VERBALが語るサングラスのアディクト遍歴

音楽プロデューサー、DJ、デザイナーとして幅広く活動する一方、サングラスのコレクター、愛好家としても知られているVERBAL。彼が最も愛を注いできたアイウェアと、趣味が高じて実現したプロジェクトについて語る。

by Yuko Aoki
|
01 February 2017, 3:19am

ヴィンテージからハイブランドまで、彼のワードローブには一時約1000本ものアイウェアが揃っていたという。簡単には手に入らないクラシックなデザインから遊び心溢れるユニークなもの、美術館に並んでいそうな希少なものまで、蒼々たるラインアップには圧倒される。そんなサングラスへ強い想いを抱くVERBALが、クラフツマンシップと最新テクノロジーを融合させたアイウェアブランド「MYKITA」とのコラボコレクションを発表。収集中のアイウェアやコラボアイテムの魅力を語ってもらった。

VERBALさんと言えばアイウェアを取り入れたコーディネートが印象的です。そのアイコニックなスタイルが根付いたきっかけについて教えてください。
デビューしたのが99年で、その時にいわゆるジャケ写を撮影したんです。上がってきたグループ写真を見た時、自分の思い描くラッパー像みたいなものに対して何か引っかかったというか、遠く感じたんですよね。何となく生々しさを感じて。そこで、自分が持っていたサングラスを試してみたら全体的に凛としたイメージができあがり、「これで行こう!」と思ったんです。お仕事の話も徐々に増えていた時期だったので、そのあたりからサングラスなキャラで露出していくようになりました。
あと僕は童顔なので、そこを気にしていたのもありましたね。今はいろいろな人がいますけど、童顔のラッパーはちょっと違うんじゃないかな、と当時は思っていて。90'Sからヒップホップを聞いてきたので(ラップに対して)ハードなイメージの方が強かったからかもしれないですね。

サングラスはVERBALさんにとってどんな存在?
サングラスひとつでコーディネートの雰囲気が全然変わりますし、凝ってる部分ではありますね。最近はトレンドを何周もしちゃってデイリーユースできるものを手に取ることが多いんですけど、以前はやっぱりコレクター的な観点から買ってました。ブランドや形に時代背景やストーリーなど、パワーを感じたものを揃えたり。大半が黒で、あとは赤、白、メタルフレームにハマっていた時期もありましたね。カラーもですが、フレームの形に惹かれて買うことが多かったです。

ちなみに、所有されているアイウェアの本数は?
一時期1000本以上持ってたんですけど、使わないモノは友達にプレゼントしたりしました。ここにあるのは一部ですが、50年代の「Robert Piguet」とか、ビッグフレームにレンズが3つ付いた「sillouette」、立体的な仮面の様な「ROMAIN KREMER」など。今は700〜800本くらい保管してあると思います。

courrèges エスキモー・グラス

Silhouette Futura 570

All Vintage silhouette 

left : Romain Kremer x MYKITA Limited Edition " ROMAIN" middle : MYKITA + BERNHARD WILLHELM "DAISUKE" right : Romain Kremer x MYKITA "YURI"

サングラス愛好家として、もちろん「MYKITA」もワードローブの一部だと思いますが、どんなデザインをお持ちですか?
「MYKITA」のウィットに富んだテクノロジー感のあるデザインに惹かれ、コレクションとして買っていました。自分でも身につけるようになったきっかけは、"ジャニス"というラウンド型フレームのサングラスにハマってしまったこと。もともと似合わない気がして丸いレンズが苦手だったんです。そんななか、"ジャニス"だけはかけてみた時にすごくしっくりきたんです。程良い形と配色と。丸いレンズってジョン・レノンとかヒッピーっぽいイメージというか、アーティスト性高くないと手を出してはいけないイメージがあったんですけど、これだけはフィットしたので何本も持っています。もちろん、サングラスのほかに眼鏡もありますよ。昔は眼鏡としてのファンクションを求めてフレームを選んでましたけど、最近はステートメントとしてかけています。ルックの一部として、見た目重視で揃えています。

