ベティ・パーソンズの作品がルイ・ヴィトンのコレクションに加わった

ニューヨークのメゾンでディスプレイ中のコレクションに加わったのは、ベティ・パーソンズの作品「African Dawn, 1972」だった。

by Christina Cacouris
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24 November 2017, 9:29am

ニューヨークにあるLouis Vuittonのメゾンにブランドのアーティスティック・ディレクター、ニコラ・ジェスキエールがデザインした美しい服に加えて、実物より大きなジェフ・クーンズの彫刻作品や草間彌生がデザインした花など、一流のアートが展示されている。そして現在このメゾンのコレクションに新たな作品が仲間入りした。アーティストでギャラリストのベティ・パーソンズの絵画である。

「African Dawn, 1972」と名付けられたその絵画は5番街にあるこのメゾンの内装を手掛けたピーター・マリノによってその場所に持ち込まれた。2017年11月9日にパーソンズ財団の代表であるアレキサンダー・グレイ(Alexander Gray)とジャーナリストのリンゼイ・ポロックを交えて行われたパネルディスカッションで、マリノはこの絵画をグレイのギャラリーで見つけたときを回想した。「腰が抜けるほど美し」かったと。彼はそのときパリのヴァンドーム広場に新しくできるLouis Vuittonメゾンのためのアート作品を探していたのだが、ニューヨークのメゾン(偶然にもパーソンズのオリジナル・ギャラリーからすぐの場所)のほうががこの絵にはいいだろうと主張したのだった。

Betty Parsons, "African Dawn, 1972." Courtesy of Alexander Gray Associates.

パーソンズはアメリカ人アーティストだが、かなり長い期間パリで暮らしているため、彼女の作品は大西洋を越えた場所にあるこのブランドにはうってつけの人物だったのだ(もともとLouis Vuittonはトランクでその名を知られるようになったのだから)。グレイの言葉を借りれば「女性のステレオタイプを引き裂き、それをキャンバスに落とし込んだ彼女」は、女性アーティスト、そして自身のギャラリーで作品を扱っていた有色人種のアーティストたちへのナラティブを変えたのだった。「African Dawn」の購入にあたりLouis Vuittonはクーンズや草間のように著名ではないアーティストに光を当てることになった。だがその作品は、とりわけ女性アーティストの歴史をひも解く上で同じくらい重要なのだ。

10代のころに家出をしたパーソンズは1913年のアーモリーショーに向かった。デュシャンが「階段を降りる裸体」を初めて発表し、アメリカのモダニズムの夜明けを告げた展覧会である。抽象表現主義者であるパーソンズは自身のギャラリーでバーネット・ニューマンの初個展を開いたほか、マーク・ロスコ、エルスワース・ケリー、ロバート・ラウシェンバーグらのデビュー当時の作品も扱っていたのだ。

明るい黄緑色に彩られたベースに明るいオレンジで縁取られたブルー、ブラウン、ピンクの波が描かれた彼女の抽象画が、メゾンのインテリアを引き立てる。パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンに行くことがかなわない人たちにとって、このメゾンとギャラリーを兼ねたスペースは、目立たなくはあるが、同ブランドの深みを増しつつある素晴らしいコレクションによりアクセスしやすい場所になっている。草間の作品を見るのに、5時間も列に並ぶ必要はもうない。いつでもLouis Vuittonに行けばいいのだから。

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