Photo by Dave J Hogan/WireImage, by Andrew Toth/Getty Images, by Jamie McCarthy/FilmMagic and by Scott Kowalchyk/CBS via Getty Images

ロードのファッション変遷

ゴシックファッションから太陽の光に満ちた『Solar Power』まで、楽曲と同じく多彩な魅力に満ちたルックの変化を振り返る。

by Zoë Kendall; translated by Nozomi Otaki
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27 August 2021, 1:12am

Photo by Dave J Hogan/WireImage, by Andrew Toth/Getty Images, by Jamie McCarthy/FilmMagic and by Scott Kowalchyk/CBS via Getty Images

2013年、『Royals』で華々しいデビューを飾り、十代の神童からポップアーティストへと変貌を遂げたニュージーランド生まれのロード(Lorde)。まだ初々しさの残る『Pure Heroine』から多面的な『Melodrama』、そして現在の『Solar Power』へと音楽面でも目覚ましい成長を見せているが、進化したのは彼女の作詞スキルだけでなく、ファッションも同様だ。

 ポップスターらしい千変万化するワードローブを存分に活用し、同時に彼女らしさを前面に出しながら、ロードはアルバムや年代によって少しずつ、時に大胆に、ルックを変化させてきた。例えば、襟付きシャツやプラットフォームブーツに代表される、『Pure Heroine』のTumblr全盛期のゴシックスタイル。続く2ndアルバム『Melodrama』では、スパンコールやパーティードレスで外向的なムードを演出。『Solar Power』ではイエローを取り入れ、さんさんと降り注ぐ日光を浴びる夏の喜びを表現した。

 そんなロードの最新作『Solar Power』のリリース、さらに彼女の輝かしいキャリアにおける新たな幕開けを祝して、彼女の10年間のスタイルの進化を振り返る。

lorde standing backstage at a concert wearing a pinafore 2013
Photo by Amanda Edwards/WireImage

2013年 コンサートのバックステージ

2013年、ほぼ無名だった16歳のシンガーソングライター、ロードは、シングル「Royals」で一躍全世界のヒットチャートの首位に躍り出た。高校時代に作詞、レコーディングされた「Royals」と本作を収めたアルバム『Pure Heroine』は、田舎で暮らすティーンエイジャーの期待、不安、退屈を表現している。

『Pure Heroine』期の服装は、このアルバムのテーマと物悲しくミニマルなサウンドの両方を反映している。襟付きシャツ、プリーツスカート、スケーターソックス、チョーカーを中心とするガーリーなゴシックファッションだ。ここではジャンパースカートにボタンダウンシャツ、厚底のオックスフォードシューズを合わせている。

lorde holding up two grammy awards in a black column dress 2014
Photo by Frazer Harrison/Getty Images

2014年 グラミー賞授賞式

「Royals」は〈Billboard Hot 100〉をはじめとする世界中のチャートで首位を独占しただけでなく、批評家からも高い評価を得た。リリースされるやいなや、そのミニマルな楽器編成と内省的な歌声が絶賛され、2013年の賞レースを席巻した。

 2010年代に入ると、「Royals」はメインストリームのポップスのサウンドを変え、ビリー・アイリッシュやオリヴィア・ロドリゴのようなオルタナティブポップ・アーティストのための道を切り開いたとして、2000年代で最も影響力のある曲のひとつとして賞賛を浴びるようになる。

 上の写真は、2014年のグラミーで、「Royals」が獲得した数々の賞のうちのふたつ、最優秀楽曲賞と最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞のトロフィーを抱えるロード。ブラックのコラムドレスは、彼女のゴシックファッションの進化版であると同時に、『Pure Heroine』期の彼女のレッドカーペットの定番ルックでもある。

lorde singing into a microphone wearing a pink suit 2014
Photo by Kevin Mazur/WireImage

2014年 ロックの殿堂セレモニー

2014年、ロードはスクールガール・ゴシックを卒業し、カラフルなスーツとクロップトップで、映画『ワーキング・ガール』風のシックなファッションを披露した。ロサンゼルスのステージはコバルトブルー。上の写真の淡いピンクのスーツは、ロックの殿堂で着用したもの。さらに当時大ヒットした『ハンガー・ゲーム』のサウンドトラック「Yellow Flicker Beat」のMVでは、燃えるような赤のスーツを着用した。

lorde posing on the red carpet with her hands in her pockets 2014
Photo by Dave J Hogan/WireImage

2014年 『ハンガー・ゲーム』プレミア

2014年、ロードは「Yellow Flicker Beat」のスーツを再解釈し、アバンギャルドなツーピースでレッドカーペットに登場した。オールブラックで統一したこのスタイルは、『Pure Heroine』期のゴシックな雰囲気を彷彿とさせるが、あえて誇張的なデザインを取り入れている。この新たなレッドカーペットルックを象徴するのが、実験的なシルエット(上の写真のようなバルーンパンツ)、意外性のある装飾(フェザートリム)、多種多様ハットだ。

lorde posing at the cfda awards in a black lace dress 2015
Photo by Andrew Toth/Getty Images

