from left: Gottz, Neetz, Ryohu (KANDYTOWN). Photo by Syuya Aoki.

なんせ全員フロントマンなんで:KANDYTOWNのGottz、Neetz、Ryohu インタビュー

KANDYTOWNは変わらずにフレッシュでいる方法を知っている。新作『ADVISORY』をリリースしたクルーの現在地について、メンバー随一の曲者たちであるGottz、Neetz、Ryohuの3人に話を聞いた。

by Sota Nagashima; photos by Syuya Aoki
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29 October 2019, 9:00am

from left: Gottz, Neetz, Ryohu (KANDYTOWN). Photo by Syuya Aoki.

東京は世田谷区出身、総勢16名から成る大所帯ヒップホップクルー、彼らを説明するこれらの前置きはもう必要ないのかもしれない。10年後も、20年後もきっとKANDYTOWNはKANDYTOWNである。この日、彼らと話して無責任にもそんなことを思った。「見てくれる人が多かろうと少なかろうとカッコ良くないといけない」。そう話すRyohuの言葉を思い返していたからかもしれない。バンドシーンとも密接に繋がりラップとトラックメイクの両方をこなす才人であるRyohu、クルーでも指折りの個性を放つラッパーGottzKANDYTOWNのサウンドの核となるビートメイカーNeetz3人が語る『ADVISORY』製作秘話、クルーと共に進み辿り着いた現在について。

kandytown 最新アルバムリリース『ADVISORY』Ryohu、Gottz、Neetzのインタビュー Photography Syuya Aoki
kandytown 最新アルバムリリース『ADVISORY』Ryohu、Gottz、Neetzのインタビュー Photography Syuya Aoki

━━ 御三方それぞれがソロでも活躍されていると思いますが、今回1stアルバムから3年振りとなるメンバー全員での新作『ADVISORY』リリースへと動いた経緯から聞かせていただけますか。

Ryohu(以下、R):はっきりとした経緯はあまり覚えてないですけど。元々1stを出した後は各々ソロ活動をやっていこうという話をしていて。それなりに個々も力が付いてきて、「そろそろKANDYTOWNも」というタイミングでまずE.Pを出すという目標が1つあった。それで今年の2月にE.Pを出し、O-EASTでワンマンをやったりして、その流れに乗っていくような形で2ndを作ろうという話になっていったと思いますね。

━━ なるほど。1stを出した3年前と今とでは変わったこともたくさんあると思います。身の回りや心境に変化はありますか?

Gottz(以下、G):俺は全然違いますね。自分の中では3年前のアルバムは全然やれてないと思っていて。あの時は20%ぐらいで、今が45%ぐらい。まだまだ伸び代という感じです(笑)。

━━ 作り終わってから、まだまだやれたなと感じるということですか?

G:後悔するのは当たり前の話で。自分のソロもそうですけど、後悔というかもうちょっとやれたなと思うことが大事なのかなと思います。もうちょっとやれたなと思う気持ち反面、じゃあ次でやればいいでしょと思えるので。3年前から変わってはいますけど、まだ満足することなくという感じです。

━━ それは自分の可能性というか、やれることが増えていっている実感もあるから?

G:そうですね…。でも、俺の場合はラップしかできないので。例えば人に依頼をする時のお願いの仕方って大事だと思っていて、そういう人間関係を学んだりしてますね(笑)。ソロとか自主でやっていると予算も限られていたりする。だから、やっぱり自分の熱意はしっかり伝える。そういうのって、伝え方次第で伝わると思うので。2人(RyohuとNeetz)みたいにビートは作れないので、自分がやれることだけをやろうかなという感じです。

━━ RyohuさんとNeetzさんはいかがでしたか、この3年間。

R:自分自身はそんなに変わらないですけど、当時よりは明らかにKANDYTOWNのことを知ってくれている人が増えたのは実感してますね。そこ以外はあんまり変わってないかもしれない。

━━ そうやって自分たちの音楽を聴いてくれる人が増えたことによる意識の変化もないですか?

