ティモシー・シャラメをアートに変えるInstagramアカウント

彼がナショナル・ポートレート・ギャラリーを飾るはいつのことになるだろう?

by Annie Lord; translated by Aya Takatsu
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aug 10 2018, 6:33am

ティモシー・シャラメは憧れの存在だ。あのダークでミステリアスな瞳と、不器用な微笑み。脚と脚が触れ合っても、彼は冷静そのもので、こちらだけが鳥肌を立ててしまうような————電車でサルトルを読んでいる男性。それこそが彼なのである。またはいつもオマケしてくれるパン屋の美少年とか。もし現実世界で彼に会ったら、私たちの頬は真っ赤に染まり、顔はひきつり笑いで痛くなってしまうに違いない。

彼は芸術作品であり、アート史にその名を刻むにふさわしい人物だ。生まれながらにその権利を持っていると言える。だからInstagramのアカウント @chalametinart が、彼の顔をデジタル加工してギュスターヴ・クールベのあえぐようなポートレイトや、ミケランジェロのエロティックな石像にはめ込んでいるのを見ると正直なところホッとするのだ。「ティモシー・シャラメは、ダ・ヴィンチの時代からアーティストたちをインスパイアし続けてきた」と、このアカウントは正確に証明してみせた。マリー・アントワネットの豪華な赤いガウンや、赤ワインが盛り上げるルノワールのラグジュアリーなピクニックにその身を寄せる彼は、心からくつろいでいるように見えるのだ。

ティモシーのファンが彼を異なるシナリオ上に呼び込んだのは、これが初めてのことではない。あるInstagramユーザーは『君の名前で僕を呼んで』でティモシーが演じたエリオとその恋人オリヴァーをレゴ人形に変え、またある者は顔を真っ赤にしたふたりをマンガ風に描き、またほかの者はこのカップルを静かなロマンティックさを秘めたモネの印象派絵画のなかへと落とし込んでいる。油彩画と風変わりな水彩画にティモシーを配した魅力的な絵画についてもっと知るべく、@chalametinart の中の女性と話してみた。

————どうしてこのアカウントをつくろうと思ったのですか?
あの映画はすごく視覚的で、渦巻くパステルブルーの水やまだらになった石のパティオ、そして風にうねる壮麗な果物の木まで、シーンすべてが印象派の絵画のように見えました。カラヴァッジオの『果物籠を持つ少年』が頭に浮かんで、そこに描かれた少年とティモシーが演じたエリオの共通点に気づかずにいられなかったのです。あの籠の中の桃はほぼ完璧に配置されていました。

————なぜティモシー・シャラメだったのでしょうか。
彼はとてもルネッサンス的な男性で、カルチャー、とりわけ映画と演劇に対して熱い情熱を持っています。それにフランス語とドイツ語が話せて、ピアノとギターも弾ける。いつもレオナルド・ディカプリオと比較される意味がわかりません。ティモシーのほうがずっといいのに。

————自分が加工した中でお気に入りの作品は? そしてそれはなぜですか?
ベラスケスの『女官たち(ラス・メニーナス)』は讃えられるにふさわしいと思います。にやりと笑った表情ときちんとしたポーズで、ティモシーは美しく絵画に溶け込んでいるのです。

————ファインアートとポップカルチャーを並べようと思ったのはなぜですか?
くだらないものと、高く評価されているものとを調和させるのが大好きなんです。Instagramアカウント @radioshead がそれを巧みにやってのけています。パールのイヤリングをなくして口をあんぐりと開け、水から出てくるキム・カーダシアンも、シルキーなベッドシーツの中でくつろぐ美しいラファエル前派の作品も、理屈抜きにリアクションを起こさせます。そのリアクションの理由は私にとって関係ありません。絵画にティモシーを入れることによって、こうした絵画作品はもっと身近なものになります。ただ人がこれを見て笑ったことでこの画像がバズったからという理由でも、です。

This article originally appeared on i-D UK.