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創刊10周年『Fantastic Man』が選ぶ、ファンタスティックな10人

スタイルが際立つ10人の男たちと一緒に『Fantastic Man』の創刊10周年を祝おう。

by James Anderson
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07 April 2016, 10:15am

ゲルト・ヨンカースとヨップ・ヴァン・ベネコムが10年前に創刊した『Fantastic Man』誌は、"スーツ"、"車"、"エクササイズ"といった代わり映えのしない内容ばかりになっていた雑誌の世界に、ウィットに富んだ独自の手法を持ち込んだ。商品の宣伝に起用される最新の男性セレブには目もくれず、本当に注目すべき人物を厳選してスポットを当てる−−その中には著名人もいれば、そうでない者もいる。共通しているのはそれぞれが語るべき内容と味わうべきスタイルを持ち、注目に値する人物であるということだ。
同誌の10周年を記念して、『Fantastic Man: Men of Great Style and Substance』が2015年10月に出版された。これまで登場した人物から厳選した69人をフィーチャーしているが、フォロワーの絶えない『Fantastic Man』の美意識をさらに強調したものになっている。編集長ゲルト・ヨンカースは、i-Dへの単独インタビューで、特にファンタスティックな生き方をしていると思う10人をピックアップし、紹介してくれた。

オリー・エドワーズ
「当時のトップモデルの1人で、表紙を飾ってもらったこともある。彼はイギリス人なんだけど、とてもアメリカンな顔立ちをしているんだ。ケネディみたいなアゴをしてると思わない? 一言でいえば、ラルフ・ローレン的な紳士。車好きのナイスガイさ」

クロード・モンタナ
「彼の話にはいつも引き込まれる。それは成功と挫折を何度も経験しているからこそだろうね。全盛期だった80年代の輝きを知らない者はいない。パリの街角で2回くらい彼を見かけたけど、まるでグレタ・ガルボかマドンナでも見つけたみたいに、背筋がゾクゾクしたのを覚えてる。2、3年前にもパリを自転車で走っていたときにクロードが道に佇んでいるを見かけたことがあった。引き返して写真をお願いしようと思ったけどもう居なくて、10分探しても見つからなかったんだ」

カルロ・アントネッリ
「個人的に大好きな人だね。社交的で、魅力に溢れているんだ。僕が雑誌を作っていたときは、彼は『Wired』の編集長だったかな。初めて会ったときからすぐに憧れの的になった。誰かを見てわくわくさせられるのが『Fantastic Man』の役目だ。肩書は関係ない。農家でも、チーズ職人でも、デザイナーでもね。ドレスアップもお手のもので、カールのかかった髪を無雑作にスタイリングして、大きなモップみたいな頭をしてたのが印象に残ってる」

ヘルムート・ラング
「義務感に左右されることなく、本当に自分のやりたいことだけをやる人。まず、アートを第二のキャリアにできる人間はまずいないよね。作家が絵画や彫刻を始めるケースはたまにあるけど、彼はファッションデザイナーからアーティストへと華麗に転身した。内にこもるタイプのデザイナーだと思われがちだけど、裸で地面に横たわった彼をブルース・ウェーバーに撮ってもらうという企画を喜んでやってくれたよ」

フランチェスコ・ベェッツォーリ
「彼は誰にも止められない。人々を驚かし続ける生粋のアーティストだ。アートならたくさん見てきたと自負していても、彼はまったく違うものをしかけてくる。素晴らしいもの同士をめちゃくちゃにミックスするのが彼のやり方だ。ミラノで一緒にディナーをしたとき、出されたものをすべて突き返したのは最高だった(笑)。こだわりが強くてね、蒸した白身魚に味噌を乗せたものを一切れだけ欲しいと言ったのに、どんどん他のものが出てきたのが癪に障ったらしい……。それが彼の良いところなんだけどね」

マルコム・マクラーレン
「まさに人を楽しませるために生まれてきた男だよ! プライベートでも、プロとしても、エンターテイナーの名にふさわしい。僕とヨップは共通の知人を通じて彼と知り合った。話好きなのはすぐにわかった。何年か経って、アムステルダムに来たときにディナーに招待してくれたんだ。話をするときにはテーマを決めたがる男で、その時のテーマは"アートとは、新しいロックである"というものだった。話をしている最中に、同じレストランで会食中だったイタリアの80年代ポップスターのズッケロが挨拶に来きて、彼に1986年に会ったと伝えてた。少し話をしてズッケロが立ち去った後、マルコムはひと息入れることもなく、話が途切れたまさにその箇所に戻って話し続けていたよ」

ヴォルフガング・ティルマンス
「一切無駄口をきかず、静かに自分の仕事をする男。パッと魔法をかけ、モノをヴォルフガング的してしまうんだ。彼はベルリンに美しいギャラリーを持っていて、そこで素晴らしい展示をしている。DJとしてもすこぶる優秀なんだ。ちょっと意外でしょ? とても寛大で、聞き上手で、的確に大事なことを伝えてくれる。彼が表紙を飾った号は、かなり長いあいだ最多販売数を誇っていた。デビッド・ベッカムの号より売れたんだ」

ティム・ブランクス
「彼はファッションの哲学者だ。将来、ファッション界が彼をどう評価することになのか気になるところだね。彼の真価はまだ充分理解されていないんだ。服装に関しては派手好きで、華やかなシャツが好みのようだね。きっと目立つからだろう。自分のスタイルを持つのは良いことだ。彼は本当に人柄がよくて大好きだよ」

レム・コールハース
「私と同じオランダ人というだけで、この本に収録する理由としては十分。もちろん素晴らしい建築家なんだけどね。50歳を越えるまで何も建てたことがない建築家の典型って気がする。大勢の人に信用されるのには時間がかかるよ。彼のアプローチは魅力的かつ複雑だしね。建物の図面をただ描くのではなく、膨大な調査に基づいた独特で美しい仕事をするんだ。イタリアのプラダ財団の文化施設を見てごらんよ。あの仕事は本当に素晴らしい。他のギャラリーや美術館はいてもたってもいられない気持ちだったろうね。彼は性格もよくフレンドリーな男だ。そして、極めて圧倒的な存在感がある。近くにいればパワーを感じられる。グレイソン・ペリーやトム・フォードのような人物から感じるのと同じパワーだ」

オクウィ・エンヴェゾー
「彼は紳士であり、優れたキュレーターでありディレクターだ。2015年のベネチア・ビエンナーレを手がけ、ミュンヘンにある美術館のディレクターも務めてる。初めて会ったのはサビル・ロウにあるキルガーの仕立て屋。彼についての記事を掲載した後だった。素晴らしいと断言できるキュレーターは少ないから、彼には取り上げる価値があると思ったんだ」

Fantastic Man: Men of Great Style and Substance』はPhaidonから発売中。

Credits


Text James Anderson

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