーの時代に、彼女たちは正反対のことをしていた。

 ジョナ・ヒル:おしゃれなイメージを持たれにくいスター子役出身だからこそ、ふたりがあっと言わせるようなファッションを披露したときの衝撃は大きかった。ふたりは世間が彼女たちに持っていたイメージを粉々に打ち砕いたんだ。

 メアリー=ケイト・オルセン:もともとアシュリーと私はファッションのマスマーケットで仕事をしていたから、何が売れて、何が売れないかをよく理解していた。でも、私たちはずっとファッションやブランドの好みがはっきりしていた。

誰かに訊かれたときのために、ロゴはゴールドのチェーンにしようと最初から決めていた。本当に質にこだわった着心地のいいアイテムなら、それが真のラグジュアリーなら、ロゴがなくても売れるんじゃないか、って思ったから。きっと名前が書かれてなくても店に置いてもらえるし、いいプロダクトなら買いたいと思ってもらえるはずだ、って。

 アシュリー・オルセン:自分たちを前面に押し出したくはなかった、私たちがつくっていることを知ってもらわなくてもいい、とすら思っていた。本当に大切なのはプロダクト。誰の名前を出せば、自分たちの名前を出さなくてすむかな、なんて考えたこともあった。今日に至るまでずっと、プロダクトを第一に考えてきた。

 ルース・ロジャース:最初は彼女たちのブランドだとは知らなかった。どちらかといえば、彼女たちの人となりより、服の美しさのほうに惹かれた。セーターはほぼ全部持っていて、毎日のように着ている。このセーターを着ると、すべて大丈夫だって思える。

 Jil Sanderを着て育って、フィービー・ファイロは親友のひとり。よくレストランで最新トレンドとか、どんな料理が人気だとか、次に来る食べ物は何だとか訊かれるけれど、新しいものには全然興味はない。私が知りたいのは、みんなの作品の過程。

アシュリー・オルセン:コレクションを最初から振り返ったら、それ自体に物語が感じられるはず。私たちがどのように成長してきたのか、そのとき人生のどの時点にいたかがわかる。

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2010年、The Rowはニューヨーク・ファッションウィークで初めてのショーを開催した。翌シーズンは、サンプルの到着が遅れたため直前にショーをキャンセルし、パリのサロンで小規模なプレゼンテーションを行なった。これが同ブランドの既存の枠にとらわれないプレゼンテーションの始まりとなる。ウエスト・ビレッジのショールームで開催されるショーには、ふたりと親しい、さまざまな年齢層のキャストを起用し、最近は伝説のアーティストによる彫刻作品を展示している。

 アシュリー・オルセン:最初のショーはもっと伝統的なショーのフォーマットに則っていたけど、終わったときに「もうこんなのは無理!」って思ったのを覚えてる。だから、もっとプライベートな環境でショーをやるようになった。3回もショーをやらなくてはいけないから、やることは増えたし、苦労することも多いけど、とにかく会場のノイズをなくしたかった。

 メアリー=ケイト・オルセン:大変なことばかり覚えているから、ショーについて話すのはなかなか難しい。ここ数年のコレクションに関しては、だいぶ合理化された感じがする。決して簡単なプロセスではないけれど、少しだけ楽になったかな。

 ウラジーミル・シャール:彼女たちは長年いろんな音楽をリサーチしてきた。とにかくショーにふさわしいものを見つけることを最優先している。すごく興味深いプロセスだよ。なかにはラディカルなサウンドを怖がるひとも多い。でも、彼女たちは音の流れ方についても考えるんだ。ショーの前にスピーカーの工場に行って、会場専用のスピーカーをデザインしたり。「今The Smithsを聴いていたの」っていわれて、じゃあThe Smithsのアルバムを買って丸々そのまま流そう、って提案したこともあった。曲と曲の間の沈黙もそのままでね。流してみたらまさにぴったりだった。

 ジジ・ハディッド:彼女たちのショーは、いつもとても穏やかで、静かで、露出が少ない。バックステージにフォトグラファーを大勢入れたりしないし、ランウェイのフォトグラファーもそれほど多くない。それが彼女たちの意向なの。不当な理由で多くのひとの目にさらされたり、不安になったり、利用されていると感じることなく、作品を発表したいと考えている。オルセン姉妹目当てでショーに来てもらうことは望んでいない。来るひとに服を尊重してもらうことが彼女たちの願い。

