素敵な音楽を作り出すスケーター、コスモ・パイク

This article was originally published by i-D US.
コスモ・パイク(Cosmo Pyke)は、クリエイティブ・シーンで急激にその存在感を強めている。スケーター、モデル、そしてミュージシャンでもある彼は、ミレニアル世代らしく興味のあるものはすべて試さずにいられない。彼にスプレー缶を渡せば傑作グラフィティを作り出してくれる、けれど彼がもっとも情熱を注いでいるのは音楽だ。ペッカムに生まれ育ったパイクは生粋のサウス・ロンドンっ子だ。多様な文化が混在するサウス・ロンドンに育ったからこそのソウルフルなサウンドは、彼のカラフルな日常を垣間見させてくれる。ビデオもまた素晴らしい。お祖母さんの家で撮ったという『Social Sites』、パイクが自転車で地元を流し、友達と遊ぶさまが見える『Chronic Sunshine』など、どれも彼の世界に溢れている。セルフィーで広告収入を得ることをなんとも思わない若きクリエイティブたちのニューウェーブにあって、パイクは異色の存在感だ。
あなたがやっていることは何なのでしょう?そしてなぜそれをやっているのですか?
僕は、自分の生活と、今という時を記録していくために音楽をやっている。20年後にはおそらく忘れてしまっているから!写真のようなものとして音楽を作っているんだ
あなたのバックグラウンドは、今のあなたという存在を形づくるうえでどう作用しましたか?
>言えることといったら両親が20年前にペッカムに引っ越して、そこで僕と兄が生まれたっていうだけだよ。僕が生まれてからというもの、ペッカムは悪い方向に変化を続けてきた。不動産会社が次から次へとオフィスを構え、必要ないコーヒーショップがそこらじゅうに作られてる。ジャマイカ系イギリス人であるという自分のバックグラウンドは、いまイギリスで死にゆこうとしている多文化主義について、僕に強く認識させてくれた。僕が愛し、今もサウス・ロンドンに脈々と存在し続けている多文化主義をね。
あなたをインスパイアしてやまない人や物は?
僕の家族、僕の友達、この人生、そしてこの人生で起こるすべてのこと。
あなたの世界観を言葉で言い表すなら?
「ゆるい」かな。
『Social Sites』や『Chronic Sunshine』のビデオについて教えてください。
『Social Sites』は、アナログのBolexカメラを使って祖母の家で撮ったんだ。Bolexが作り出す映像が好きでね。映像は、ルーベン・バスティエンヌ・ルイス、エイミー・ダグラス・モリス、パドレイグ・モリッシーが撮影したから、専門的なことは彼らに聞いて!「Chronic Sunshine」では、より自分というものを捉えようと思った。だからデジタルカメラを使って、地元を自転車で流す僕を撮影したんだ。
現在のクリエイティブ業界についてどう感じますか?
若者について言うなら、今のクリエイティブ業界は腐ってると思う。若者誰もがInstagramに夢中になってるわけじゃない。僕みたいにクリエイティブな活躍をしている若者もいるし、バカみたいなファッション関係のパーティでコネを広げようとしないから表現の場がないだけの、でも才能溢れるひとたちが、僕のチームにもロンドン南東部にもたくさんいる。エリオット・ロング、エズラ・ロイド・ジャクソン、タラ・リリー・バルア、ほかにもたくさんのクリエイティブな若者がね。
4単語で、あなたの世代を言い表してください。
「アイコニック」、「優しい」、「感情豊か」、「誤解されている」。
次の計画は?
次は、これまでとまったく違う何かをやる。
未来にかける希望は?
シンガー・ソングライターとして成功すること。そして想像もしなかったような世界を見ること。
Credits
Text Tish Weinstock
Photography Reuben Bastienne-Lewis
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc