日本初公開の『少女ジュリエット』、『パパとマチルダ』と併せて一夜限定上映

「はみ出し者」映画を特集する上映イベントの第8弾! スティーヴ・マーティン脚本・主演の映画『パパとマチルダ』と、2020年カナダ・アカデミー賞脚本賞にノミネートした青春コメディ『少女ジュリエット』が日本初上映。

by Takuya Tsunekawa
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28 July 2020, 11:47am

2018年秋から始まった「はみ出し者」映画の日本未公開作を中心に二本立てで特集する上映イベント「サム・フリークス」の第8弾が、8月1日(土)に渋谷のユーロライブで開催される。

ジョージ・エリオットの古典『サイラス・マーナー』をスティーヴ・マーティン脚本・主演で映画化した『パパとマチルダ』(1994)と、2020年カナダ・アカデミー賞オリジナル脚本賞にノミネートした『少女ジュリエット(原題:Jeune Juliette) 』(2019)を日本語字幕付きで上映する。

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『パパとマチルダ』

注目は、2019年に本国カナダで公開されたばかりで、今回がジャパンプレミアとなるケベック映画『少女ジュリエット』。『ある夜のセックスのこと モントリオール、27時』(2011)や『ネリー・アルカン 愛と孤独の淵で』(2016)で知られる女性監督アンヌ・エモンの高校時代の経験を反映した半自伝的な作品で、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(2019)とともに見られるべき同時代的な青春コメディだ。

ケベック州の郊外に父親と大学進学を目指す兄と暮らす高校2年生のジュリエット(アレクサン・ジェイミソン)は、幼い頃、母親が仕事のためニューヨークに出て行って以降、体重が増え始めた。高校では同じく運動嫌いの唯一無二の親友レアン(リアン・デジーレ)と授業をサボったり、校内ラジオを行ったりしているものの、周囲からは嘲笑を受ける学園生活を送っている。ジュリエット以外にはゲイであることを秘めているレアンと子守を担うことになったルービックキューブが得意な年下の少年とのはみ出し者同盟を形成する夏の日々を、ジュリエットの楽観的な見方を表したかのようなポップで遊び心ある演出で描く。

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『少女ジュリエット』

『少女ジュリエット』は、違いについての映画である。標準とは異なる体型や性的指向、知能などのために周囲から白い目で見られる者たちの物語であり、特に学校という空間はファットシェイミング(肥満を侮辱する言動)やファットフォビア(肥満恐怖症)が顕著に浴びせられる空間として現出している。思春期の残酷な視線の中に身を置く『ウェルカム・ドールハウス』(1995)や年下の子を世話する『なまいきシャルロット』(1985)、厭世的な女子2人の友情を描く『ゴーストワールド』(2001)などを下敷きにしたような学園映画でありながら、プラスサイズのめげないジュリエットを中心に現代の多様性やフェミニズムを反映させているからこそ、既存のステレオタイプやパラダイムを変革し、典型的なティーン映画の枠を超えていく新鮮な面白さがある。

『ベスト・キッド』(1984)や『ブレック・ファストクラブ』(1985)へのオマージュが込められていると同時に、ルーカス・ムーディソンの『ショー・ミー・ラヴ』(1998)を彷彿とさせるクィア讃歌の映画にも仕上がっている。現在の学園映画を語る上でも見逃せない傑作だ(アンヌ・エモンは本作の謝辞を父親、そしてかつて愛してくれなかったすべての少年たちへ捧げている)。

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『少女ジュリエット』

2020年9月6日(日)には第9弾が開催されるので、継続的に「サム・フリークス」をチェックしてほしい。

なお、本イベントは今回もすべての子どもたちが社会から孤立することなく暮らしていけるようになることを目的とした学習支援や自立支援のために、有料入場者1名につき250円が認定NPO法人「3keys」へ寄付される。

「サム・フリークス Vol.8」
日時:2020年8月1日(土)
会場:ユーロライブ(渋谷)
料金:2本立て1500円(入れ替えなし・整理番号制)
13:00~ 当日券販売開始
13:15~ 開場
13:30~『パパとマチルダ』上映
15:30~『少女ジュリエット』上映

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