セーラー服とスカイ・フェレイラ

アニメやグラフィックなど、日本が誇るビジュアルカルチャーをこよなく愛するポップ・アイコンのスカイ・フェレイラ。今回、i-D JAPANではスカイへのインタビューに加え、彼女のたっての希望による"ドリーム・シューティング"を行った。ピンク色のセーラー服を身にまとい、アニメの世界に足を踏み入れた感想を聞いた。

by Misho Matsue
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24 June 2016, 4:54am

スカイの長年の構想であり、いつか実現したいリストにあったブリトニー・スピアーズへのオマージュシュート。2010年の秋冬号として刊行された『Pop Magazine』のカバーに、トラブル続きだったスピアーズを起用し、アートディレクションを村上隆が手掛けたことがセンセーショナルであったことは記憶に新しい。今回の滞在中のディナーでは、90年代にアメリカで放映されていた日本のアニメの話に幾度となく盛り上がり、東京・中野ブロードウェイではセーラームーンのマジックスティックを見つけては歓喜していたスカイ。彼女の中では東京で見たもの全てがそのスピアーズのイメージと自然にリンクされていた。

「撮影は初めての経験で面白かった!というか、今まではセーラー服でお花のベッドに横たわるなんて、やりたくてもできなかったし。だって、こんなシチュエーションは日本だからこそ説得力があるでしょ?私は『セーラームーン』の大ファンだけど、ロケーションがカリフォルニアとか他の場所だったとしたら、なんだかヘンな感じになってたと思う。その意味でもほんとに楽しめた。そういえば、アメリカ版の『セーラームーン』は吹き替えの声にすごくイライラしちゃって、とても見ていられなくて。翻訳もちょっと違っているから、字幕でオリジナル版を見なくちゃ、と思ってるの」

スカイが表現したいのは、単なるスウィート&ガーリィで純粋無垢なポップアイドルのイメージをそのままをコピーすることではない。「コスプレがしたい(好きな)わけじゃなくて、どう説明したらいいのかわからないけど、ちょっと"Pervert(変態)"な感じ。日本のアニメに登場する女の子って、トータルでピンクルックだったりするんだけど、どこかギークでダーク、エロティックなの、そんな感じ」

現代のポップアイドル事情と、その渦の中で生きる状況を注意深く客観視しているスカイだからこそ、彼女なりの武器(=オリジナリティ)ともいえる、"異端児"としての存在感は強く輝く。過去のアイドルたちのイメージを、エキセントリックさを交えて誇張するようなスタイルは、アイドルカルチャーへのリスペクトがあるからできること。そして、アンニュイでダーク、万年アドレッサンスのような繊細さを持ち、自分を取り巻く情報をフラットに吸収する世代に生まれたスカイ。ステレオタイプなガーリーカルチャーを超越するセーラームーンや、アニメをアートへと昇華させたアーティスト村上隆を筆頭とした、光と影が混沌する世界に親近感を感じているのかもしれない。

Credits


Photographer Bungo Tsuchiya
Stylist Koji Oyamada
Hair and Make-up Rie Shiraishi at Valentin
Text Misho Matsue
Creative Direction Kazumi Asamura Hayashi
Production Chihiro Yomono

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