i-D UK最新号『Acting Up』号は、次世代ハリウッドスターを特集

革命はテレビで起こるのではない。ストリーミングによって配信されるものだ。それが現代だ。テレビと映画の世界に新たな夜明けが訪れようとしているいま、i-Dはショービジネスの中心地であるロサンゼルスに目を向け、次世代の映画スターたちに迫った。

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07 August 2017, 10:40am

This article was originally published by i-D UK.

2017年におけるスターの条件とはなにか?─それこそは、i-Dが『Acting Up』号を思いついたときに考えていた問いだった。表紙には、Celineのためにデヴィッド・シムズが撮ったマティルド・ヘニング(Mathilde Henning)、Diorのためゾーイ・ガートナーが撮ったセリーナ・フォレスト、そしてCalvin Kleinのためにウィリー・ヴァンダピエールが撮ったパリス・ジャクソンと、現在のファッション界で大きな存在感を放っている3組を起用した。

表紙をめくると、まずロサンゼルスが見えてくる。そこに暮らす誰もが大きな夢を胸に抱き、そのほんのひと握りを叶えてくれる街、ロサンゼルスだ。わたしたちはいま、テレビや映画の転換期を迎えた時代に生きている。古い基準が問われ、取り払われて、観客はこれまで決して語られることのなかったタイプの物語を渇望している。そして才能溢れる若者たちが、努力の果てに得た名声を利用して、より良い世の中を実現すべく活動を行なっている。映画界に真の多様性を実現するまでの道のりはまだまだ長い。しかし、だからこそ変化を実現すべく闘っているひとびとを支え、応援することが、かつてないほど重要なのだ。i-Dは世界にとって大きな意味を持つ物語を体現し、セクシュアリティや人種、精神状態、貧困、文化盗用などの社会問題を問う新たな世代のスターたちを、この号で讃える。

Photography Willy Vanderperre. Styling Olivier Rizzo. Paris wears marching band vest CALVIN KLEIN 205W39NYC.

最新号ではハリウッドの次世代スターたちにスポットライトを当てる。まずは、ヒップホップの世界でスターになることを夢見ながら現実と格闘するプラスサイズの白人の女の子を描いた『Patti Cake$』--劇中で怪演を見せているダニエル・マクドナルドとマムドゥ・アティにインタビューを行った。そして、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』に出演中のエイジア・ケイト・ディロン、2017年公開作品のなかでも群を抜いて話題を集めているドラマ『13の理由』のマイルズ・ハイザー、そして男性の肉体と性の芽生え、ゲイの性衝動を克明に描いた『ビーチ・ラッツ』で輝きを放つ、イギリス出身新人俳優ハリス・ディキンソンが続く。

もちろん、正統派のスターを抜きにしてハリウッドを語ることはできない。まずは、10月にシーズン2が配信開始となるNetflixの大人気ドラマ『ストレンジャー・シングス』で主演を務めるフィン・ウルフハードに迫る。「ハロウィンまで待てない」というファンは、スティーヴン・キング原作の傑作ホラー映画のリメイク『IT/イット』に、まだ若干15歳の新人女優ソフィア・リリスと共演しているフィンを見て、『ストレンジャー・シングス』シーズン2の公開を待とう。ソフィア・リリスもまたi-D『Acting Up』号で、彼女の背筋を凍らせるものについて語ってくれている。そして、クリストファー・ノーラン監督最新作『ダンケルク』が映画界デビューとなったイギリス人俳優フィオン・ホワイトヘッドにも着目。共演のハリー・スタイルズと同等の名声を手に入れるに違いないフィオンに迫る。

Photography Zoë Ghertner. Styling Julia Sarr-Jamois. Selena wears dungarees Dior.

ロサンゼルスを拠点に活動する女優ヤラ・シャヒディは、アメリカの名門私立校への進学を希望し、ハーバード大学に入学した。恐ろしいほどの知性を持ったティーン女優である彼女は、テレビ番組『ブラッキッシュ』に起用されてからというもの、一貫して自身のプラットフォームを用いて自らの考えを発信し、社会に議論を促してきた。今回彼女は、「クリエイティビティを通して議論を促したい理由」についてエッセイを寄稿してくれた。

映画とテレビの世界が社会通念を問う一方で、ファッションもまたジェンダーの概念を大きく超えた世界に挑んでいる。ロサンゼルスをベースとしたファッション・レーベルのNo Sessoと69 USは、人口統計の概念にとらわれない未来をヴィジョンに掲げている。ロサンゼルスは新世代のデザイナーやスケートボーダー、歌手、アクティビスト、俳優・女優、ラッパーがごった煮になって活気を生み出している街だ。そんなロサンゼルスをi-Dが案内する一方で、デクスター・ネイヴィーが、街に何か真に特別なものを作り出そうとする若者たちを讃えるべく、街の心臓部分へと旅する。

そして、イギリスで同性愛を犯罪とする法律が撤廃されて50周年となる今年、唯一無二のクラブキッドでありトランスジェンダーの代表的存在であるアマンダ・ルポールが、『Acting Up』号の最後を飾る。

この世は舞台で、わたしたちはその登場人物だ。夢に生き、夢を生き、そして夢と共に生きよう。

Credits


Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.