ローラのLA移住の決断と、そしてライフスタイルブラン〈STUDIO R330〉を発信するまで

日本を離れ2016年からLAに本拠地を構えたローラ。彼女の素直でピュアな想いがつまった新ブランド〈STUDIO R330〉は、体型や人種を超えた全ての女性に向けてのクリエイションだ。ブランド立ち上げの経緯から、日本を離れたきっかけやロスでの暮らしぶりを聞いた。

by Kazumi Asamura Hayashi; photos by Sandy Kim
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23 September 2020, 10:00am

2016年から活動の拠点をロサンゼルスに移したローラ。持ち前のオープンマインドなアティチュードと、大物タレントを目の前にしても動じないフラットな受け答えでテレビ業界に新風を吹き込み、スターダムへと上り詰め、以前はテレビで彼女を見かけない日はなかったほどだった。モデル、芸能活動が多忙を極めていたなかで、彼女がロスに移住を決めたのは、忙しさからくる体調不良や生活スタイルに対しての不安がきっかけだという。以前の彼女の活躍を思い返せば、時間のほとんどが仕事に費やされていたことは想像に難くない。

拠点を移すことによって得たもの、それは自身を見つめ直す時間と心身の健康だった。その取り戻した力で、彼女は自分がするべきことを見い出していった。自身のライフスタイルや社会問題への考え、自身の取り組みをソーシャルメディアを通して発信した。調べれば調べるほど、行動を起こさずにはいられなかった。環境問題に対しての取り組みは、自身がプロデュースしているライフスタイルブランドSTUDIO R330にも大きく反映されている。

ブランドローンチに際し、ローラはとても彼女らしいメッセージを発信している。自分の培ってきた経験とそこから学んだ感性を信じてブランドを発信していきたい。素材やその背景にあるストーリーを大切にして、ワクワクして、ポジティブで自信に満ち溢れる事の素晴らしさを感じるプロダクト作りを目指しているという。それとともに、環境への配慮をして、地球の未来に貢献をしたい。

そんな素直で前向きな思いを込めたブランドに対する思いと、最近のロスでの生活を聞いてみた。

Rola, STUDIO R330, Sandy Kim, LA

──ロスに拠点を移したきっかけとその思いを教えてください。

5〜6年前から観光で来るようになって、自分のライフスタイルと何か共通するものを感じたの。私が好きなオーガニックの野菜や食事がいっぱいあるし、夢に向かってチャレンジしている人が多いなって。ロスには多国籍の人が多くて、その人たちと話しているとすごく楽しいし、自分が知らなかった文化や生活を学べるの。私、18歳のときの夢がキャビンアテンダントだったんだけど、その理由が世界中の人とコミュニケーションしてみたいなと思っていたのね。人生は一度きりだし、自分が知らないことをたくさん学びたい、経験したいという想いがずっと自分の心の中にあって。だからこうやってロスに移住できて毎日が楽しい。

日本も楽しかったんだけど、少しずつ外出するのも大変になったり自由に歩けなくなっていつも外に出るときはマスクして帽子被って、そういうのって自分らしくないって感じてたのね。

──LAに住むことによって気付いたりとか変化したことはある?

日本にいたときはお仕事をしすぎちゃったのか、気付いたら眠れなくなちゃったりとか、精神的に乱れちゃったんだと思うの。それで自分のことを大事にしなくちゃって思って。ロスは出勤前や仕事終わりに運動する文化が根づいているの。それで私も運動をはじめたら、昔のポジティブな気持ちが戻ってくるのを感じて。「これは何だろう?」と気になって、メンタルや運動のことについていろいろ調べたの。運動をすると前向きに考えられるようになったり、食べ物とかも意識するようになる。いい方向にすごく繋がっていくなって感じて、自分が経験したこの素晴らしい体験を日本で頑張ってる人に伝えていきたいなって思うようになったの。

Rola, STUDIO R330, Sandy Kim, LA

──いま聞いたことってブランドのコンセプトにも繋がると思うんだけど、いまやっているライフスタイルブランドを立ち上げた理由を教えてもらえますか?

環境問題を調べて、自分の知らなかったことや驚かされることがたくさんでてきて、「これを知らない人がたくさんいる。伝えていかなくちゃ」っていう責任も感じるようになったの。情報を発信するだけじゃなく、自分で行動して伝えていきたくて。そのうえで元々自分が好きなクリエイティブを落とし込んで、新しい形のライフスタイルブランドをはじめようと思ったの。

──いままでやったことないことにチャレンジしてるわけだけど、ブランドを立ち上げる時に感じたことは?

自分と同じ考えを持っている人を探すのが大変だった。会社を立ち上げて、人を雇用するのが初めてで、尚かつ環境に優しいものづくりをしたいっていう強い気持ちがあったから……。100%環境に優しいものを作るのってやっぱり難しいから、二年以上かかったのね。たくさんの本を読んで、自分の足で工場を見に行って、専門家と話して。ビジネスは簡単にははじめられないし、勉強が必要なんだってことを学んだ。

Rola, STUDIO R330, Sandy Kim, LA

──全部のプロセスを自分で監修してるわけじゃない? 例えばカイハラ社のデニムとかサイテックスインターナショナルと仕事したりとか、デザインもやったりとか。

やりたいって思ったから、実際に(ブランドの運営が)できていることはすごく楽しいんだけど、毎日それについて打ち合わせしたり考えたり、時間をすごく使っていることに気付いた。一回やって終わりじゃなくて、毎日オフィスでみんなと作業している状況。だから結構睡眠不足になったりもしていて、「あっ、ヤバいヤバい。生活リズムを直さなきゃ」って思ってる。まだ大変だけど、実際にサンプルができて、プロダクトを買ってくれた人がハッピーになったり少しでもポジティブな気持ちになれるっていうのを聞くと、すごいモチベーションになる。

