マティ・ボヴァンが創り出す色彩と権力のディストピア

ヨークシャー出身デザイナー、マティ・ボヴァン初の単独ショーの舞台裏へ潜入。いまにも飛んでいきそうな巨大風船ヘッドピースで、幻想的なマティ王国へ。

by Bojana Kozarevic; photos by Alin Kovacs; translated by Yuichi Asami
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23 februari 2018, 8:32am

マティ・ボヴァンにとって初となる単独ショーは、特別でロンドンファッションウィークを構成する新たなキーパソーンとして華々しいデビューを飾った。ヨークシャーに広がるムーア(湿原地帯)と亡き祖母に影響を受けたというマティ・ボヴァンが生んだのは、観る者に真のスペシャルを感じさせずにはいられないファンタジーの世界だ。

2017年にはFashion East(TOPSHOPが支援する若手の合同ショー)のメンバーに選出されているマティ・ボヴァンは、独自のいかり肩のデザインや力強いシルエットを用い、それを新たな領域に導いてみせた。最大サイズを用いながらも、それでいて最大のリアルを感じられるのだ。ディストピアなショーのハイライトを飾るのは、タータンチェックや格子柄、琥珀織りのスカートたち。ウエストは絞られ、クローシェ編みが施され、アースカラーが幻想的なすみれ色と見事にマッチしている。スティーブン・ジョーンズによってチュールが用いられた風船のヘッドピースは、ボヴァン王国に君臨する女王の王冠のようだった。

このショーを言葉で正確に描写するのは難しい。宇宙空間に存在するもののように、自分の目で確かめない限り理解することはできないのだ。

This article originally appeared on i-D UK.