R:うーん、そもそもそこを目掛けてなかったので。KANDYTOWNの中にいて恥ずかしくないことをするというのが1番だと思っていて。それは音楽だったり、振る舞いだったり、人間関係だったり、Gottzがさっき話していた様に俺もまだ学んでいる最中ですけど。見てくれる人が多かろうと、少なかろうと、カッコ良くないといけないので。それは皆が変わらず心掛けていることだと思います。

Neetz(以下、N):自分は音楽の作り方に関してのマインドが変わりましたね。3年前はビートを作って投げて、それで終わりという感じでしたけど。今は自分のビートを作って誰に合うかを考えたり、メジャーの仕事も何曲かやらせてもらって自分の色を出しつつ、その人に合うような曲を作ったりして。

━━ 好きな時に出すのではなく、よりストイックなプロ意識が強くなったと。

N:それは間違いなく、ありますね。

G:でも、常に追われているけどね(笑)。Neetzが始まらないと、KANDYTOWNは始まらないので。可愛そうですよね(笑)。

R:Neetzが苦しめば、俺らも苦しむ(笑)。

G:みんなビートができてから、ラップを書くというスタイルなので。たぶんRyohu君のマインド的にもNeetzが作って足りない部分を埋めていくという感じで、基本的にはNeetzのビートがメイン。

R:そうだね。今回もそこは1stから変わってないね。

―ビートメイカーでもある2人は、お互いのトラックの魅力って何ですか?

R:NeetzはやっぱりKANDYTOWNらしさを持っている。俺は意識的にですけど、外しがちというか、なんか違ったことをやりたいと思っているので。

N:Ryohuの曲にはRyohuの色がありますね。Ryohuのソロと、KANDYTOWNに入っているRyohuのトラックにも同じ色がある。俺はもっとKANDYTOWNに染まってる(笑)。

G:逆に言えば、KANDYTOWNの音はNeetzカラーということだよね。カッコイイ。言い方、逆の方が良いよ(笑)。

kandytown 最新アルバムリリース『ADVISORY』Ryohu、Gottz、Neetzのインタビュー Photography Syuya Aoki

━━ 1stアルバム『KANDYTOWN』のアートワークは、YUSHIさんによるものでしたよね。2作目にして改めてメンバー全員のポートレートという直球な物にした理由は?

G:これは結構ヤバかったですよ。全員で集まってアー写を撮ろうと結構デカいスタジオに行ったのに、全員部屋の外の階段で撮って(笑)。しかも、集合写真も駐車場で撮ったから、白バックのある大きなスタジオはただのみんなの待機場所みたいになっていた(笑)。

R:そうだ(笑)。行ってから違ったみたいなね。

━━ でも、結果すごくカッコイイアートワークになってる。一人一人の写真を並べるアイディアはカメラマンの方によるものですか?

G:一応1人のアー写用に撮ってみて、並べてみたのはたぶんIO君のアイディアですね。それをジャケットにしちゃおうと。これ、ポテトチップスとかにして欲しいですよね(笑)。

━━ 選手カードのような(笑)。

G:またNeetzかよ、みたいな(笑)。

━━ 先日、KEIJUさんにインタビューをした時、ソロの時はメロディ的な所を重視したりもするけど、KANDYの時は誰のラップが1番カッコイイかを競い合うようなバチバチ感が楽しいっておっしゃっていました。

R:絶対あると思いますね。

━━ 今作で正直嫉妬した他のメンバーのヴァースやパンチラインなどがあれば教えてください。

N:あれでしょ?「身体三つあるみたく増えるclothes」。

G:「ビッチな男はいつも他人のせい」の方がヤバイ。

N:最後の曲「Until The End Of Time」のIO君のヴァースは全部ヤバイですね。

G:IO君ってやっぱヤバイなと再認識しました。他の人たちがどう思っているか分からないけど、リリカルなんですよね。言葉の置き方でグサッとくる。後は、上杉柊平(Holly Q)も気合いに満ち溢れている。

━━ 確かにすごい熱量を感じました。今作から大々的な参加ですもんね。

N:プリプロ(レコーディング前に行う準備作業)とかも、柊平はめちゃくちゃ早かったですね。柊平始まりみたいになるぐらい。気合いが誰よりも入っていたかもしれない。

G:元々仲間でしたけど、やっぱ刺激になりますよね。急にガッツリ来て、かましてるので。ドラマの撮影合間でも先にスタジオに入ってて、めちゃくちゃ好青年を演じていたのにダミ声でラップして帰っていくみたいな(笑)。

━━ 本人も溜まっていたものがあったんですかね。

G:俺がソロアルバム出した時とかには、俺もラップしたい一緒に曲やりたいみたいな連絡は結構来てました。レコーディングが7月から始まる予定だったんですけど、柊平は7月一杯長野に泊まり込みで撮影をしなければいけなくて。だから、その前に誰もまだ曲を録ってない中、柊平はプリプロをめっちゃ録ってた。

N:機材も買ってたしね。それで俺も柊平の家に録りに行ってあげてた。

━━ では、上杉さんの存在が今作の製作において1つのハイライトかもしれない?

