フェミニズムのポスター史 1974 – 1990

ひとりでは無力。でも力を合わせれば大きな力になる。

by Matthew Whitehouse
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20 February 2017, 1:25pm

私たちが初めて本屋<Village>について知ったのは、アダム・マリー(Adam Murray)を通してのことだった。アダムは、リバプールのギャラリー<Open Eye Gallery>で、北イングランドのアイデンティティを主題としたエキシビションのキュレーターを務めた人物であり、また写真家集団Preston Is My Parisの創始者でもある人物だ。彼は、それ以前にも、ロンドン以外の地域で見つけた才能あるアーティストたちの作品を、インディペンデント系出版フェアOffprint 2016で展示するなど、多角的な才能を発揮していた。

経緯はともかくとして、要はこういうことだ——リーズの街にあるショッピング・モールThornton's Arcadeに素晴らしい本屋(書店ではなく、あくまでも本屋だ)が入っているとアダムが私たちに教えてくれた。そして先週、リーズが主催であるエキシビションを開催するという知らせが入った——リーズが、「エキシビションについての記事を書いてもらえないだろうか」と私たちに直接コンタクトを図ってくれたのだ。このエキシビションは、女性が主体となってプリント作品を作り出す集団See Red Women's Workshopによるフェミニズム・ポスターを展示するというもの。この話を受け、私たちはこう考えた——ひとつのアイデアが形となり、ホワイト・ハウスの女性蔑視主義の男たちに対して問題意識の強い女性たち数千数万人とi-D読者たちが果敢に声を上げて戦っている今こそ、フェミニズムのプロテスト・ポスターが持つ不朽のパワーを世界に改めて見せるべきなのではないか?

1974年から1990年までの間にSee Red Women's Workshopが作ったこれらのポスターを見れば、20余年にわたって社会における女性の役割を世界に問い、女性に向けられるネガティブなイメージを変えるべく新たな女性像を作り出そうと尽力してきたこのグループの真意が理解できるだろう。今も当時も同じように力強い意味を持って見る者の胸に迫るこれらのポスターは、Villageの関係者いわく「私たちがこれまでどれだけの進歩を遂げてきたか、そしてこれからもどれだけ戦い続けなければならないかを思い出させてくれるもの」だ。Villageのメンバーに話を聞いた。

See Red Women's Workshopについて教えてください。
See Red Women's Workshopは、広告やメディア上で女性に押し付けられていたネガティブなイメージを撲滅したいと、元アート学生3人が1973年に立ち上げた女性主体のプリント集団です。活動していた約20年の間に、彼女たちはパーソナルな体験を反映した女性解放運動のためのポスターをシルクスクリーンで制作し続けました。また、コミュニティ・グループや、急進的ムーブメント、オルタナティブ・ムーブメントのためにもポスターを作った人たちです。隆盛期には45人の女性がSee Red Women's Workshopで活躍しました。まだこの団体がアイデア段階だった頃から活動停止するまで、See Red Women's Workshopはデザインからプリントまでの工程を常に集団として行ってきました。誰一人として個人のクレジットを主張することはありませんでした。彼女たちの活動を初めて知ったのは、つい最近になって出版された本『Four Corners Books』を読んだことがきっかけでした。この本は、See Red Women's Workshop作品の完全なアーカイブを紹介していて、感銘を受けた私たちはすぐにエキシビションを開催しようと彼女たちに連絡をとりました。

これを今開催することの意味とはなんでしょうか?
「ジェンダーの平等」という問題において、このエキシビションはこれまで女性たちがどれだけ進歩を成し遂げ、そしてこれからもどれほど戦い続けなければならないかを改めて認識させてくれるだろうと私たちは考えています。これらのポスターが扱っている問題は、今日も世界に私たちが訴えかけるべきものばかりです。特に、現在の世界に巻き起こっている出来事を見るとそう痛感します。世界的なパラダイム・シフトが起こっていて、これまでに社会が成し遂げてきた進歩をなかったものにしてしまうかのように感じられてなりません。抑圧に対してこれまで人々が上げて来た声を讃えるということはとても重要なことです。政治で男性の攻撃性にプラットフォームを与えられている今、See Red Women's Workshopの作品はこれまで以上に重要な意味を持つと思います。

危機的状況とクリエイティビティの間には関係性があると思いますか?
もちろんです。アートはアイデアを伝える手段だと私は思っています。ひとが、それぞれの経験を解釈して、その視点を他者も感情移入できるように作り出すものがアートです。危機的状況はそれを誘発します。アートは、危機を訴え、人々が感じる怒りとフラストレーションを何かポジティブなものとして表現するための手段です。

See Red Women's Workshopのポスターに一貫して見られるテーマとは?
これらのポスターにはジェンダーに関連する苦悩が様々なかたちで訴えられています。「家庭を守る」「母親であるということ」などの社会的な押し付けに焦点を当て、インターセクショナリティや人種問題といったテーマに挑み、また性の領域での健康問題や避妊に関する情報を提供する役割も果たしています。ポスターには、大胆なグラフィックやユーモアが見られます。ポスターのほとんどはポジティブなメッセージを打ち出していますね。

このエキシビションから人々に何を感じ取ってもらいたいですか?
デザインとしてはもちろん、ポスターに込められたメッセージが人々に届く良い機会だと思います。願わくば、これらのポスターがジェンダー関連の問題をクリエイティブに解決するためのきっかけになってくれればと思います。そして、女性と、女性が持つパワーを讃える機会になってくれたら嬉しいですね。

Feminist Posters 1974-1990 opens Thursday 9 February, 6pm - 9pm at Village, Leeds. The exhibition runs until 12 March 2017.

Credits


Text Matthew Whitehouse
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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