Photography Yuji Watanabe

池田エライザと考える、自分を信じるための10のこと

池田エライザのフィルター越しに改めて考える、人生を取り巻く当たり前なこと。

by Saki yamada; photos by Yuji Watanabe
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25 December 2019, 6:12am

Photography Yuji Watanabe

生活の中にある何気ない言葉の定義や概念は、私たちの人生をすんなりと進めたり縛り付けたりする。当たり前だからこそ一度きりの人生を謳歌するために改めて気にかけたい、そんな10個のことを女優として様々な役を通し人々の気持ちを疑似体験してきた池田エライザに聞く。昔からの夢であった監督デビューを果たし自分を拡張し続ける彼女の物事の捉え方は、ハッと気付かされる瞬間を私たちにくれる。

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1. 帰る「場所」があればどこにいても関係ない

場所ってすごく重要。家は自分のために調節している場所なので一番大切です。香りやインテリアにも気を使っていて、自分の気持ちに角が立たない空間を作ろうと意識しています。例えば、いい香りがしすぎるとどんどん女性らしくなって人格が変わってしまう気がするので、部屋全体に香りが広がるようにディフューザーを置いたり。今は世界中どこへでも行くことができますが、新しいものを全部いいものだと思って吸収してその自分の変化に気付いてくれる心の拠り所や常に帰れる場所があれば、どこにいても関係ないとも思います。

2. 「時間」は人の視野を狭くする

今の世の中は未来に固執して現在をないがしろにしてる人がたくさんいると思います。いつかのためってことだけを考えて、未来の自分が過去を振り返ったときに素晴らしいと思える時間を過ごしていないという状況になるので、大切にするべきは現在だと思います。時間は人の視野を狭くさせるものでもあるし自分の味方にできるツールでもあると思っていて、今できることをとりあえずやらないと結局死んじゃうでしょってすごく考えます。

3. 自分を取り戻せる「他人」の大切さ

昔から他人のことばかり気にしていて、未だに自分以外の人間に緊張しています。その人に対して良く見せるとかはしないんですが、嫌われたくないという恐怖心が常に奥底にあって。私の場合は世間に出ているイメージと自分が普段感じてる自分の印象が全然違うからこそ、周りに応えるべきか本当の自分を伝えるべきか分からなくなって怖い思いをします。高校時代から続いている親友が1人いるんですが、彼女は私のことを当たり前だと思ってくれているから褒めないんですよね。普通に笑ってくれるし緊張しないでいてくれるし、彼女がいる限り本当の自分を忘れずにいられると思います。

4. 「自分」には感動を忘れてほしくない

役者としてお芝居ロボットになりたくなりので、全身で美しさや嬉しさを感じられる瞬間を作るようにしています。日の出を見に出掛けたり、そういうときだけアクティブです。感動するときって心がパーッと開く感じがあって、あの感覚を忘れないように吸収していたい。

6. 物理的な「距離」は心の「距離」を遠ざける

物理的な距離があるじゃないですか。私、人が触れなくて「ねえねえ」って言って肩を叩いたりできないんです。いつからだろうって考えたことがあって、中学生の時に見た目が派手と言われ始めて男友達と一緒にいるだけで遊んでると思われるとか、些細なことだったんですけど当時すごく嫌だったみたいです。挨拶のハグは平気だったりするんですけど人に触れるってことに対して責任感があって、そんな考え方だと心の距離もなかなか縮まらないですよね。仕事仲間のスタッフたちは最高のクリエイションを常に考えられる戦友ではあるけど、その人の前で心の鎧を外して話せるかって言ったら難しくて、だから友達作りは未だに課題です。

6. 「演技(表現)」が心を豊かにしてくれた

演技のお仕事してなかったら、もっともっと狭い世界で生きてたと思います。あれを綺麗だと思えない心は嫌だなとか、そんなこと考えなかった。自分とまた違う人の人生を深く掘り下げていく過程でいろんな人の心を知る、いろんな人の捉え方のパターンを知る。それでやっぱり心が豊かになれたと思います。その反面、自分と向き合う時間を忘れると自分がわからなくなるっていうのは嘘じゃなくて、自分が空っぽになってしまうかもしれないってそのリスクを頭では分かってるけどやっちゃうんですよね。

7. 「映画監督」は自分が見たいもののために

全然脳みそが違うんですけど、自分の見たいものがあってそれを提案していくのが監督。すごくシンプルな作業なんですがなぜか孤独な瞬間が多いです。役者は立ち止まる美しさみたいなものがあるんですが監督は決定権を自分が持っているからこそ、不安になる時間があったら進みます。いかに役者たちに寄り添ってベストのお芝居をしてもらうか、どうしたら自分の理想を役者に伝えてあげられるんだろうとか。素敵な作品を撮るために我が身を動かすって感じで、それがすごく気持ちよかったです。

8. 巣立ち命が吹き込まれる「作品」

『夏、至るころ』は福岡の田川市という町のお話で、すごく静かな場所なんですけど井上陽水さんやIKKOさん、バカリズムさんを輩出している町で野心を持っている人が多い印象でした。”たぎり”という有名な和太鼓のチームがいたり、和太鼓の低い音が似合う町だなと思ってテーマを和太鼓にしています。エモーショナルな作品にしてほしいと言われたので、脚本家を立てて私は役者の良い顔を撮ることに徹しました。映画を作るときって、巣立つっていう感覚の共通認識がある気がしていて、公開するのは私もすごく楽しみですが寂しさも感じます。だけど観てもらわないと映画事態に命が吹き込まれないので、たくさんの人に観ていただきたいです。

9. 「制作」は衝動を残すための手段

言われなくても勝手にやってること。子供のときに大人が子供に対して忘れちゃったって言っているのがすごく悲しかったのを覚えていて。感動する瞬間っていっぱいあったし、そのうわ~って高ぶっている瞬間を簡単に覚えていないって言える大人にすごく恐怖心を抱いて、今はとにかく自分だけにでもいいから伝わるように言葉にしたり、絵にしたり、音にしたり、あらゆる形で衝動を残すようにしています。そういう風に趣味から始まって、好きが仕事になってるから一番幸せですよね。好きなことを仕事にするかしないかって話がありますが、それは私にとって音楽でした。だから今だに踏み込めていなくて、何年も自分が立ち止まっている状況です。

10. 「夢」を語るよりも努力する

細かい夢や目標はたくさんあるんですけど、小さいときからそれを口にするのがすごく怖くて。映画のセリフを自分で書いててその自分の意識に気付いたんですけど、口から出すとすごく遠いところに落ちて行きそうな感じがして、あんまり人に目標とか言ってこなかったんです。でも映画を作りたいっていうのは勇気を出して言ったから叶ったことで。言うことも大事だなと思いつつ、細かすぎる目標を言うよりも叶えるために努力します。映画監督の次に叶えたい夢は…お芝居頑張ります!


出演情報:

Netflixオリジナルシリーズ『FOLLOWERS』
監督:蜷川実花
出演:中谷美紀、池田エライザ、夏木マリ、板谷由夏、コムアイ、金子ノブアキ、上杉柊平、ゆうたろう他
公開日:2020年初頭にNetflixで独占配信予定

https://www.netflix.com/

映画『夏、至るころ』
監督:池田エライザ
主演:倉悠貴、石内呂依、さいとうなり、高良健吾、安部賢一、杉野希妃、リリー・フランキー、原日出子、大塚まさじ他
公開日:2020年夏公開予定

https://twitter.com/natsuitarukoro

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