speak your love: 再び、青春を謳歌しよう ── black boboiの場合 ──

親友への「Super Love(=偏愛)」が最高のインストゥルメント。小林うてな、Julia Shortreed、ermhoiの"3人"を通して見えてきた「Lifegenic」をシェアする大切さ。

by Saki yamada; photos by Yoko Kusano
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okt 24 2018, 11:53am

いつ、どこで、何が始まるのか想像できない。その瞬間に起きた化学反応を目の当たりにし、どこまでも広がる可能性に期待を寄せる日々があるからこそ、人は歩みを止められないのだろう。そして好奇心旺盛で、固定観念にとらわれずに新しい道を切り拓きつづける「lifegenic」な人たちは、その現象に対してどこまでも貪欲で、その精神が新たな時代を導くクリエイティビティへと繋がる。

i-D JAPANが「SPEAK YOUR LOVE」をテーマにフィーチャーするバンド「Black Boboi」もまた、偶然引き起こった必然的な可能性に触れ、新たな未来への第一歩を踏み出したところだ。ルールや常識にとらわれず、心地の良さを追求した彼女たちのクリエイティビティから感じられるのは、初めてバンドを組んで文化祭に向けて練習をする青春時代の若者たちのような純粋な音楽への愛。そして仲間への「LOVE」があるからこそ、様々なクリエイションを発信し続け、さらに「Lifegenic」な生き方を楽しめるのかもしれない。

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「LOVE」を奏でる(私たちの)音楽

3人の好きな色、動物、思想…真っ白なノートブックが文字で塗りつぶされていき、浮かび上がったのは「Black Boboi」というワード。まだ何かも分からない、とりあえず3人を代名するニックネームとして付けられたこの固有名詞には、不確かではあるがインターネットによると“自然や外、音楽、芸術をリスペクトする心”という意味があるらしい-これさえも彼女たちが起こした小さな奇跡なのか。とにかく今このバンドがすごく熱い。それは音楽を聴けばミニマルな構成から無限に広がる音の神秘など、ズバ抜けた数々のセンスがすぐに証明してくれるが、もっと深い何かがある。そしてそれは、ものすごくシンプルな答えだった。

ソロ活動を始める人の大半は「同じグループにい続けるのが苦手だったから」「ひとりで作った方が好きなものを作れるから」と話す。彼女たちも少なからずそういった考えを持っていた。だが内向的な音楽との向き合いは、時に薬となり毒となる。1人で夢を見ているうちに、閉鎖的な自分の世界を広げていきたいと3人は心のどこかで思うようになった。そのタイミングが合ってか、彼女たちは引き寄せ合ったかのように“個々の集合体”を意味するレーベルBINDIVIDUALを立ち上げ、とても自然発生的な流れの中でBlack Boboiの音楽が生まれた。

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「作業自体は1人でできるんですけど、同じ空間で作るっていう時間が大切。そうやって集まっているときは制作以外にもプライベートの話とか何でもする。あえてその時間を大切にしようと思ってやっているわけではないけど、自然と何でも話せるし何でも共有し合える関係性が、Black Boboiの大切な部分なのかもしれない」── ermhoi

互いの音楽をリスペクトし合い、同じ目線で物事を見て、同じ立場で話し合うことができる。そんなあらゆるシェアリングがBlack Boboiをひとつにまとめている。彼女たちはお互いを知っていく中で音楽は自分のためのものであって、みんなのものでもあるということに気が付いた。「みんなで音楽を楽しみたい」、そんな音楽に対する外交的でピュアな想いが音にも演出にもプライベートにも滲み出ているからこそ、Black Boboiは人々を惹きつけることができるのだろう。

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解き放たれた心と深まる音楽への愛

「めちゃくちゃ前向きになった。ひとりぼっちでやってきて、誰にジャッジしてもらえばいいかも分からない、自分でジャッジしても正解が分からない中で絶対的に信頼しながら話ができる人がいるって思うと前向きになれるし、刺激にもなる。ソロの曲とかも確認し合うから2人のソロ曲を聴いて自分も頑張ろうって気持ちにもなる。20歳くらいから音楽を本格的に始めて楽しい時期もあったんだけど、辛いというか音楽ってこういう風にやっていていいのかなって迷う時期もあった。そこを抜け出して、本当に音楽ありがとうって思えてるのは1番嬉しい自分の成長」── Utena Kobayashi

とても不安定な社会の中で、人々が手を取り合って何かをする理由は明白だ。競争社会の中でいつの間にか私たちは対抗心を抱きながら人とのコミュニケーションを測ってきたが、それを辞めにして誰かに頼るということは自分の心の重荷を下ろすということ。そうして出来た自分の中の余白を満たしてくれるのは、好きなものに対する愛情や感謝なのだろう。自分にとって何が大切なのか、本心を見極めるためには他者との関わり合いの中で新しい自分に出会って自分自身を理解する必要がある。そうやって自分を成長させてくれるお互いの存在がどれほど大きなものなのか言うまでもない。

「1人でやっているときには見えなかった大きな未来がパッと見えた。可能性が広がっていくのが早くて、どんどん飛んでいきそうな感じ。それが普段の自分にとって原動力になっているし、もっと曲を作ろうって気になる。3人でやったおかげで、音楽との向き合い方も変わって、音楽がもっと好きになった」── Julia Shortreed

音楽への愛によって突き動かされる彼女たちのクリエイティビティは、私たちが好きなものと向き合う勇気をくれた。そして「親友」という最高の楽器を手に入れ、常に仲間への「Super Love(=偏愛)」で満ち溢れている彼女たちは「Lifegenic」な生き方を恥じることなく他人にシェアすることを忘れてはいけないと、自分らしくいるための方法を教えてくれる。Black Boboiの文化祭の準備が永遠に終わらないことを、願うばかりだ。

探そう。自分らしく生きる手がかりを。 Cue for Lifegenic

lifegenic salon: 東京のクリエイティブシーンを突き動かす「愛」とは
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Credit


Photography Yoko Kusano.
Styling Koji Oyamada.
Text Saki Yamada.
Hair and make-up Miwa Hirose.
Styling assistance Akane Nishimura.

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