いろんな男たちへ:WEWILL 18AW

Amazon Fashion Week Tokyo最終日の夜。東京・渋谷のcontactを会場に、WEWILLのショーが始まった。

by Tatsuya Yamaguchi; photos by Houmi Sakata
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25 March 2018, 1:48pm

東京・渋谷のcontactに向かった。WHEREABOUTSやSMITH &HARDY、TAKEO KIKUCHIなどのデザイナーを歴任した福薗英貴によるWEWILLの3シーズン目のコレクションが発表された。

階段を降りた先にある、いくつかのスペースに区分けされた会場には地下空間特有の雰囲気がある。床には、のちにモデルが歩く導線にそって「KROY WEN No.1」(鏡に映すと福薗が最も好きな街だというNEW YORK)と記された白いテープが張り巡らされている。オールスタンディング——今か今かと待ちわびるゲストの姿があった。

ショーは、少しばかり無骨でダンディな“男”が先頭を切った(前シーズンはピュアなボーイモデルを起用)。バリエーション豊富なコートやジャケット、ブルゾンはショルダーラインを中心にややオーバなボリューム。コーディロイや量感あるウールの質感もあいまって、“肩の力”が抜けたリラックス感とクラシカルなトーンは全体に通底している。が、ふとモデルのテイストに変化がでる。少年的で、ヘアもアフロっぽく、無造作なイメージ。ドット柄のシャツやグレーを基調としたブリティッシュチェック、肌が覗くパジャマのようなシャツやパンツ、カラーアイシャドウを中心にしたメイクなどと、柔和なニュアンスが入ってくる。

次には、ロングヘアの、ちょっとアンニュイな佇まいのモデルが。デニムを合わせたカジュアルなトーンだが、すでに登場したフォルムのコートやジャケットとのミックススタイリングだ。後に続く、スキンヘッドのモデルたちが着る服は、カラートーンがベージュやカーキとミリタリーのイメージ。モヘアのファブリックやニット、光沢のあるクロップドパンツ、レオパード柄……。2018年春夏に発表された吉田カバンとのコラボレーション(縦方向に割れるバッグ)、デザイナーが「中学生ごろいつも履いていた」というReebokのスニーカーも登場した。

WEWILLのショーにはいろんな男たちが現れた。年齢も国籍も、醸し出す空気感も多彩なメンズモデルを起用しながら、彼ら“みんな”に向けたデイリーウェアということだろうか(もちろん女性も着られる)。テーマは「トランスレーション」。インビテーションには、宇宙の星々の写真と、イギリスの近衛兵、エレガントな佇まいをした女性(顔は小惑星で覆われている)の姿がシュールにコラージュされたビジュアルがある。以前のi-Dのインタビューではこう語っていた。「フェミニンなものを男性が着ることで、かえって男らしく見えることもあると思っているので」。この言葉とビジュアル、入り混じるスタイリングから察するに、どうやら今季のテーマは「翻訳」というよりも、「平行移動、移し替え」と捉えたほうがよさそうだ。

aasa