ファレルとAdidasと「桃色ビーチ」

ファレル・ウィリアムスが手掛けたAdidas Originalsとの新たなコラボレーション。そのイメージフィルムで地上の楽園を見せてくれる映像作家、ロブ・カサビアンに話を聞いた。

by Hannah Ongley
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09 June 2016, 9:09am

ファレル・ウィリアムスとAdidas Originalsが、カプセルコレクション「ピンク・ビーチ」を発表した。大きな期待が寄せられていたこのコレクションは、ウェストハリウッドのスタジオThe Lot内に特設されたポップアップビーチでお披露目となった。テーマは「ドリームランド」。VIPパーティにはDJキャレド、ビッグ・ショーン、エイサップ・ロッキー、ジェネイ・アイコ、タイラー・ザ・クリエイターとスケートボードPなど、豪華な面々が祝福に駆けつけた。しかし、この活気みなぎるコレクションの魅力を伝えるために準備されたのは、ローンチパーティだけではなかった。数ヶ月前、Adidasお気に入りのビデオアーティストであるロブ・カサビアン(Rob Kassabian)はフロリダ州近海にある秘島へと飛び、ファレルのキャンペーンビデオを撮影していた。美しいモデルたち、遮るものなくまっすぐに伸びる水平線、アップビートなサウンドトラック……そして、キャンディーピンクのビーチ。まるで夢を見ているような気分にさせるビデオだ。

このタイミングでカサビアン本人に、ファレルのヴィジョンを映像化することや、ビーチからホテルへと移動して引き続き行なわれたパーティについてなど、ニューヨークで話を聞いた。

撮影のロケーションはどこなのでしょう?

フロリダの西海岸にある島で撮ったんだよ。たくさんある無人島のひとつで、マルコ島の近くにある防波島なんだ。島で撮影をしていたんだけど、2日目に雨が降ってしまって、そこでしかたなく引き上げてホテルにスタジオを作った。でも結果的にはそれでよかったんだね。特に気に入っているシーンは、モデルがホテルの壁を使ってダンスするシーンだったりするから。

ファレルは、今回のカプセルコレクションのアイデアは"アイランド文化"から膨らんだと明かしています。人知れぬ島で撮影をした理由は、そこに関係しているのでしょうか?

そうだね、ファレルも僕も、どこか無名のビーチってことは念頭に置いていただろうね。僕たちが探していたのは、あの色と綺麗な空だったんだ。例えばハワイとか、押し寄せる波とか、そういうものは求めてなかった。シンプルに格好良く、トロピカルで、綺麗な雲と水平線が伸びている……そんな場所が良かった。服も鮮やかで楽しい色調だし、柄も力強く活気があるしね。だからミニマルな背景で撮影することで、服が引き立つと思ったんだ。

ファレルと作品制作はいかがでしたか? ビデオ制作の経験が豊富なファレルが相手ということで、事前にたくさんの意見交換があったのでしょうか?

撮影に入る前に、内容はほとんど決まっていたんだ。だから、そうだね、ファレルは撮影の前も後も、作品作りに関わっていたよ。ビーチでの撮影こそ参加しなかったけど、彼は全体のプロセスにきちんと関わっている。もちろんビデオに使う曲の選定にもね!

あなたもファレルも、別々ではありますがこれまでAdidasといくつかのプロジェクトを手掛けていますね。Adidas以外でコラボレーションをしてみたいブランドはありますか?

Adidasとコラボレーションをするのはこれで3度目。いつも楽しんでいるよ。去年はY-3とのコラボレーションと、Adidas Originalsとのプロジェクトにもうひとつ関わった。最近ではCOACHとも仕事をしたよ。いつでも面白いことをやっていたいから、常に"違うディレクターと違う仕事を"と思っているんだ。

服を見せる手段として、映像が今でも有力なメディアであるのはなぜなのでしょうか?

映像ではストーリーを見せることができるからだと思う。写真はイメージを伝えるものであって、漠然としたものが許されない。それに対してビデオは、ひとつのストーリーを語るのにいくつもの語り口がある。それが些細なアイデアであってもね。漠然としていてもいい。雰囲気が伝わればいいんだよ。『Pink Beach』はその好例かもしれないね。

Credits


Text Hannah Ongley
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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