KIM JONES PORTRAIT BY BRETT LLOYD,  SPONSORED BY Dior

キム・ジョーンズ Interview

史上初となったメンズ プレフォールのランウェイを東京で開催したディオール。

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17 December 2018, 8:19am

KIM JONES PORTRAIT BY BRETT LLOYD,  SPONSORED BY Dior

ミシンやアイロン、洋服をかける什器で溢れかえった部屋を横目に、廊下で自分の番を待っているモデルの脇を通りすぎるとフィッティングが行われている部屋に辿りついた。帽子を制作しているスティーブン・ジョーンズ、コスチューム ジュエリーのデザインをしているYOON、そしてパリのアトリエから来た職人たち。ホテルのワンフロアは、ビッグデーを目前に控えたDior Menの制作チームたちで活気づいていた。そんな緊張感の漂う雰囲気のなか、リラックスした雰囲気のキム・ジョーンズが私たちを迎えてくれた。

彼が率いるDiorの2019年メンズ プレフォール コレクションが11月30日に東京のテレコムセンターで開催された。メンズ プレフォールをランウェイ形式で発表するのはこれが史上初となる。その本番2日前に、彼は快くインタビューを引き受けてくれたのだ。

これまで80回以上来日しているキムだが、日本との出会いは彼が17歳のときまで遡る。90年代の東京から発信されるファッション、その情報を伝える『スマート』や『メンズノンノ』といったメンズ雑誌を見たキムは、東京に大きな関心を抱いていた。東京のデザイナーたちと交流し始めたのもそのころだ。「当時僕はGIMME FIVEで働いていて、短いあいだに高橋盾や藤原ヒロシ、NIGO、北村信彦と出会ったんだ」と、キムは当時を振り返る。「細部までこだわる彼らの姿に感動したよ」。当時まだシャイな少年だったキムは、彼らが行なっていた日本的な手法でのデザイン構築に感銘を受けたのだ。そこで覚えた感動は、その後の彼のクリエーション、そして今回のランウェイまで引き継がれている。

キャリアを通して、「ラグジュアリー」の定義を押し広げてきたキム。ランウェイ会場の中心には、彼が敬愛するアーティスト空山基が手がけた全長11mのメタリックな女性型ロボットがそびえ立っていた。このコラボレーションもまた驚きと納得が同時に訪れる、いかにもキムらしい仕掛けのひとつだ。新天地Diorの制作チームとの普段の作業もまた「コラボレーション」だと話すキム。ショーを目前に控えた想いを語ってくれた。

——Dior Menのアーティスティック デイレクターに就任して2シーズン目ですが、現在の心境は?
一生懸命取り組んでいるよ。チームをまるで家族のように感じている。この雰囲気がすごく好きだね。Diorが誇る偉大なアーカイブ、そして職人技をもつアトリエのスタッフたちと一緒に仕事ができて嬉しいよ。

——今回、日本でショーをしようと思った理由を教えてください。
Dior Menにノイズを起こしたくてね。もとを辿ればムッシュ・ディオールも日本が大好きで、さまざまな点で影響を受けていた。彼が愛したかつての日本、そして僕が愛する未来的な日本。伝統と未来をひとつにまとめるのが面白いと思ったんだ。

——前回のショーではKAWSと、今回は空山基さんと協業されています。なぜアーティストたちと仕事をするのを好むのでしょうか?
それはムッシュ・ディオールがDiorを始める前に、画廊の支配人をしていた過去につながる。彼はピカソ、ダリなど名だたる芸術家たちと働いていた。才能のある人を見つけ出し、新しい世代に紹介していたんだ。

——大勢いる日本のアーティストのなかで、空山基を選んだ理由は何でしょう?
空山基が持っている未来的なヴィジョンが大好きなんだ。彼の描く機械的な身体像は女性たちをエンパワーする強さと現代性がある。僕にとって彼は、草間彌生や村上隆と並ぶような偉大なアーティスト。だけど(一部に熱狂的なファンがいるけど)、まだ世界的には広く知られていない。だから今回一緒に働きたいと思ったんだ。

——YOONさんとの関わり方について教えてください。
YOONはジュエリー部門で一緒に制作しているけど、もう10-12年の付き合いになるね。彼女は強い美意識の持ち主で、僕がDiorのデザイナーに就任したときも、一緒にクリエーションをすることを夢見てた。一回限りじゃなくて、継続的に参加してもらうのが良いと感じたんだ。

——コラボレーションするにあたって重要なことは?
いつでもオープンマインドで柔軟でいること。そして相手に敬意を払うこと。自分に与えられた素晴らしい機会と幸運には、常に感謝しているよ。Diorでは普段からプレスオフィスやアトリエでも数え切れないほどの人たちと協働(コラボ)しているんだ。僕はチームを率いる側だけど、皆が一丸となってひとつの目標を目指しているからね。

——今後挑戦したいことがあれば教えてください。
たくさんあるけど、まだ言えないことばかりだね。Diorには熟練したテーラリング技術を持ったクチュリエたちがいて、常にエレガンスを追求している。だからこれからは、テーラリングの方向を強めていきたいと思っているんだ。僕にとってそれは、決まりきった型を探すというより、新しい挑戦になると思うよ。

https://www.dior.com/ja_jp

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