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新世代DJのつなぎ、つながる技法

ビートメイカー、ライター、ラジオパーソナリティとしての顔も持つ1991年生まれの人気DJ、Licaxxx。DJブースからフロアに向け、スリリングなダンスミュージックを放つ彼女が繋げようとしているものとは?

by Yu Onoda
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13 June 2016, 2:00am

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DJをはじめたきっかけは?
中高はバンドをやってて、フェスに行ったりしてました。フェスでは、当時、流行ってたフレンチエレクトロやダンスロックに触れる機会があって、「こういう音楽もあるんだな。自分でもやってみたい!」と思って、19歳の時にDJを始めました。当初は、テックハウスを当たり障りなくプレイしていたんですけど、ビートミュージックとかエレクトロニカを聴くようになり、ベースミュージックにも飽きて、ロウハウスにハマってから、ここ何年かは4つ打ちどっぷりです。1曲1曲を打ち出すように短く繋ぎ、DJの時間も短いベースミュージックに対して、4つ打ちはロングミックスで、プレイ時間も長い。ミックスで曲の良さを引き出したり、全体の大きな流れや空間を作り出す奥深さに引き込まれましたね。

寺山修司に大きな影響を受けたそうですが、DJと寺山修司はどう繋がっているんでしょう?
大学で建築を専攻したくて、高校生の時は美学校に出入りして、建築と関わりがある社会学とかアートを学んでいた時期があって、そこで人から教えてもらった寺山修司の映画『田園に死す』の色使いとかヴィジュアルの強さに圧倒されたんです。ただ、入学した大学では自分がやりたい建築の勉強ができなくて、試しに受けた音楽や映像、プログラミングの講義をきっかけに、本気でメディアアートを学ぶようになったんです。そこでは、(アルス・エレクトロニカのデジタルミュージック部門で準グランプリを受賞した)SjQ++の魚住勇太さんをはじめとする大学の先生から、新しい音の捉え方とか楽しみ方を教えてもらいました。それに3Dのグラフィックを動かして音を変化させていくプログラミングを作ったりすることで、音響やサウンドインスタレーションの世界に自然と入っていったんです。そうやって、音楽や映像、美術や社会学など、自分が学んできたことが頭の中で一体になってきた段階で、その根幹には寺山修司の総合的な表現から受けた影響を自覚するようになりましたね。

トラックやリミックス制作やラップトップでのライヴも行っていますよね?
トラック制作は、大学で受けていた講義と平行して、MAX/MSPや、今はAbelton Liveといったソフトを使って始めたんですけど、好きな音楽が色々ありすぎて、なかなか作品にまとまらない。ただ、音楽を作るようになってから、分解系レコーズとかMaltine Recordsといったネットレーベルの作品は出るたびに片っ端から聴くようになりましたし彼らのイベントに遊びに行ったり、DJをやらせてもらったり。その一方、インターネット系とは異なるファッションな人がたくさんいるテクノ、ハウスがかかるパーティにも遊びに行ってたんです。対極にあるものがどちらも好きだし、その間でバランスを取って遊んでいるのが私らしいのかもしれないですね。

では、音楽とファッションのバランスは?
日本だと、C.Eが、Fade To Mind(LAのポスト・ベース系レーベル)やThe Trilogy Tapes(ロウハウスシーンを代表するイギリスのレーベル)のカッティングエッジなアーティストやDJを呼んでパーティをやってますよね。音楽とファッションが繋がってるところがいいなって思うし、本来そういうものだと思うんです。それにお洒落な人がお洒落な音楽を聴いてた方がいいじゃないですか。そう言いつつも、自分はこじらせオタクなんですが。私、ジャニオタなんですよ(笑)。特にHey!Say!JUMP。ジャニーズの作品はいい制作チームがついてるから、名曲がかなり多いんですけど、そういうことよりもただイケメンが好きっていう。だから、中高はジャニーズのライブに行きつつ、ロックフェスにも行ってたんですけど、中学生の時に聴いていた嵐の櫻井翔くんのラジオ番組で、本人がかなりの音楽好きということもあって、週替わりでダンスミュージックレコードとdisk unionのバイヤーがオススメの音楽を紹介するコーナーがあったんです。私はそこで初めて、ディープハウスの存在を知ったんですけど、ダンスミュージックとジャニーズは対極にあるようで、何周か回って、自分のなかで繋がる瞬間がたまにあるかも(笑)。

いま共感を覚える同世代のDJやミュージシャンは?
括るのが申し訳なくもあるんですけど、今の20代だと、コム(アイ)ちゃんは似たような音楽が好きだし、Seihoくんをはじめとするビートミュージック界隈、バンドのD.A.N.は、表現は違えどシンパシーを感じてます。このあいだも一緒にパーティをしたSeihoくんは、特にここ数年一緒にやってきた感覚があって、よく話しているんです。「前に出られる人は前に出るしかないね」って。私とSeihoくんは派手に、どんどん前に出て、音楽で繋がっている周りのDJやビートメイカーと一緒にアガっていきたいんですよね。私自身はDJでプレイしている曲が好きすぎて、その曲たちの可能性をもっと広げたいと思っているし、主役である曲を一番に立たせたい裏方タイプの人間なんですけど、あえて前に出ることで、年下の女の子だったり、クラブミュージックと縁が薄い人たちの間で、新しい何かが始まったらいいなって思っています。

Credits


Photography Takao Iwasawa
Styling Koji Oyamada
Text Yu Onoda
Styling assistance Ai Suganuma and Hiromi Kanamoto

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