フェミニズムSFカルト映画『ボーン・イン・フレイムズ』は日本初上映! 「3月女性史月間特集 Kawasaki FEMINIST FILM MONTH」開催

三週間にわたってアニエス・ヴァルダとマヤ・デレン、アメリカ・インディペンデント映画の特集が開催される。フェミニズムの視点からディストピアを描いたリジー・ボーデン監督の『ボーン・イン・フレイムズ』は日本初公開!

by RIE TSUKINAGA
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19 February 2019, 7:44am

Image Courtesy of Lizzie Borden and Anthology Film Archives, New York. Distributed by Cinenova.

3月8日の「国際女性デー」を祝した特集上映「3月女性史月間特集 Kawasaki FEMINIST FILM MONTH」が、川崎市民ミュージアム映像ホールにて3月2日(土)より開催。日本未公開のフェミニズムSFカルト映画を含む全12作品を上映し、映画史において豊かな映画表現を追求してきた女性作家を3つの特集に分けて紹介する。

特集1で取り上げるのは、ダンスや文化人類学的観点から映像表現を切り拓き、アメリカ実験映画に大きな影響を与えたマヤ・デレン(1917〜61)。26歳で制作した傑作『午後の網目』(1943)をはじめとするデレンの全映画作品のほか、謎に包まれた彼女の人生をひもとくドキュメンタリー『鏡の中のマヤ・デレン』(2001)を上映する。

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『マヤ・デレン 全映画』©Re:Voir Video
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『鏡の中のマヤ・デレン』/In the Mirror of Maya Deren ©2001 Navigator Film

特集2では、「アメリカ・インディペンデント映画特集」と題し、2人の女性作家による2作品を紹介。まずは、ポストモダン・ダンスの第一人者でもある、振付家・ダンサー・映画監督のイヴォンヌ・レイナー(1934〜)の『特権』(1990)。レイナーが、女性の更年期をテーマに社会における諸問題を描き出した実験的作品で、2017年の恵比寿映像祭でも上映された。

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『特権』/Privilege 提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭

もう1作品は、リジー・ボーデン(1958〜)の近未来フェミニズム・ファンタジー『ボーン・イン・フレイムズ』(1983)。これは、ディストピアと化した近未来のニューヨークを舞台に、マイノリティの権利のために立ち上がる女たちの姿をドキュメンタリータッチで描いたSFカルト映画。社会民主主義による革命後、退廃的な雰囲気が流れるニューヨークで、海賊ラジオDJを中心に女性たちが連帯し人種差別や性差別などの抑圧と戦いはじめる。

リジー・ボーデンは、『ワーキング・ガールズ』(86)『ラブ・クライム』(92)など、女性の性や欲望をフェミニズム的視から描いた意欲作を発表してきた監督。『ボーン・イン・フレイムズ』には、映画監督のキャスリン・ビグローや、活動家で人権派弁護士のフローリンス・ケネディらが出演、2016年にアンソロジー・フィルム・アーカイブスによるレストア版がニューヨークで上映され、大きな反響を引き起こした。日本ではこれが初公開となる。17日(日)の本作上映後には、斉藤綾子(明治学院大学文学部教授)氏によるフェミニズム映画講座も開催される。

特集3では、ヌーヴェルヴァーグを先導し現在まで常に独自の視点で映画をつくり続けてきたアニエス・ヴァルダ(1928〜)の、60年代の初期作から後期の名作まで3作品を紹介。女性映画作家の先駆的存在であり、先日のベルリン国際映画祭で自身の集大成となる最新作を発表したヴァルダの、映画作家としての歩みをたどる。

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『ジャック・ドゥミの少年期』©ciné tamaris 1990

「3月女性史月間特集 Kawasaki FEMINIST FILM MONTH」は、4人の女性映画作家たちの貴重な作品群を手がかりに、映像表現の豊かさと可能性を発見する3週間となるだろう。


■上映作品
【マヤ・デレン特集】
・[マヤ・デレン全映画作品(6作品)]
・『鏡の中のマヤ・デレン』
【アメリカ・インディペンデント映画特集】
・『ボーン・イン・フレイムズ』リジー・ボーデン監督★ 日本初公開
・『特権』イヴォンヌ・レイナー監督
【アニエス・ヴァルダ特集】
・『5時から7時までのクレオ』
・『幸福(しあわせ)』
・『ジャック・ドゥミの少年期』

■関連イベント
[フェミニズム映画講座]
日時:3月17日(日)『ボーン・イン・フレイムズ』上映後
講師:斉藤綾子(明治学院大学文学部教授)

■期間:2019.3.2[土]~3.24[日]※ただし、3.9[土]、3.10[日]休映
上映日:3.2(土)・3(日)・16(土)・17(日)・23(土)・24(日)
■会場:川崎市市民ミュージアム 映像ホール(川崎市中原区等々力1-2)
■入場料金(1作品につき):一般600円、65歳以上・大学生・高校生500円、小中学生400円
(※未就学児、障害者手帳等をお持ちの方及びその介護者無料)
■公式 HP https://www.kawasaki-museum.jp