 ウラジーミル・シャール:このブランドは、時間をかけて彼女たちが本当にやりたいことへの自信と信頼を獲得していった。パリ郊外の城でショーをやったり、ショールームで60人の観客を前に発表したり、それが従来のルールに逆らうことでもね。彼女たちはただジャーナリストやバイヤーを喜ばせるのではなく、ショーのあるべき姿を提示したんだ。

 メアリー=ケイト・オルセン:つらいことにも耐えて、柔軟にならなければいけない。逐一指示を出す必要がないチームと仕事をすることが大切だし、負担も減る。チームに期待すべきことがわかっていて、彼らも自分たちとの働き方をよく理解していれば、すべて滞りなく進むから。ショーをやるというのは、とても大変な仕事。感情的になるし、時間もかかるけど、終わったときの達成感は最高。ほんの30秒か1分の出来事だけど、あの瞬間は忘れられない。

 キャロリン・マーフィー:彼女たちのショーが斬新なのは、あからさまなところが一切ないところ。人や自然、芸術作品に言及することはあっても、そこにはいつも綿密に練られたレイヤーが存在する。

 前回私が参加したショーは、女性彫刻家のビバリー・ペッパーをミューズとしてコレクションの中心に据えていたけれど、彼女はショーの数日前に亡くなった。BGMに選ばれたエルヴィスはまるで鎮痛剤のようで、思わぬオマージュを捧げることになった。ショーの最後には音楽が止まり、私たちの足音だけが響いていた。

ウラジーミル・シャール:どのショーでもさまざまな状態の融合から生まれるコントラストが感じられる。音楽に関しては、作り込んだものではなく、すごくシンプルなトラックを使う。リッチー・ヘブンスが家の地下で収録した1967年のギタートラックとかね。ミニマルで詩情にあふれていて、僕が毎回泣くのはこのショーだけだよ。

ヤズミン・ワーサミ:以前ショーに参加したとき、当時はまだ気づいていなかったけど実は妊娠していて、それでも締めつけはまったく感じなかった。きれいなロングスカートとオーバーサイズのシャツだった。身体に何かが変化が起きていることはわかっていたけど、服のおかげで違和感は全然なかったし、それを着ている自分は美しいと思えた。ステージに出る前にみんなで一列に並んだときは、モデルたちはすべてのアイテムを絶賛していた。なかには「早く脱がせて!」って思うショーもあるけど(笑)、The Rowの服はもっと着ていたくなる。

 ゾエ・ガートナー:すべての女性が、世界で期待されるようなイメージ通りに見られたいとは限らない。彼女たちは極端なイメージを表現してきたからこそ、これほど多くの女性がふたりの活動に共感しているんだと思う。でも、それは防御手段だとか、外の世界を阻むものという感じはしない。

ジジ・ハディッド:だからこそ、私はふたりに理解されていると感じる。ふたりがありのままの私を見てくれているから、安心感と感謝の気持ちを持ってランウェイを歩ける。他のデザイナーがそうじゃないとは言わないけど、もっと商業的で大規模なお金になるショーに、私の人生が利用できるかどうか、という点から見定められることもある。メアリー=ケイトとアシュリーのショーでは、自分が搾取されていると感じることはない。

 

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慎み深く、控えめなスタイルで知られるThe Row。床をすべる裾、やわらかなフィット感で垂れ下がる袖、その上にレイヤードされる布。その結果、幅広いサイズ、国籍、年齢、嗜好の女性たちが熱心な顧客となっている。

アラスター・マッキム:世界でも特に有名で、注目を浴びていて、慎み深く、ファッションに夢中な女性たちがThe Rowに愛着を抱くのは、間違いなくその裏にいる女性たちのおかげ。

 ジジ・ハディッド:ふたりは(写真を撮られることを)意識しているとは思うけど、たとえしてなかったとしても、それこそが彼女たちのデザインの目的のような気がする。特に彼女たちみたいに常に写真を撮られる人たちは、〈これを着ればシックに見える、守られているような感じがする〉という服を着ることで、心から自由になれる。

 メアリー=ケイト・オルセン:私たちは、慎み深い人間になるように育てられた。

 アシュリー・オルセン:それは単に私たちの美学、つまりデザインの好みの問題かもしれない。でも、だからといって華美なもの、極端なものが嫌いというわけじゃない。そういうものを出発点にして、無駄を削ぎ落としていったコレクションもある。いつもシンプルなものから始まるとは限らない。

 ジョナ・ヒル:彼女たちはふたりとも、極端なテイストを取り入れても、決して華美にはならない。彼女たちのトレンドを追わないところが好き。どんなときも自然体で、一時的な流行を追いかけることなく、誰よりも一枚上手な存在。The Rowを着ていたら、20年後に自分が写った写真を見ても問題ない。「あの頃の自分はいったい何を考えてたんだ?」なんて思うことはない。

 ゾーイ・クラヴィッツ:4年くらい前、友だちのカリナがここのバッグを持っていた。今まで見たこともないくらいキュートな、小ぶりなベルベットのポーチバッグだった。すぐに私も買って、そこからどんどん夢中になっていった。

 ルース・ロジャース:すごくセクシーだけど、繊細さとエレガンスの宿る服だと思う。僕は服は楽しめるものであってほしい。黒は着ない。ファブリック、カシミアの質、セーターの色合い、全部が好きなんだ。

 メアリー=ケイト・オルセン:ラグジュアリーという言葉は今はあらゆる場所で使われているけれど、私たちにとって、それは暮らしにゆとりを持たせてくれるもの。ラックにかかっている服を買い、それを身につけた瞬間に、まるで自分のワードローブの一部のようにしっくりくる……。ラグジュアリーとはそういうもの。あれこれ悩まなくてもいい、ということ。ファブリックは正しく使いさえすれば、それ自体が語りかけてくる。どんなときにファブリックを際立たせ、手を加えたりデザインし過ぎたりせず、ただその存在を主張させるのか、裁断しないようにするのか、タイミングを見極めるのが大切。ファブリックがデザインを決定づけることが多いと思う。スケジュールを決めるにしても、ファブリックを選ぶ段階からプロセスを始めなければいけない。だから、アイデアの半分はファブリックから生まれる。

 パメラ・ゴルバン:いつだって服を着るひとのことを大切にしてる。この服はカメレオンみたいに、着るひとのパーソナリティによって表情ががらりと変わる。

メアリー=ケイト・オルセン:私たちはかなり小柄なほうで、自分自身がクチュールのコレクターでもある。デザインを心から愛していて、プロダクトのほうが身体に合わせてくるから、私たちが着られない服はひとつもなかった。それこそがThe Rowをつくったもうひとつの理由でもある。シーズンごとに、少しずつ賢くなっていく。毎回新たなことを学び、自分を奮い立たせ、チームにもじっくり考え、より深く広く掘り下げるように働きかける。今は複数の部門ができて、それぞれの考え方や進化の道のりはまったく違う。私たちはこれからもずっと、クライアントやブランドとともに成長していきたい。世界は絶えず変化していることを常に実感している。何かを追いかけたりせず、ありのままの私たちや、ブランドとしての立ち位置に誠実でありたい。

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2010年、The Rowはニューヨーク・ファッションウィークで初めてのショーを開催した。翌シーズンは、サンプルの到着が遅れたため直前にショーをキャンセルし、パリのサロンで小規模なプレゼンテーションを行なった。これが同ブランドの既存の枠にとらわれないプレゼンテーションの始まりとなる。ウエスト・ビレッジのショールームで開催されるショーには、ふたりと親しい、さまざまな年齢層のキャストを起用し、最近は伝説のアーティストによる彫刻作品を展示している。

 アシュリー・オルセン:最初のショーはもっと伝統的なショーのフォーマットに則っていたけど、終わったときに「もうこんなのは無理!」って思ったのを覚えてる。だから、もっとプライベートな環境でショーをやるようになった。3回もショーをやらなくてはいけないから、やることは増えたし、苦労することも多いけど、とにかく会場のノイズをなくしたかった。

 メアリー=ケイト・オルセン:大変なことばかり覚えているから、ショーについて話すのはなかなか難しい。ここ数年のコレクションに関しては、だいぶ合理化された感じがする。決して簡単なプロセスではないけれど、少しだけ楽になったかな。

 ウラジーミル・シャール:彼女たちは長年いろんな音楽をリサーチしてきた。とにかくショーにふさわしいものを見つけることを最優先している。すごく興味深いプロセスだよ。なかにはラディカルなサウンドを怖がるひとも多い。でも、彼女たちは音の流れ方についても考えるんだ。ショーの前にスピーカーの工場に行って、会場専用のスピーカーをデザインしたり。「今The Smithsを聴いていたの」っていわれて、じゃあThe Smithsのアルバムを買って丸々そのまま流そう、って提案したこともあった。曲と曲の間の沈黙もそのままでね。流してみたらまさにぴったりだった。