──今回ドレスシャツとデニムをローンチするじゃない? なんでこの2アイテムを選んだかっていうのを教えてください。

デニムって何年経っても価値があるアイテムだなって思ってて、ういえばどうやって作られてるんだろうって自分で調べていたりもしたの。デニム一本つくるのに、最大で3000から4000リットルの水を使用していたり、染色剤も適切な処理がされずに川に流されていて、環境に大きなダメージがあるってことを知って。でもこの世の中にはデニムがたくさん溢れている。自分が環境に優しいデニムを買いたいなと思ったときに、欲しいと思うデザインがないなって感じたのね。それで、環境に優しいものが作れたらいいなって。そんなときにベトナムにあるサイテックスインターナショナルという会社の工場を訪れたら、工場のチーフさんがものすごくいい人で感動したの。ただ環境に優しいデニムをつくるだけじゃなくて、水を飲めるようにしたり、工場のなかで野菜の自家栽培をして従業員みんながオーガニックで健康的なランチを食べられるようにしたりだとか、出勤してくるときにヘルメットを渡す細かい気配りとか、CO2を排出しないために考えている仕組みが素晴らしくて愛のある方だなと。そしてカイハラ、やっぱり日本のデニムって世界でも素晴らしいものを作ってる。今回は世界でもトップクラスのカイハラさんのデニム生地をお願いして、この二つの企業と組んで作ることにしたの。

Rola, STUDIO R330, Sandy Kim, LA

──その行動力ってすごいよね。ベトナムまで行って工場を見に行って……素晴らしいなと思う。

全然。すごい楽しかった!

──そういうのも含めてエンジョイしてるのかな。

してる。

──シャツは? 白いドレスシャツってすごくいいコンセプトだなって思ったのね。3型作るっているのが素敵だなと思ったんだけど、シャツを選んだ理由って?

シャツはね、すごく好きなの。シャツってシンプルで上品。でもボタンの開き具合ですごくセクシーに見えたり、ジュエリーも合うしデニムとの相性も抜群。デニムを履くとき、是非シャツを着て欲しいと思ったの。トルコのオーガニックコットンを使って形は3パターン用意して。丈の短い少しボリュームのあるシャツがすごく欲しかったの。昨日実はルックの撮影だったんだけど、モデルじゃなくていろんな職業についてる個性溢れる女性の方にお願いしたの。私自身がポラロイドでみんなを撮ったんだけど、全員すごく似合ってて、リアルな声が嬉しかった。

──そういう撮影のコンセプトとかも、自分で考えているの?

私とデザインチームのふたりで考えるの。

私が作るムードボードを理解して一緒にコラージュのイメージを考えてくれたりする人がひとり。もう一人は、細かいサイズとか形を担当している人。

デニムのサイズも日本には大きいサイズが少なくて、サイズ30まで作った。将来的にはもう少し大きくしていくつもり。スキニーデニムは配置やデザインにすごく拘っていて、履くとその人自身のボディーがもっときれいに見えるの。今回は究極にシンプルなデザインにした。デニムの袋はオーガニックコットンのきなりで紐も(実は紐だけでもすごく高くなちゃったんだけど)オーガニックコットンの紐を二重にしてて、普段の何気ないことに使えるようにしたの。

Rola, STUDIO R330, Sandy Kim, LA

──今このビジネスっていうのは、ネットだけの販売にしてるでしょ? それはどうして?

お店に置くことも最初は考えたけれど、色をつけたくないっていうか。チームで「インターネットから始めよう」って自然に決まったんだよね。でも実際に見て、触って、履いてほしいって思いはある。大阪でのポップアップがすごく評価もよかったから、今度は展示会をできないかなって考えているんだよね。

──次のデザインのアイディアは?

毎回トレンドに流されない、長く使い続けられるものを作りたい。次に考えているのは、オーガニックコットンのスウェットセット。家でもくつろげて、そのまま近くのコーヒー屋さんにも上になにか羽織るだけで出かけられるような、シンプルなスウェットセットを作りたいなって。

──ライフスタイルブランドって銘打ってるじゃない? 今後洋服以外にも違うアイテムは考えてる?

アロマオイルとか香りのアイテムを出せたらいいなって思ってる。あとはわんちゃん達がいるから、エコで環境に優しいリードとか。

──最後に、植林についての社会貢献活動についても教えてください。

地球温暖化について調べているときに、木の伐採の影響が大きくて大きな課題だなって学んだの。今回の「one tree planet」ではデニム一本を買うとインドネシアの森に10本の木が植えられる。2020年の11月30日までに三万本の木を植えることを約束しているの。今後は私も実際に行って、近況を報告するつもり。インドネシアに住んでいるオラウータンはこの100年で90%も減っていて、10年以内に絶滅してしまうかもしれない。オラウータンの97%のDNAって人間と一緒とも言われてて、だからなんて言うのかな……「もう助けてあげたい!」って気持ちがあって。動物の住んでる場所やそこで生活している人達の住処を守ることになるし。まだ小さなステップだけど、これが変化に繋がればいいなって思ってる。

Credit


Photography Sandy Kim

Hair and Make-up Erika Abe

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