2015年 CFDAファッションアワード

2015年、ロードのレッドカーペットスタイルは、アバンギャルド・ゴシックから魔女風シックへと進化し、より光沢のある流線型のアイテムを選ぶようになった。この変化は、ロードが新たに確立したファッションアイコンとしてのステータスによるところが大きい。この年、彼女はCFDAファッションアワード(上の写真のレースのGivenchyのセットアップを着用)やDior 2015年秋冬コレクションショー(ゴシックなドレスでカニエ・ウェストとともに現れ、ミームにぴったりな写真が出来上がった)など、数々のレッドカーペッドやフロントローに登場した。

lorde posing on the met gala red carpet in a tulle valentino dress 2016
Photo by Jamie McCarthy/FilmMagic

2016年 メットガラ

2016年のメットガラで、ロードはデビュー以降彼女のスタイルを定義づけてきたゴシック調ファッションに別れを告げ、この極めて優美なValentinoのドレスを身にまとった。彼女がチュールスカートを着用したのはこれが初めてではないが、レッドカーペットにパステルカラーで登場したのは初めてだった。このルックを境に、ロードのスタイルは、2017年MTVビデオミュージックアワードのフェザードレスなど、より優美でカラフルなものへと変化していく。

lorde walking on the sidewalk in a black mini dress 2016
Photo by D Dipasupil/Getty Images

2016年 メットガラ アフターパーティー

ロードにとって、2016年の夏は〈お出かけ用ドレスの夏〉だった。ちょうど同時期にレコーディングを終えた『Melodrama』も、外に出かけることの楽しさと不安を表現している。この時期のロードは、Réalisation Parのおなじみのラップドレスから、メットガラのアフターパーティーのスタッズつきドレスまで、ありとあらゆるミニドレスをまとった姿をニューヨークのあちこちでキャッチされている。その翌年も、彼女はクラブでの夜を歌う「Green Light」のMVで、フューシャピンクのドレスを着用した。Performing at Coachella, 2017

lorde on stage singing wearing a long white dress 2017
Photo by Kevin Winter/Getty Images for CBS RADIO

2017年 コーチェラでのパフォーマンス

2017年、ロードはお出かけ用ドレスのセクシーで陽気なエネルギーを、『Melodrama』のフェスのワードローブに取り入れた。コーチェラで着用したスパンコールのビスチェジャンプスーツにも、夜遊びの雰囲気がよく表れている。BBCラジオ1主催のビッグ・ウィークエンドには蛍光色の上下、グラストンベリーにはメッシュのキャットスーツで登場。光沢のあるベルベットのクロップトップラメニットは、すべて彼女のトレードマークである、踊りやすいAdidasのスーパースターに合わせている。

この時期のキラキラ輝く、クラブにぴったりな装いは、2017年MTVビデオミュージックアワードで最高潮に達し、ロードはメタリックなカクテルドレスとお気に入りのスニーカーで「Green Light」のダンスバージョンを披露した。

lorde performing at primavera sound festival in a blue dress 2018
Photo by Xavi Torrent/WireImage

2018年 プリマヴェーラ・サウンド

2018年、ロードは再びステージに戻り、『Melodrama』ワールドツアーの後半に乗り出した。この時期の彼女は、この2ndアルバムの喜びと気高さを体現するような、幻想的で魅力的なコスチュームを着用した。そんな現実離れしたルックの代表例が、Kelsey Randallのホログラムドレスオーガンザに包まれたMarine Serreのキャットスーツ、そしてこのGeorge Keburiaのクラゲ風ドレスだ。

2021年 「Solar Power」ミュージックビデオ

1年にわたる『Melodrama』ワールドツアーのあと、ロードは3年近くスポットライトを離れ、彼女いわく「冬眠」に入った。そして2021年6月、彼女は真夏のアンセム「Solar Power」をひっさげ、この新曲のタイトルと同じくらいまばゆい新たな装いで、公共の電波に復帰した。

シングルのジャケットジャック・アントノフとの屋上でのパフォーマンス『The Late Show with Stephen Colbert』のステージで、彼女はエアリーなサンドレスやレモンドロップ、マリンゴールド、バターなどの夏らしいカラーパレットを身にまとった。本作のMVにも、Collina Stradaのイエローのツーピースで秘密のビーチを飛び跳ね、踊り回る彼女が映し出される。

2021年 「Mood Ring」

「Royals」から「Solar Power」までの8年間で、ロードのスタイルはゴシックから日の光に満ちたルックへと変化した。しかし最新シングル「Mood Ring」のMVには、彼女史上もっとも斬新なルックが登場する。

 遊び心たっぷりにウェルネスカルチャーへと別れを告げるこの曲で、彼女は太陽礼拝、パワーストーン、瞑想について歌う。MVの中で、彼女はグウィネス・パルトロウのブランドgoop思わせるブロンドのウィッグに滑らかなグリーンのシルクのセットアップという出で立ちでセージを燃やし、儀式めいたダンスを踊る。このルックは彼女の新たな幕開けを予告すると同時に、現代ポップスを代表する多面的なアーティストとしてのロードのレガシーを象徴しているといえるだろう。

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