 ジジ・ハディッド:彼女たちのショーは、いつもとても穏やかで、静かで、露出が少ない。バックステージにフォトグラファーを大勢入れたりしないし、ランウェイのフォトグラファーもそれほど多くない。それが彼女たちの意向なの。不当な理由で多くのひとの目にさらされたり、不安になったり、利用されていると感じることなく、作品を発表したいと考えている。オルセン姉妹目当てでショーに来てもらうことは望んでいない。来るひとに服を尊重してもらうことが彼女たちの願い。

 ウラジーミル・シャール:このブランドは、時間をかけて彼女たちが本当にやりたいことへの自信と信頼を獲得していった。パリ郊外の城でショーをやったり、ショールームで60人の観客を前に発表したり、それが従来のルールに逆らうことでもね。彼女たちはただジャーナリストやバイヤーを喜ばせるのではなく、ショーのあるべき姿を提示したんだ。

 メアリー=ケイト・オルセン:つらいことにも耐えて、柔軟にならなければいけない。逐一指示を出す必要がないチームと仕事をすることが大切だし、負担も減る。チームに期待すべきことがわかっていて、彼らも自分たちとの働き方をよく理解していれば、すべて滞りなく進むから。ショーをやるというのは、とても大変な仕事。感情的になるし、時間もかかるけど、終わったときの達成感は最高。ほんの30秒か1分の出来事だけど、あの瞬間は忘れられない。

 キャロリン・マーフィー:彼女たちのショーが斬新なのは、あからさまなところが一切ないところ。人や自然、芸術作品に言及することはあっても、そこにはいつも綿密に練られたレイヤーが存在する。

前回私が参加したショーは、女性彫刻家のビバリー・ペッパーをミューズとしてコレクションの中心に据えていたけれど、彼女はショーの数日前に亡くなった。BGMに選ばれたエルヴィスはまるで鎮痛剤のようで、思わぬオマージュを捧げることになった。ショーの最後には音楽が止まり、私たちの足音だけが響いていた。

 ウラジーミル・シャール:どのショーでもさまざまな状態の融合から生まれるコントラストが感じられる。音楽に関しては、作り込んだものではなく、すごくシンプルなトラックを使う。リッチー・ヘブンスが家の地下で収録した1967年のギタートラックとかね。ミニマルで詩情にあふれていて、僕が毎回泣くのはこのショーだけだよ。

 ヤズミン・ワーサミ:以前ショーに参加したとき、当時はまだ気づいていなかったけど実は妊娠していて、それでも締めつけはまったく感じなかった。きれいなロングスカートとオーバーサイズのシャツだった。身体に何かが変化が起きていることはわかっていたけど、服のおかげで違和感は全然なかったし、それを着ている自分は美しいと思えた。ステージに出る前にみんなで一列に並んだときは、モデルたちはすべてのアイテムを絶賛していた。なかには「早く脱がせて!」って思うショーもあるけど(笑)、The Rowの服はもっと着ていたくなる。

 ゾエ・ガートナー:すべての女性が、世界で期待されるようなイメージ通りに見られたいとは限らない。彼女たちは極端なイメージを表現してきたからこそ、これほど多くの女性がふたりの活動に共感しているんだと思う。でも、それは防御手段だとか、外の世界を阻むものという感じはしない。

 ジジ・ハディッド:だからこそ、私はふたりに理解されていると感じる。ふたりがありのままの私を見てくれているから、安心感と感謝の気持ちを持ってランウェイを歩ける。他のデザイナーがそうじゃないとは言わないけど、もっと商業的で大規模なお金になるショーに、私の人生が利用できるかどうか、という点から見定められることもある。メアリー=ケイトとアシュリーのショーでは、自分が搾取されていると感じることはない。

 

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2014年、ロサンゼルスに初の店舗をオープンしたThe Row。スイミングプールも備えるこの店には、ポール・ケアホルムのコーヒーテーブル、ジャン・プルーヴェの家具、フォルチュニーのフロアランプ​、ピカソのセラミック作品など、服と同じくらい目を引くさまざまなアイテムが揃っている。続いて2017年にオープンしたニューヨーク店には、ジャックス・グランジュが手がけた彫刻作品のような階段が備えられ、ジャン=ミシェル・バスキアとマン・レイの作品が飾られた。2019年オープンのロンドン店は、ジェームズ・タレルの作品が入り口でゲストを出迎える。どの店も個性的で、The Rowの服やアクセサリーとともに、厳選された20世紀のオブジェが並ぶ。

