Jules Crommelin, Noah Hill, Anatole Serret

ライブ直前、渋谷の街に雲隠れ:parcels インタビュー

オーストラリア、バイロンベイ出身の5人組Parcelsは、完璧な調和をなすフォーキーなメロディと瑞々しい感性を書いた切ない歌詞でまさに“聴かせる” バンドだ。しかし彼らはまだ若干19歳。ライブ直前のサウンドチェック後、インタビューの約束をすっかり忘れ、散り散りに渋谷の街へ姿をくらました。何とかキーボードのルイとドラムのアナトールを捕獲し、話を聞いた。

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18 March 2019, 5:35am

Jules Crommelin, Noah Hill, Anatole Serret

ーーParcelsというグループ名を直訳すると小包みになります。バンド名の由来とグループとして活動するようになったきっかけを教えてください。

アナトール:Parcelsという名前は、バンドを始める前から、もしグループ名にするならば、って僕たちの中では決まっていたことなんだ。

ルイ:神からお告げがあったんだ。だから自分たちにはそれしか選択肢がなかったんだよね。

アナトール:中には6歳くらいからの友達だったメンバーもいるんだけど、12歳、13歳くらいから音楽をする仲間として活動を始めたよ。

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今回、インタビューを受けてくれた、Jules Crommelin、Noah Hill 、Anatole Serret 。

——レトロなディスコ・サウンドとフォーキーなボーカルがParcelsの魅力だと思いますが、心地いいハーモニーを作る秘訣は何でしょうか。

ルイ:もちろん、まずはフォーク音楽への愛だね。僕たち、ずっと12歳くらいから道端で歌っていたんだ。もはや兄弟みたいな感じだよ。歌いながら月日を重ねるごとに、声がシンクロして来て、完璧な調和が生まれたんだと思う。

——フォークバンドから始まったParcelsですが、そこにシンセサイザーやディスコサウンドを乗せるようになったのはなぜですか。

アナトール:ずっとライブサウンドを追求して演奏し続けていたんだけど、高校生の終わりぐらいだったかな、初めてPCで音楽を作ったわけ。それぞれのメンバーがPCを持っていて、各自作曲するようになったんだ。それがきっかけで徐々にエレクトロを自然に受け入れて行って…。そこから自分たちの曲に使うまでに時間はかからなかったね。それまでエレクトロに興味がなかったけれど、楽しみ方がわかった瞬間が訪れたといった感じ。

ルイ:今も基盤はあくまでライブサウンドだからハーモニーは存在しつつ、そこにエッセンスとしてエレクトロを使っているってことだね。

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——レコードレーベルはKitsunéBecause Musicからリリースしていますが、どのような流れで所属することになりましたか。

アナトール:Kitsunéはとの関係は最高。最初のEPを出したとき、彼らが僕らを見つけてくれて、コンタクトをして来た。そこからデモを聞いてもらって、リリースをするに至ったんだよ。

ルイ: そこから、順調にバンドが成長して行って、もう少し大きなレーベルである<Because Music>からリリーすることを決めたよ。もう少しインターナショナルなアプローチをするためにね。

——『Over Night』はメロディのグルーヴがエモーショナルで、歌詞はとても切ないです。色々とイマジネーションが刺激される内容ですが、作詞は誰が担当したのですか。

アナトール:まずはまボーカルのジュールズがバースを書いたんだっけ。確かスタジオに入るまでに、彼が作り続けていて。コーラスはみんなで調整したよ。歌詞もジュールズのパーソナルなところから来ているんじゃないかな。

——Daft Punkとはどういった手順で楽曲を製作したのでしょう。パリのスタジオでの面白いエピソードがあれば教えてください。

アナトール:僕たちの最初のショーにDaft Punkが来てくれて、とても気に入ってくれたらしいんだ。そこで、スタジオに招待してくれて、一週間パリで制作を共にしたんだよ。

ルイ: KitsunéのレーベルオーナーのGildasはDaft Punkと一緒に育った人で、どうやら彼らに僕らのデモを聞かせていたらしい。それがきっかけで、ショーに来てくれて。嬉しかったね。

アナトール:あの時の経験を言葉で伝えるのは難しいんだけど…。スタジオに向かう前は「ワオ!」って感じで興奮していたね。でも、いざ楽曲制作が始まったら、とても対等に作業を進められたんだ。あんなに自然な関係ってすごいことだと思う。その日の作業を終えて、スタジを出るとまた興奮が湧き上がって、「ワオ!」って叫んでいたよ(笑)。すごいことだって。

ルイ:僕が忘れられないのは、コーラスを書いた時。スタジオにカウチがあって、ギイマンが横たわって寝たまま手で弧を描きながら、めちゃくちゃ素晴らしいメロディを歌い出して。その姿は、もう天才的だったよ。感激したね。

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——アルバム内では70年代~80年代ディスコ&ソウルから影響を受けたシンセポップが多いですが、その時代の好きなアーティストはいますか。

アナトール:う〜ん。意外かもしれないけど、両親の影響でワールドミュージックを聴いて育ったんだ。アフリカンミュージックやバリのインストリメンタルなガムランミュージックとかね。その後、Paul Simonの『Graceland 』を好きで聞くようになったよ。彼がをアフリカンミュージックでやっているバージョンを聞く機会があったんだけど、異質な音楽の融合に感銘を受けとても影響を受けたと思う。

ルイ:Paul SimonはParcelsのメンバーみんな影響を受けているんじゃないかな。僕はあとBob Dylanの影響も受けました。個人的には、良いポップソングを書きたいと思胃が強くて、彼の存在は偉大なんだよね…。なかなか彼のようにはいかないよ。

——プロジェクトを共にしたいアーティストはいますか。

アナトール:絶対、Solange!

ルイ:K-popがいいな。すごく良くない?彼ら。僕たちと掛け合わせた時にどんなものが飛び出すか想像ができないでしょ。音楽的に全く違うキャラクターでも、人間としてつながりを感じる人とならば、予想できない面白いものができると信じているよ。

アナトール:いつか共演してみたい。でも今はParcelsのセカンドアルバムを作っているから、そっちを楽しみにしていてね(笑)。

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——東京に来るのは3回目だと思いますが、好きなものや場所はありますか。

アナトール:カラオケとラーメンが大好き。家に帰ったら作ってみようと思っているくらいだよ。あれって調理するのって難しいのかな?いいレシピを探しているから、これぞと言うのがあったら教えて欲しい!

ルイ:千葉県の朝7時から並ばないといけないラーメン屋さんがあるんでしょ。Netflixのドキュメンタリー『ラーメン・ヘッズ』を観て知ったんだけど、次に日本に来たら絶対行ってみたいと思っているよ(笑)。

——バンドメンバーのファッションは独特の個性がありますが、何かこだわりがあれば教えてください。

ルイ:実はファッションについて、以前はこだわりがなかったんだ。でも今は、人前に出ることが多いから僕らなりに考えているよ。

アナトール:面白いと思うのは、モダンなファッションって昔のアーカイヴを研究して新しい流行を作ることが多いじゃない。例えば、70年代のリバイバルみたいに。そういった動きに、自分たちもインスパイアされているんだ。音楽とファッションってとてもパラレルなもの同士。お互い作用しあう楽しい関係だね!

Text Aika Kawada

Photography Cailin Hill Araki