今回、「AMBUSH®」と「MYKITA」とのコラボレーションに至った経緯を教えて下さい。 なぜ、どのようにして決まったのですか?
サングラスこそ「何で作らないのか?」とよく聞かれていたんですが、僕的には世に出ているもので既にお腹いっぱいというか。自分はコレクターでいいと思っていたんです。それが、ベルリンに行く機会ができた時に面識があった「MYKITA」のスタッフに会いにハウス(=本社)を訪れることになり、そこでサングラスの制作工程を見たり、実際にチームに会わせてもらいました。MYKITAの商品は全てシンプルだけど耐久性があって美しい。ネジを使わずに、1枚のシートを広げて曲げて作っているだけなんですよ。あとは加工、塗装のみ。超単純な構造ですが、無駄が無いなと思いました。そこに彼らの熱意を感じましたし、僕も面白いと思いました。一年半以上前なんですけど、そこからアイディアを練り始めました。

ご自身の名前と同じ「VERBAL」と命名されたコラボコレクション。デザインの特徴など教えて下さい。
レンズの表面がインバートされていたり、本来内側になるところにコーティングしたりと特殊な手法を使っているので最初は難しいと言われました。僕のパブリックイメージからなのか、「MYKITA」のデザインチームは結構エッジの効いたデザインを提案してくれたんですが、でも僕としては、ぶっ飛んだデザインではなく毎日かけられるものを作りたかったんです。"さりげなく、毎日、ちょっとユニーク"っていうか。かつ、おしゃれで楽しい感じがよかった。ブロウバーが付いているサングラスってクラシックなものが多いんですが、それをモダンにしてみました。全部で3色展開。シルバーとゴールドは絶対入れようと思っていました。

(外側から見ると)反射した絵がカーブして、映像みたいに見えるのが面白いですね。
そうなんですよ。「外を映し出し、反射した時に面白いビジュアル効果が生まれる」というところがポイント。少しの技でユニークなサングラスになるようにしたかったんです。ディテールに美を追求したフレームというか。「AMBUSH®」のブランドコンセプトは"Portal Art"。今回のコラボサングラスについても、「2Dに見えるけど、実は立体的な側面がある」とか、そういった想いを詰め込んでみました。

left : Shiny Black and Black Lenses. middle : Gold / Red and Gold Lenses. right : Silver/ Blue and Silver lenses.

「AMBUSH®」と「MYKITA」、両者の共通点はどんなところだと思いますか?
デザイナーのYOONは「絶対に他には無いものを作ろう」という思いが強く、オリジナリティの高いモノを追求しています。そういう想いが直接「AMBUSH®」の商品に繋がっていて面白い。ピックアップされていないカルチャーを自分なりに表現して、独特の世界観を生み出す事ができていると思います。「MYKITA」はモダンテクノロジーを使う若いチームなので、トラディショナルなところではできないことができる。コミュニケーションも取りやすいので、そういう会社のムードがプロダクトに反映されているんじゃないかなと思います。知名度の低い若手アーティストとのコラボレーションも積極的ですし、縛りがなくてかっこいいスタイルだと思います。良い意味で「MYKITA」と「AMBUSH®」は、作り手の想いがダイレクトに反映されるインディペンデントなスピリットが似ているかなと思いますね。

お客様問い合わせ先
MYKITA Shop Tokyo
〒 150-0001  東京都渋谷区神宮前 5-11-6 B1F
tel: +81 3 64275232

AMBUSH® WORKSHOP
150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目22−8
tel. 03-6451-1410

Credits


Text Yuko Aoki
Portrait Photography Dan Bailey
Products Photography Takao Iwasawa

Tagged:
Verbal
fashion interviews
eye wear
mykita