ハッピーミステイクのかたまり:PERMINUTE 18AW

18SSでデビューコレクションを果たしたPERMINUTE。牧歌的な雰囲気をまとったブランドだと思っていたあなたはきっと予想外のPERMINUTEと出会うこととなる。

by YOSHIKO KURATA; photos by Yuki Aizawa
|
22 March 2018, 4:54am

ショーが始まって思わず笑ってしまった。会場中に流れていた緊迫感漂う雰囲気が一気にショーが始まった瞬間にその振る舞いはフェイクだったのかと一手食らわされた気持ちになった。あまのじゃくだ。

PERMINUTEは、18SSで故郷・福島に思いを馳せ、自然溢れた故郷での幼少期の思い出をもとに牧歌的な雰囲気で可愛らしくデビューコレクションを果たした。が、今回は「僕がやんなそうなことをやらなきゃと思いました。自分の禁欲制を取り除くようなことを」と話す通り、ショーのBGMはSpankers「Sex On The Beach」からぶっとんだように勢い良く始まった。PEMINUTEの牧歌的雰囲気に惚れ込んだファンの頭にはおそらく「?」マークがたくさん浮かんだはずであり、賛否両論なコレクションになっただろう。

「インビテーションのデザインの一部はアメリカで起きた禁酒法についての原文です。『単純に抑制することはいいことではない』というような意味があり、実際に禁酒法を実効したら逆に犯罪が増えちゃったみたいで。そういうハッピーすぎて不謹慎みたいなことをやりたかったです。」今回のコレクションの出発点は「西海岸」から。LMFAO 「Party Rock Anthem ft. Lauren Bennett, GoonRock」が爆音で響き渡る会場の様子やモデルが片手に持つ巨大なピザクッション、ビール瓶など欲求を表す要素も所々垣間見える。その出発点もデザイナー・半澤とは遠い対象だが、さらにそこから飛躍して自分の禁欲制を取り払ったという。

「死ぬ程とにかく量を作っていくうちに、バグが生まれて自分が意図していなかった偶然のものだけ選びました。ハッピーミステイクのかたまりです(笑)。例えば、定番のパーカーも僕だったらやらない色合わせが色ぶれで生まれました。」そうやって自分が手を伸ばしたことのない領域をもとに服作りを行い、前回とは真反対な方向から自分自身に向き合った。制作プロセスも前回まではリサーチしながらトワル組みを行っていたが、今回はリサーチとトワル組みを完璧に分けて考えていたという。もちろんディティールにはPERMINUTEらしい立体的なシルエットが残る。また今回、ジュエリーは登場せずに、前回より明らかに型数が増えた。ブランドとしてもデザイナー・半澤としてもパイをどこまで広げられるか限界値への挑戦となったようだ。さて、PERMINUTEを内からも外からもこの1年間で一気に見せてくれた彼は、次どのような方向へ向かうのか。