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sulvam 17AW 東京からの卒業

ゲストデザイナーとして招かれた先日のピッティ・ウオモでも成功を収めたsulvam が東京で最後となるランウェイショーを行なった。

Yuuji Ozeki

DHLデザイナーアワードに選出され、今シーズンは一足早くピッティ・ウオモでのランウェイショーを行ったsulvam だが、今回は東京ファッションウィーク期間中にも小規模のコレクション発表を行った。普段テーマを設けないこのブランドが今回は敢えて"MY THANKS TO"をメッセージテーマを掲げた。本格的な海外進出を目前に控え、これまで東京でお世話になった人達への恩返しをしたいというデザイナー藤田 哲平の心意気が窺える。出てきた服はピッティ・ウオモで発表したコレクションと同じではあるものの、着用するモデルや演出に変化を持たせることで違った表情を見せてくれた。また、今回は原宿・ユナイテッドアローズ内のイベントスペースを会場にした小規模なコレクションとなった。出演モデルやブランドの近親者たちも呼び寄せ、いつも挑戦的なスタンスのsulvam にしては幾分アットホームな雰囲気が漂う。

ショー終了後、藤田は「ショーを開催するにしても東京ではバイヤーが集まらない。規模が全く違います、やはりパリに行かないとビジネスとして成り立たない。それに日本は全てトップダウン方式で、上下関係を重視する社会性が浸透していて、これはファッションにとっては足枷だと思います。例えば、ショーに出てきたウール100%の迷彩柄テキスタイル、これを作る為に相当頑張ったのですが、ピッティ・ウオモではルイヴィトンのCEOが来て、テキスタイルだけを見て評価してくれるんです。海外だと身分関係なく布地を通して"対話"ができるけど、国内ではまだまだですね。」と語ってくれた。この先、海外で継続的にコレクションを発表していく中では幾多の洗礼が待ち受けているだろう。しかし藤田が日本に戻ってくることがあるとすれば、それは東京に十分なビジネス環境が醸成されたという理由以外は考えられないということだ。

Credits


Photography Ginjiro Uemura
Text Yuuji Ozeki