GYAKUSOU 菊乃が語る、トレイルランニングとその未知の高揚感

高橋盾が率いるGYAKUSOU2019秋コレクションのテーマは「トレイルランニング」。PURPLE THINGSデザイナーの菊乃が、自身初となるトレイルランを体験した。街ランとの違い、トレイルランの高揚感、クリエイションと走ることとの関係を探る。

by Hiroyoshi Tomite; photos by Houmi Sakata
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10 October 2019, 7:00am

走ることは自分の五感を研ぎ澄まし、内なる声に耳を傾ける行為だ。街の中を走り、周りの景色や町並みに意識を向けることは意識や感覚のバランスを整えるのにふさわしい。では、舗装されていない山道を走ることでどんな感覚を得るものなのだろうか。

「走ることが生きることの中に自然と組み込まれている」そう語るのはPURPLE THINGSでデザイナーを務める菊乃。UNDERCOVERの高橋盾が率いるランニングチーム「GIRA」メンバーとも一緒にランニングを楽しんでいる。

菊乃は今回、初めてのトレイルランに挑戦した。トレイルとは「舗装されていない路」のことで、森林や山岳を走るのがトレイルランニングだ。彼女が走ったのは、緑が生い茂る葉山のとある山道。往復7kmをさらっと完走してみせた。

GYAKUSOU, 菊乃, アンダーカバー, ナイキ
GYAKUSOU, 菊乃, アンダーカバー, ナイキ

山道の匂い、見るかぎりの万緑、自分の呼吸音、足の裏で感じる土の感触、「いまここ」を感じながら五感を自然に解放する。これまで街でしか走ったことがないという菊乃は、トレイルランを経て何を思ったのか。一日の体験後、ランニングのあり方とクリエイションと走ることとの関係性、ひいては本人のこれからの生き方についてまで話が及んだ。

━━菊乃さんは普段から街ランをされていますよね。ランニングを始めてから、何かが変わったと感じることはありましたか?

菊乃:劇的に何かが変わることはないと思います。ただ自分自身に意識を向けるやり方を学んだり、自分を客観視する力だったり、自分をプッシュする力は走っていて身についたと思いますね。走ってる人は割とそういう考え方の人が多いと思います。普段私もタイムを気にして走ってないし、大会出たり、早く走ろうとか距離を伸ばそうとはあまり思ってないんですけど。そういう人でも割と芯がしっかりしてる人が多いイメージはあります。

菊乃, GYAKUSOU,

━━初めてのトレイルラン、走ってみてどうでしたか?

菊乃:私は「自然」も「走ること」も好きなので、このふたつって最強なんじゃない?っていう感じはありましたね。気持ちよかったです。街のランニングでは呼吸を気持ちいいと感じることはないけど、自然の中だと空気が美味しくて、思いっきり深呼吸しながら走れました。

━━トレイルランを体験してみて、街ランとの違いはありましたか?

菊乃:普通は走れば走るほど疲れるものですが、終わりに近づくにつれて身体の調子がよくなっていって、もう少し走れそうだという意識になりました。まだ経験が浅いのでわからないですが、いわゆる「ゾーン(説明し難い穏やかな時間)」というのはこの感覚かもしれないなと。このシューズが安定して、地面をしっかりグリップできて足の裏で踏み締めてる感覚を得られたことも影響しているかもしれないですね。

菊乃, GYAKUSOU,

菊乃:今まで自分の走ってる環境では自分の呼吸と足音以外は聞こえないという状況を味わったことがなかったので、そこにストレスを感じたことはなかったんですよ。でも、そういうノイズがないとこんなにも気持ちいいのかと思いました。

━━トレイルランってかなりハードな印象がありますが。

菊乃:私もハードルは感じていましたが、今日走っているうちに「トレイルランは絶対自分のプラスになる」と確信しました。結構ハマりそうだなと。普段から緑があるところで息をした方が気持ちがいいみたいな感覚を得ますし、逆に街で走る気持ちよさをどこに見出したらいいのかわからなくなるのかもしれないですね。東京生まれ、東京育ちなのですが、自然の多いエリアに拠点を置くのもありかもしれないと真面目に考えてしまいそうです。

GYAKUSOU, 菊乃, アンダーカバー, ナイキ
GYAKUSOU, 菊乃, アンダーカバー, ナイキ

━━走ることとクリエイションの関係についても聞かせてください。菊乃さんの場合、服のアイデアはどういった環境から出てくるんですか?

菊乃:アイデアは日常の中から得ることも多いんですけど、集中して作業するときは一日かけて試行錯誤しながらデザインやグラフィックを作ることが多くて。そういう意味で必要なのは、本当に静かで自分と向き合える空間です。次のグラフィックをこの日までに完成させると決めたら、その3日前くらいから集中してやってるのが多いですね。

━━その3日間は部屋にこもりっぱなしですか? ランニングもせず?

菊乃:一日じゅう座りっぱなしで作業するのが得意じゃないので、必ずどこかのタイミングで走ります。気分転換に走るときもあれば、一回動きたいなと思って走り出すときも。
3日間は誰とも会わないですし、外でご飯を食べることもしない。友達と合うと集中した感覚が途切れちゃう感じがして。しかも一回途切れちゃったものってなかなか戻ってこない。そういう時期にもランニングは意識のスイッチングをしてバランスを整える上でちょうど良いんです。

GYAKUSOU, 菊乃, アンダーカバー, ナイキ
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