BALENCIAGAが猛吹雪のコレクションを発表

2022年3月6日、パリファッションウィークで発表された 「BALENCIAGA 360° WINNTER 22 COLLECTION」。画面が破損したiPhoneのインビテーションから、デジタルな仕掛けが予想されていた。偏在すると思われていたものが、今はシュミレーションのみで経験可能となっていく未来への予想を、かつて予測可能だった「冬」への懐かしさと新しい意味を模索し表現したデムナ。会場は防護ガラススクリーンでカプセル化された無限の白いフィールドで、360°ビューのリアルライフ3Dライブストリームが配信された。思わずパリの天気を調べてしまうほど、精巧につくられた「冬」の中、デムナによる詩の朗読でショーは始まり、大量の雪と強風に抗ってモデル達は前に歩みを進めていた。
下記は、デムナによるオフィシャルレターだ。
ウクライナでの戦争は、私の母国で同じことが起こり、私が永遠の難民になった1993年以来、私が抱えてきた過去のトラウマの痛みを引き起こしました。
永遠、なぜならそれはあなたの中にずっといるものだからです。恐怖心、絶望感、だれもあなたを望んでいないという認識。
しかし私はまた、人生で本当に重要なこと、人生そのものや人間の愛と思いやりのような最も重要なことにも気づきました。
だからこそ、今週このショーに取り組むことは私にとって非常に困難でした。
なぜなら、このような時に、ファッションはその妥当性と実際の存在権を失うからです。ファッションウィークはある種の不条理のように感じます。
私は、私と私のチームが一生懸命取り組み、心待ちにしていたショーをキャンセルすることも一瞬考えました。
しかしその後、このショーをキャンセルすることは、30年近く私にひどく苦痛を与えてきた悪に降参し、屈することを意味するであろうことに気づきました。
私は、自分の一部を無意味で無情なエゴの戦争の犠牲にすることはもうできないと決意しました。
このショーに説明は必要ありません。それは、恐れないこと、抵抗すること、そして愛と平和の勝利への献身です。
xx Demna






