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umit benan spring/summer 17 at tokyo fashion week

東京で見たノーボーダー、イエスファッション!

by i-D Staff
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20 October 2016, 4:56am

「Los Bastardos」と題されたUmit Benanの今シーズン、ペールトーンのピンクやグリーン、ヴィヴィッドなイエローなどの豊かな色使いに加え、サボテンのモチーフやエスニック調のエンブロイダリーといったメキシコ由来のテイストを、ウエスタンシャツやボクシージャケット、ベースボールキャップといった"アメリカン"なアイテムに落とし込んだミックス・スタイルを提案した。また、それを着こなすモデルの人種や体型はさまざまで、そこだけを切り取ればテキサスというよりむしろニューヨークのようでもあった。ウミット・ベナンの描いた男性像はさしずめ、ルチャリブレの経験者でマカロニ・ウェスタンのカウボーイ役オーディションを受けにきたヒスパニック系のジェイ・ギャツビーといったところだろうか。

今回のショー・コンセプト"国境"は、文化的な側面から見れば非常に曖昧に互いが入り混じる汽水湖のような地帯でもある。「メキシコへ向かうロードトリップの中でトラックの荷台に乗って越境を楽しんでいるような西洋かぶれのメキシカンキッズをイメージした」と語るウミットの言葉からは、政治的ボーダーは頑として存在するものの、ファッションはいとも簡単に国を越えていくんだ、という風にも聞こえる。トランプはその潮目を分断すると訴えているようだが、カルチャーにおける越境は常にポジティブなものであり、仮に彼が大統領になったとしても、そこだけは冒してほしくないものである。

ここ数年、東京ファッションウィークには海外からの招待デザイナー枠が設けられているが、そのブランドはシーズンの目玉として扱われるにも関わらず大抵はパリ・ミラノなどで行われた"本番"の焼き直しに過ぎなかった。しかし、今回その枠でやって来たUmit Benanにかぎってはコレクション発表の場を東京に移している。本当の意味での最新コレクション開催まで漕ぎ着けたことは、停滞気味の同ファッションウィークにとって大きな前進と言えよう。「私は日本が大好きだ。世界中で日本ほどファッション産業がソフィスティケートされた国はない。バイヤーからパタンナー、どこを取っても完璧なんだ。そんなレベルの高い国でファッションウィーク自体が盛り上がっていないことを残念に思っているし、私も反省している。これから皆で盛り上げていくためにはどうするべきか、1人ひとりが真剣に向き合ってほしい」と、親日家の彼が現状をしきりに懸念していたことが非常に印象的だった。

Credits


Text Yuuji Ozeki
Photography Takao Iwasawa

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