「big design award 2021」審査員によるトークセッションをレポート

アジアを拠点とした国際的なファッションコンペティション「big design award 2021」審査員によるトークセッションが開催された。

by Natsu Shirotori
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07 April 2022, 8:58am

コロナ禍を経て、2回目の開催を迎えた「big design award」。アジアを拠点に、次世代のファッション産業の課題解決を目指すデザイナーを発掘するための国際的コンペティションだ。

「big design award 2021」では、プロ・アマ問わず集まった世界28カ国・148件の応募のうち13名がファイナリストとなった。ファイナリスト達の作品は3月17日にショー形式で発表され、18日には審査員によるトークセッションが開かれた。

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トークセッションには、モデレーターとしてCAMPFIRE代表の家入一真、デザイナーの坂部三樹郎、そのほか審査員としてギャラリストでNANZUKA代表の南塚真史、複雑系研究者で東京大学大学院総合文化研究科教授の池上高志、デザイナーの三原康裕、i-D Japanエディトリアル・ディレクターの林香寿美らが参加した。

家入は、本コンペティションについて「アジアに国際的なデザイナーの登竜門を作りたいという思いからこの取り組みを始めた。ヨーロッパに偏重しがちなファッションの世界に、アジアからの発信ができれば」と語る。

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第一部には、南塚真史と池上高志が登壇。アートや科学などの分野で活躍する2名によるトークは、未来のファッション業界の可能性を感じさせる内容となった。

トークセッション前日のショーを受け、南塚はファイナリスト達の作品にアート性・思想・機能性の3つの大きな要素を見出していた。その中でも機能性の側面に着目し、「義足など、身体のハンディギャップを補うメカニズムも含め、身体改造で自己表現をしようとするムーブメントを感じられた」と語る。

一方の池上は、自身の研究分野とも関わるアンドロイドやメタバースなどの要素と絡め、「ファッションはまだ遅れているのかもしれない」とコメント。「メタバースの中で考えれば、今までの概念を破壊するようなファッションを考えられる」と言い、現在はまだいないであろう、メタバースの中でも活躍するファッションデザイナーの登場に期待を寄せた。モデレーターの坂部もこれに対し、「これから大事なのは自分の外側にあるものを受け入れていくセンス」と語り、新しいファッションデザイナーの在り方を予感させるトークで第一部は幕を下ろした。

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第二部では三原康裕と林香寿美が登壇し、ファイナリスト達の作品を丁寧に読み解き、ファッションやデザインへの向き合い方について語る内容となった。

林は、「それぞれのデザイナーのポートフォリオが雑誌のように高い完成度」とファイナリスト達のプレゼンテーション能力を評価した一方で、着心地や縫製など質については荒削りな部分もあったとコメント。これに対し、三原も「エモーショナルに素材を切り貼りするだけではなく、洋服への興味とクリエーションへの興味のバランスを自己分析できるとさらに良くなる」とコメントした。

また、コロナの影響も受け、全員統一フォーマットでのショーとなり、デザイナー自身の直接の声を聞く機会はなかった今回。三原は「たぶん昨日のファッションショーは彼らが見せたいショーではないんだろうなと感じた。ファッションショーは古典的なものになりつつあるが、ムードや熱量を伝える遊びのようなもの。新しい文化を生み出すには遊びが必要」だと言う。林も「熱のあるファッションショーはデザイナーの世界観への理解を深める」と語った。

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