 メアリー=ケイト・オルセン:建築とデザインへの愛が、私たちの出発点だった。店に入るとすぐに家のようにくつろげるから、すぐ好きになってもらえるはず。でも、都市によって雰囲気はまったく違う。お客さんには型にはまった体験はしてほしくないから。

 パトリック・セガン:私のギャラリーは、プルーヴェ、ル・コルビュジエ、ペリアン、ジャンヌレ、ロワイエなど、20世紀フランスの家具や建築を専門に扱っている。そういう建築的な要素のある家具の禁欲的な雰囲気は、彼女たちの美学に合っていると思う。

 アシュリー・オルセン:確かにアートは重要だけど、(作品を展示するのは)重要だからじゃない。とにかく私たち自身がアートを愛していて、それを共有したいだけ。自分たちが見つけるものを、お客さんとも共有したい。物語を語り、展示するものに文脈を与えたい。

 メアリー=ケイト・オルセン:アート界隈の人たちがファッションと豪華なコラボレーションをし始める前に、私たちはダミアン・ハーストとのコラボでバックパックをつくった。もう7年くらい前の話かな? でもユニークで誠実でふさわしいと思えるものなら、それは必ずしもアートでなくてもいい。会場でかける音楽だったり、イサム・ノグチ財団やビバリー・ペッパーとショーをやったり……。私たちはたくさんの美しいものに囲まれてきた。それに何年もかけて築いてきた強い絆がある。世界中の気の合う人たちとの友情をキュレーションしているような感じ。

 冨永愛:The Rowはトレンドを追いかける安易なブランドではなく、デザイナー自身の考え方、ライフスタイル、人生観までもを垣間見させてくれるブランド。

 パメラ・ゴルバン:彼女たちの店は装飾が少ないけれど、冷たい感じはしない。暖かくて、寛容な雰囲気。決して居心地は悪くはなく、ホッとする場所。服のためにぴったりな空間をつくりあげている。彼女たちの服を着るには最適な場所、という感じ。

 The Rowというブランドを説明する際、〈完璧〉という言葉が多用されるが、希少なファブリックや絶妙なカッティングのシルエットは完璧なだけではない。その実用性やペースもそうだ。The Rowが中心に据えるのは、着心地のいいエレガントな普段着だが、亀のように息の長い〈イットファッション〉だ。時代を超越した魅力こそが、このブランドの価値なのだ。

 メアリー=ケイト・オルセン:私たちはかなりの完璧主義者で働き者。今までずっと必死に働いてきた。みんなに完璧で完成度の高いプロダクトだと思ってもらえたらうれしい。私たちが服をつくる理由は、自分の完璧でないところを直し続けるため。次のシーズンはそのためにある。あらゆる欠点を洗い出し、常に自分を奮い立たせ、ものを見る目を養い、それがすべてのひとに届けられているかを確かめるのも私たちの仕事。ひたすら進化し、学び続ける。

パメラ・ゴルバン:〈完璧の追求〉以上に彼女たちにふさわしい言葉を考えてみたんだけど、それは〈鍛錬〉かもしれない。

 アシュリー・オルセン:主導権を持ち、ふさわしいタイミングで物事を進めることはとても大切。それこそがブランドの原動力になっている。もちろん加速するときも、反対にスローダウンするときもあるかもしれない。大切なのは、決して乗り遅れたり、速度を落とさないバランスを探りながら、正しい方法で業界のペースについていくこと。先走ることなく、それでも遅れをとらないように。興味深いバランスだと思う。

 ジェイムス・ギルクリスト:彼女たちは根本的に変えるのではなく、さりげなく前に進み、新鮮さを保ってきた。それこそが進化というものだ。

 ヤズミン・ワーサミ:長く持てるものだからこそ、お金をかけることをいとわない。それこそが本物。彼女たちの服はどれも大好きだけど、残念ながら全部買う余裕はないけどね(笑)!

