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世界一のコム・デ・ギャルソン収集家

川久保玲とComme des Garçonsの功績を讃え、ファッションオンラインショップFarfetchが、<dot COMME>を迎えた。Comme des Garçons 好きが高じてそれをビジネスにした<dot COMME>創業者オクタヴィウス・ラ・ローサに話を聞いた。

by Steve Salter
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03 May 2017, 11:05am

「川久保玲は僕にとって大きなインスピレーション」と、オクタヴィウス・ラ・ローサ(Octavius la Rosa)は、i-Dの問いにメールで応える。「僕にとって川久保玲は、生きたいように生きて、こうありたいと思う自分でいる自由を象徴するひと」。多感な年齢のときに旅をした東京で川久保玲のデザインに出会ったラ・ローサは、Comme des Garçonsの世界に夢中になり、アイテムを収集するようになった。過去10年にわたり、ラ・ローサは世界から集めたユニークなComme des Garçonsアイテムを自らキュレーションし、展示・販売を続けてきた。現在も川久保玲の世界に魅了され続けているラ・ローサは、故郷メルボルンに<dot COMME>を立ち上げ、芸術品と商業品、美術品と小売製品、そしてアートとファッションの境界線を曖昧にしてしまうComme des Garçonsの世界をそこに表現している。趣味が昂じて仕事となったラ・ローサ——Comme des Garçonsの革新的な服のコレクションを、当初はeBayで販売していたが、じきにメルボルンのチャイナタウンに路面店を開店、オンライン・ショップもオープンさせた。メトロポリタン美術館で「川久保玲/コムデギャルソン/間の技」展が開催される今週、<dot COMME>はFarfetch(世界中のブランドを扱うEコマースサイト)と手を組み、川久保玲の服作りの功績と歴史を讃える。

「Farfetchのユーザーは、珍しいアイテム好き。メンズ、ウィメンズ問わず、dot COMME出品のアーカイブから現行のアイテムまで、今回Farfetchが扱うこととなった作品の数々を見れば、Comme des Garçonsがその歴史を通していかに独自のファッションの視点を打ち出してきたかを分かってもらえるはずです」と、Farfetchの商品買い付けおよび販売戦略部長のキャンディス・フレイジズ(Candice Fragis)は、興奮が隠せない様子で説明する。「dot COMMEからの出品には、抽象的デザインや急進的シルエット、素材やプリントの斬新な切り返しなど、Comme des Garçonsならではの美意識を前面に押し出した作品も多い。こうしてFarfetchを通して世界の人に、dot COMMEによりキュレーションされたコレクションを見てもらえることを、大変うれしく思います」。これまで収集してきた膨大な量のComme des Garçonsがオンラインで公開されることとなったラ・ローサが、Comme des Garçonsへの愛の過去、現在、そして未来を語ってくれた。

このComme des Garçons愛はどのようにして始まったのでしょうか? きっかけとなるコレクションや服があったのでしょうか?
16歳のときに東京に行ったんです。Comme des Garçonsのことは聞いたことこそあったけれど、詳しく調べたことはありませんでした。でも、実際に見て触れたことで、Comme des Garçonsの服の素晴らしさを知り、「もっと知りたい」と興味をもつようになったんです。

なぜComme des Garçonsだったのでしょうか? あなたにとって、ギャルソンとは?
Comme des Garçonsを着ると気分がいい。そんな単純な理由です。ギャルソンの服には"楽しさ"があって、そこに惹かれますね。川久保玲は、僕にとって大きなインスピレーションです。川久保玲は、生きたいように生きて、こうありたいと思う自分でいる自由を象徴するひとなんです。

その情熱がビジネスになった経緯は?
家の客間が服でいっぱいになってしまって、「スペースを借りるなら服を有効活用しよう」と思った末に導き出した解決策です!ビジネス面は常に二次的な要素で、また、今後も収集を続けていくための手段です。僕にとってこれは趣味であり、情熱を注げるもの。収集をやめたら、人間としてダメになってしまうと思います。印象深いコレクションはたくさんありますよ……特に好きなのは、1996年秋冬の花を主題にしたコレクションと、近年のショーピースですね。

個人的に持っておく服と、売る服のバランスについて教えてください。絶対に売りたくないアイテムはありますか?
売るときはいつも胸を引き裂かれるような思いがします。でも、もっとたくさん集めて、より上質なコレクションにしていくには、売っていかなくてはならないんです。

現在入手可能なアイテムで、もっともComme des Garçonsの精神を体現しているとあなたが感じるものは?
Comme des Garçons が初めて東京コレクションでデビューした1975年のピースや、80年代のアイテムもたくさん持っています。1997年春夏の通称「こぶドレス」や、「二次元」をテーマにして平面のドレスを多く発表した2012年秋冬のコレクションが有名ですね。

Farfetchと手を組んだわけですが、今後の展望は?
まず、Farfetchと手を組むという好機を得てワクワクしています。僕がこれまで集めてきたComme des Garçonsのアイテムを世界の人たちに見てもらえるのは、Farfetchのプラットフォームあってこそ、とても嬉しいです。ギャルソンの歴史をよく知らないひとも、今回のFarfetchとの企画を通して、この唯一無二のデザインをより理解してもらえたら——そして、Comme des Garçonsの影響がいかに現在のデザインに影響を与えたかを知ってもらえたら嬉しいです。

dot COMME は現在 

Farfetch で購入可能

Credits


Text Steve Salter
Images Courtesy of Farfetch
Photography Jan Lehner
Styling Cathy Kasterine
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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