Photography Jonathan Daniel Pryce

クイーンたちの素顔:『ル・ポールのドラァグレース』の舞台裏をチラ見

Netflix人気シリーズ『ル・ポールのドラァグレース』に出演するクイーンたちも数多く登場する、毎年恒例のドラァグツアー〈Werq The World〉。バックステージに潜入した写真家ジョナサン・ダニエル・プライスが、フィルターがかかっていない彼女たちの素顔をとらえた。

by Liam Hess; translated by Nozomi Otaki
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06 June 2019, 6:37am

Photography Jonathan Daniel Pryce

「今のドラァグクイーンの写真は、Instagramの加工されたセルフィーがほとんどです」と写真家のジョナサン・ダニエル・プライスは言明する。「僕はもっと控えめな照明で、飾り気のない場所でも輝いてるクイーンたちを撮りたかった」

それを実現したのが、ジョナサンが毎年開催されるドラァグクイーンのツアー〈Werq The World〉のバックステージで撮影したシリーズだ。写真家としてツアー史上初めて舞台裏に立ち入ることを許された彼は、ヴァイオレット・チャチキ、デトックス、キム・チーなど、『ル・ポールのドラァグレース』出身のスーパースターの姿をとらえた。

「僕がドラァグの世界に惹かれるのは、そこに試練や苦労から生まれる魅力があるから」とジョナサンは説明する。「まさに、ドキュメンタリー『パリ、夜は眠らない。』がとらえた美しさです。『ドラァグレース』に出演したクイーンたちが人気になったことで、ドラァグ全体が洗練され、この世界は今までになく煌びやかになりました」

本シリーズは、ドラァグの揺るぎないルーツへとあえて立ち返ることで、クイーンたちの唯一無二の魅力をとらえている。ピンクのサテンのハットと燕尾服姿で、バックステージの手すりに寄りかかるモネ・X・チェンジ、1980年代のロウアー・マンハッタンのパーティからそのまま抜け出してきたようなアジア・オハラの色褪せたポートレート。捨て置かれたウィッグ、スーツケースに無造作に詰め込まれたオーストリッチフェザーのガウンなど、ドラァグの〈残骸〉のスナップショットもある。

「男性を撮るときは、彼らとの交流や、カメラの前で彼らの脆さが明らかになる瞬間を楽しんでいます」とジョナサンはいう(彼はInstagramアカウント@garconjonでストリートフォトを公開している)。「でも、ドラァグクイーンの場合はコラボレーションに近い。彼女たちは、考え抜かれたパワフルなイメージを意識的につくりあげている。彼女たちはクイーンでもあると同時に道化師でもあるんです」

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Photography Jonathan Daniel Pryce

被写体としてお気に入りのクイーンはいるか、と訊くと、ジョナサンはややためらいを見せた。「バックステージでは、パフォーマンスのあいだのわずかな時間で、どのクイーンも、1フレームごとにまったく違う、最高のポーズをとってくれました」と彼は答えたあと、こう打ち明けた。「でも、いちばん印象に残ってるのは、モネ(・X・チェンジ)と冗談を言い合ったことかな。彼女はそのあいだも、きれいな表情を完璧に保ってるんです」

ジョナサンによれば、ツアーメンバーには家族のような雰囲気があり、「お互いに対する心からの友情、思いやりに溢れていた」という。

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Photography Jonathan Daniel Pryce

いっぽう、『ル・ポールのドラァグレース』シーズン11のグランドフィナーレでどのクイーンを応援するか尋ねると、ジョナサンはこう即答した。「絶対イヴィ・オドリィ! 彼女のアプローチは、最初のエピソードから楽しくて、斬新で、独創的だった。しかもずっと期待を裏切らないんです」

これを読んでいるあなたも、今すぐイヴィに賭けたほうがいい。ジョナサンは間違いなく、スーパースターの素質を見抜く目を持っている。エンジンを吹かして、最高の女に勝利あれ!

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This article originally appeared on i-D UK.