輝かしいデビュー:Dilara Findikoglu 2018SSコレクション

カニエ・ウエストやマリリン・マンソンともコラボを手がける気鋭ディラーラ・フィンディコグルー。彼女がついにロンドン・ファッションウィークでデビューし、観客を圧倒した。

by Felix Petty
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21 September 2017, 7:47am

This article was originally published by i-D UK.

ホルボーン地区にある聖アンドリュー教会で開催されたDilara Findikogluのデビュー・コレクション。フィナーレでモデルたちが会場を闊歩するのを見る観客の顔には、もれなく笑みがこぼれていた。スラッシュメタルが鳴り響くなか、観客たちは教会のベンチに座って足をふみ鳴らし、この若きトルコ人デザイナーによるハードコア・パンクのテーラリングを楽しんだ。

ディラーラの活気とデザインは、他のどの2018年春夏コレクションとも違っていた。彼女の才能とヴィジョンを後押しする特別な力が感じられたのだ。そして、その装飾とデザインの複雑さにもかかわらず、それはいたって自然で彼女の個性に溢れていた。

ディラーラは生まれながらの反逆児だ。ロンドンに暮らし働くのだと、トルコの保守的な社会を拒絶した。セントラル・セント・マーチンズでは卒業コレクションを発表できる生徒に選抜されず、学校外で自作のショーを行なった。ここ数年で、Yeezyとのコラボを手がけ、老舗デパート<セルフリッジ>で取り扱いが始まり、マリリン・マンソンのグッズをデザインするなど、急激に注目を集めてきたディラーラ。ロンドン・ファッションウィークでショーを行なうのが、最後に残ったハードルのように思われた。しかし、実はそんなハードルなど、もともとなかったのかもしれない——彼女はすでに100メートルを駆け抜けていた——そう思わせる圧巻のショーだった。

コレクションのテーマは、ディラーラが夢想した"社会階級"をもとに生まれた。信奉者、反逆児、思想家、政治家、宗教団体のリーダー、王族、そして神という皮肉な7層の社会階級だ。「キャラクターは幻想でしかない」と、ディラーラはバックステージで話す。「このコレクションで追求したかったのは、『もっと幸せな生き方があるはず』と懸命に生きる感覚、幸せを見つけることの難しさに直面する感覚、そして途方にくれる感覚です」

まずランウェイに登場したのは、白に身を包んだ「信奉者」だった。カルト宗教を思わせるローブをまとい、顔にはオカルトのシンボルが描かれていた。次に登場したのは、ゴスやパンクといった「反逆児」たち。グレース・ニュートラルが魔女のような黒いローブをまとって歩き、もうひとりのモデルは、『バフィー〜恋する十字架〜』を思わせる、パッチに覆われた鮮やかなピンク色のドレスに身を包んで現れた。ポリ塩化ビニルの下着を穿き、上には黒いフディの袖を片方の肩だけ通して現れたジャゼル。フディには、「Liberty or death(自由か、死か)」と謳われていた。次に現れたのは、悪の首相に扮したブルック・キャンディ。彼女が着ていたのは、赤と黒の千鳥格子ツイードのスカートスーツ。PVCのケープをまとって宗教団体のリーダーに扮したサッシ(Sussi)は、特殊メイクを顔にほどこして、『バフィー』に出てくるヴァンパイアのようだった。荘厳なるフィナーレはリリー・マクメナミーが務めた。軽く、そして長く尾を引く真っ赤なドレスは王位を香らせ、主なる神を見事に表現していた。ときが止まったように感じられた。

「キャスティングでは、それぞれの役割を重視しました」とディラーラは言った。「正義のキャラクターには、アクティビストのソフィーを起用した。グレース・ニュートラルは魔女。ブルック・キャンディは首相。リリーは当然ボスの役、すべてのキャラクターの長である神」。大げさと思う読者もいるかもしれない。しかしショーの世界には無理がなく、モデルたちは、卓越した技術とディテールによって紡ぎあわされた服の存在感をかすませることなく、その割り当てられた服とキャラクターの中に馴染んでいた。

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