N:そうかも、今思えば。

G:火蓋を切ったのは完全にそうですね。

N:そこに続く勢いで、 やっぱりGottzもいたけど。GottzとMUDは相変わらず曲を書くのが早いですね。

kandytown 最新アルバムリリース『ADVISORY』Ryohu、Gottz、Neetzのインタビュー Photography Syuya Aoki

━━ 改めて、過渡期をある程度経験したKANDYTOWNの現在地についてお話を聞きたいのですが、昔想像をしていた20代後半と現実にギャップはありますか?

R:想像することも大事だったし活力になっていたけど、やっぱり実際になってみないと分からない。想像していたものとは違うけど、実際にこの年齢になってみると、こうなるよねと納得できる自分がいる。

G:確かにそれはありますね。俺は意外と落ち着いたなって自分で思いますね。もっとイケイケな感じを想像していたし、同世代や先輩は未だに毎週クラブに遊びに行ってる人とかもいるので、それに比べるとやることやってるなって(笑)。本当に熱中できるものがあって良かったなと思います。

N:俺はこんな好きなことを、気の合う仲間とずっと続けられると思っていなかったので、それは本当に良かったと思ってます。

━━ 喧嘩とかはもうしないですか?

R:そんな大きなことは無いですね。小さなことはありますけど、いちいちうるせぇよぐらいの(笑)。でも、みんなちゃんと自分の意思を持ってるやつらなので、気になることはあれば言うし、それに対して違くねと思えばそれも言う。

━━ 成長しつつ刺激を与え合える親友であり、言うなれば仕事仲間でもある。本当に羨ましいなと思います。

R:本当ですね。大人になって忘れちゃったことがあっても、仲間が気付かせてくれたり、ケツを叩いてくれたりとか。それは仲間がいて良かったことの1つだと思いますね。

G:KANDYTOWNはグレーゾーンですよ(笑)。というのも、深く考え過ぎるとここまでは保てないと思う。音楽に対しては本気なんだけど、みんなちょうど良く適当なので。金が絡んでない昔の方がよく喧嘩してましたね(笑)。

━━ 今作のリリースを経て東京ではZepp Diver City 、大阪でZepp Osaka Bayside でのツアーも控えていますが、この規模のステージに全員で立つということはいかがですか?

N:デカい箱で鳴らす様に意識してビートも作っていたところがあるから、楽しみにしといてくださいって感じですね。

R:そこに昔の曲も入ると緩急なども出来て、トータルで1つのショーになると思うので。

G:みんながチビッちゃはないか心配だけど。

━━ (笑)。ステージの上でも誰が1番カッコイイかという闘争心はありますか?

G:俺はやるからにはというのは、やっぱりあります。

R:ある奴はあると思います。俺はもうみんなの影に隠れて…

G:Ryohu君も結構イケイケでしょ(笑)。

N:自分は1番目立つっていうのが、もう出てるよね。

R:それは言わない話じゃん(笑)。

━━ やっぱり全員目立ちたがりだ(笑)。

R:なんせ全員フロントマンなんで。

kandytown 最新アルバムリリース『ADVISORY』Ryohu、Gottz、Neetzのインタビュー Photography Syuya Aoki

【KANDYTOWN 「ADVISORY TOUR ’19」】
・東京公演
日程:11月3日(日)
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
会場:Zepp Diver City
お問い合わせ:CITTA'WORKS 044-276-8841
・大阪公演
日程:11月22日(金)
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
会場:Zepp Osaka Bayside
お問い合わせ:サウンドクリエーター 06‐6357‐4400
・チケット販売:https://eplus.jp/kandytown/

https://wmg.jp/kandytown/


Photography Syuya Aoki
Interview and Text Sota Nagashima

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