「complex665」で始まるアートの胎動

photo by Shizuka Kobayashi, ©Masato Kobayashi
中平卓馬や森村泰昌など、日本の現代美術の礎を築いてきた先人から、村上隆をはじめとする今の日本を代表するアーティストまで、まさに日本のアートの歩みを捉え続けてきたのが、小山登美夫ギャラリー、シュウゴアーツ、タカ・イシイギャラリー。この3ギャラリーが、東京・六本木に新しく建設された「complex665」に集結し、新スペースをオープン。10月21日から、一斉にこけら落としの展示をスタートさせる。
小山登美夫ギャラリーが開催するのは、写真家・蜷川実花の個展「Light of」。蜷川ならではの色彩とダイナミックさで暗闇で煌めく光を捉えた、力強く鮮烈な作品が並ぶ。対して、シュウゴアーツは画家・小林正人の新作展「Thrice Upon A Time」で、美と醜、凡と非凡のボーダーを挑発的に描く冒険的な作品を展開。そしてタカ・イシイギャラリーでは、荒木経惟やトーマス・デマンド、森山大道を含むギャラリーアーティスト20名によるグループ展「Inaugural Exhibition: MOVED」を開催。国立新美術館や森美術館など、多くの美術館・ギャラリーがひしめく六本木で、新たなアートシーンの胎動を感じさせる内容となっている。
また、各スペースの空間そのものも必見だ。小山登美夫ギャラリーはムトカ建築事務所、シュウゴアーツは青木淳建築計画事務所、タカ・イシイギャラリーはブロードビーンが設計。それぞれのギャラリーが持つ個性を、どう空間に落とし込んだのかにも注目してほしい。

complex665
住所:東京都港区六本木6-5-24
オープン時間:11:00~19:00(火曜~土曜)
※シュウゴアーツのみ日曜日12:00~18:00まで営業
「蜷川実花 Light of」
開催期間:10月21日~12月3日
「小林正人 Thrice Upon A Time」
開催期間:10月21日~12月4日
「Inaugural Exhibition: MOVED」
開催期間:10月1日~11月19日
Credits
Text Kanayo Mano