anne sofie madsen spring/summer 2017 at tokyo fashion week

ポジティブな失敗の向こうには成功が待っていると思える、足し算の美学が新鮮に映ったコレクション。

by i-D Staff
|
21 October 2016, 4:32am

アレキサンダー・マックイーンとジョン・ガリアーノ――90年代のファッション史において双璧をなした彼らの元でキャリアを積んだデザイナー、アン・ソフィー・マドセンの作る服は、偉大なる師が得意とした近世ヨーロッパ史の服装とスペクタクルで前時代的な要素を共に継承しつつ、そこに北欧の風を吹かせることで新たなスタイルを確立させている。ショー冒頭に登場したアウトドア風のレインポンチョに見られる、ありそうでなかった独特の空気感がDHLアワードの受賞に至った所以ではないだろうか。立ち位置としてはコーヒーでいうところのセカンド/サードウェーブのちょうど間ぐらいに位置しているイメージだろうか。

コートやジャケットの上に裁断したままのパターンを身頃本体にガムテープで貼り付けたり、あるいは縫い付けてしまうことで、ちょっぴり間抜けな雰囲気を漂わせていた。彼女によると今回のテーマは「失敗」だという。「でもそれはポジティブな失敗です。ロックスターのステージ衣装やビジネスマンのスーツなどの"正装"に、ネガティブだけどチャーミングな要素をプラスすることで、前向きなものへとアレンジしたかった」。失敗を恐れる余り、はじめの一歩が踏み出せなくなってはいないか?失敗の数だけ人は成長できる、その過程さえも楽しみながら前へと突き進んでいこうとする意志が大事になんだと我々に優しく語りかけている。

Credits


Text Yuuji Ozeki
Photography Takao Iwasawa