絵文字の中の女性たち

ジェンダーへの先入観に満ちた絵文字の改善に、Googleが挑む。

by Hannah Ongley
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17 May 2016, 12:23pm

「世の中には人の数より絵文字の数のほうが多いのではないか」−−そう思わせられるときがある。絵文字の国際標準を司るユニコード(Unicode)が提供している絵文字にはフェイシャルマッサージが1個に、悪魔の顔が4個、電車においては12種類(!)も用意されている。現在は、キム・カーダシアンの絵文字であるキモジ(Kimoji)、アンバー・ローズの絵文字であるムヴァモジ(MuvaMoji)、ブラック・チャイナの絵文字チャイモジ(ChyMoji)などまで登場しており、フォーチュンクッキーから乳首隠しのモザイクまで様々な絵文字が出回っている。しかし、男性の絵文字には警察からバッキンガム宮殿の守衛まである一方、女性のキャラクターは依然として"お姫様"や"セクシーなサルサダンサーなど、古臭いジェンダーロールにとどまった女性像しか表現できていない。アンバー・ローズのムヴァモジが女性看護師を打ち出して公正を図っているように思えなくもないが、これはジェンダーの多様性に欠くユニコードへの問題提起というよりも、元カレであるカニエ・ウェストのフェチを露呈しているだけだ。

職員の70%が男性というGoogleが、このような偏った現状を打破すべく動く最初の企業となるなど、誰が予想しただろう? この巨大テク企業は、昨日発表した要請書で、男性中心の絵文字のあり方を変えるようユニコードに提言している:「男女の仕事を幅広く扱った新しい絵文字を作ろうというのが我々の提案です。そうすることで女性の仕事の多様性を明らかにし、世界中の女性を後押しできると考えています」。また、Googleは13の具体的な絵文字もその中で提案している。「これは、若い女性(絵文字を最も頻繁に利用するユーザー層)に自信を与え、また世界で女性が果たしている中枢的な役割を反映したものとなると信じています」。これらが新たに追加されれば、女性のユーザーは医者やエンジニア、シェフ、教師、ロックスターなどの絵文字を利用できるようになる。

ジェンダーの多様性を持つ絵文字は、文字よりも楽しい絵を好む女性シェフだけの関心ごとではない。今年初旬に発表された報告書では、調査に参加した女性の54%が既存の女性絵文字に「ステレオタイプである」という印象を抱いており、75%が「女性がより先進的に描かれている絵文字の導入を望んでいる」と答え、67%が「既存の絵文字では女性の可能性が限られているように感じる」と答えている。ユニコードが打ち出してきたジェンダーへの先入観に対し、Googleが戦いを挑んだのはこれが初めてではない。今年2月には、今回の要請をまとめたマーク・デイヴィス(Mark Davis)がジェンダーの流動性を反映した絵文字を導入しようとキャンペーンを始めた。同志とは、不意に現れるものだ。

unicode.org

Credits


Text Hannah Ongley
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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