 パメラ・ゴルバン:値段は張るけれど、決して高くはない。

 ジェイムス・ギルクリスト:つまり安っぽく見えない、ということ。あまり気づかれないけれど、ここの服を着ているひとを見ると、とても高価なものに見えると思う。

 サラ・アンデルマン:今まで以上に本物であることが求められるこの時代は、The Rowの世界ととても親和性が高いような気がする。本物の純粋なラグジュアリーブランドで、クラブに所属しているような感じ。同じクラブのメンバーだけが、この服に気づくの。

 アラスター・マッキム:The Rowのアイテムはひと目でそれとわかる。タグもいらないくらいだ。カッティング、ドレープ、色合い、バランス、ファブリックの肌触り……。それこそがThe Row。時代を超越したラグジュリーだ。

 ヨーロッパには上質なレザーアイテムやオートクチュールに根差した、名だたるラグジュアリーブランドがあるいっぽうで、米国はトリクルダウン理論に則ったファッションビジネスで名を馳せてきた。誕生から15年、The Rowは米国最高のラグジュアリーブランドとしての地位を固め、Charles James、Calvin Klein、Helmut Langの足跡をたどりながらも、我が道を進み続けた。同ブランドは今も個人経営のままだ。

 アラスター・マッキム:ニューヨークのファッションデザインには、ずっと過小評価されてきた、非の打ち所のない一面がある。ふたりは現代のアメリカン・シックの守護者だ。

 キャロリン・マーフィー:彼女たちのデザインは、とても米国的。白Tシャツに関しては、The Rowの右に出る者はいない。このTシャツはいかにも米国的だけど、そのテーラリングにはヨーロッパ的な要素がある。

サラ・アンデルマン:米国的なタッチというのはよくわからない。もっとグローバルな感じがする。イタリアっぽくも日本っぽくもあるでしょ?

冨永愛:気高い信念と丁寧な職人技の奥深さが日本の伝統工芸の特徴だけれど、彼女たちにも通じるものがある。

ヤズミン・ワーサミ:特に米国らしさは感じない。すごくシックだけど、〈米国〉と〈シック〉という言葉は普通は同じ文で使わない。コレクションにはヨーロッパ的な要素がたくさんあって、それは彼女たちの旅やスタイルのセンスから来るものだと思う。

 ジェイムス・ギルクリスト:すごく米国的だと思う。シンプルで高価な服からは、ニューヨークらしさを感じる。これはすごく大胆なことだと思う。ごまかしが効かないから。僕はCalvin Kleinや『アメリカン・サイコ』のような映画で育ったから、僕にとってはニューヨークのイメージ。

ゾエ・ガートナー:女性は出身に関係なく、自分らしさを求める。(The Rowには)たくましく、厳しい冬を乗り越えなければならなかった開拓時代の女性的な要素を感じる。西部でゼロからスタートしたまっさらな感じとか、機能性を重視したデザインのシンプルさとか。米国的な表現で言えば、生き残るのに最低限必要なものまで削ぎ落としていく、ということ。

   

コントリビューター

冨永愛:日本のモデル/女優

アラステア・マッキン:i-D編集長
キャロリン・マーフィー:米国のモデル

ジジ・ハディッド:米国のモデル

ジェイムス・ギルクリスト:Comme des Garçons/Dover Street Marketのヴァイスプレジデント

ジョナ・ヒル:米国の俳優

パメラ・ゴルバン:パリ装飾芸術美術館(Musée des Art Décoratifs)のチーフ・ファッションキュレーター

パトリック・セガン:20世紀の作品を専門とするフランスの古美術商

ルース・ロジャース:ロンドンRiver Caféのシェフ/オーナー

サラ・アンデルマン:Coletteのリテイラー/ファウンダー

ウラジーミル・シャール:ミュージシャン、The Rowサウンドデザイナー

ヤズミン・ワーサミ:カナダのモデル

ゾーイ・クラヴィッツ:米国の女優

ゾエ・ガートナー:ロサンゼルスを拠点とするフォトグラファー

 

Credits


Photography Daniel Jackson
Styling Alastair McKimm

Hair Bob Recine.
Make-up Diane Kendal at Julian Watson Agency for Zara Beauty.
Nail technician Honey at Exposure NY using Londontown Lakur in “Crowning Crumpet”.
Photography assistance Jeffrey Pearson.
Digital technician Karen Goss.
Styling assistance Madison Matusich and Milton Dixon III.
Hair assistance Kabuto at The Wall Group.
Make-up assistance Jamal Scott.
Producer Rebekah Mikale.
Casting director Samuel Ellis Scheinman for DMCASTING.
Model Gigi Hadid at IMG.

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