快晴のネクスト・レベルへ:soe 18AW

雨や雪が続いたAFWTも、この夜は晴れていた。ウィーク最終日の夜、soeの2018-19年秋冬コレクションのインスターレションが催された。5シーズン目を迎えたウィメンズラインを統合するかたちでロゴも更新。soeは、17年間という時を経て、次なるステージに立つ。

by Tatsuya Yamaguchi; photos by Nobuko Baba
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25 March 2018, 6:06pm

2001年にメンズブランドとして誕生したsoeが、2012年春夏ぶりに東京ファッションウィークに帰って来た。第4回TOKYO FASHION AWARDを受賞したことで、イタリア・フィレンツェで開催される合同展示会PITTI IMAGINE UOMO(今季はゲストデザイナーとしてUNDERCOVERとTAKAHIROMIYASHITAH The Soloist.が合同ショーを発表)に加え、パリ・メンズ・ファッションウィーク中にも出展。AFWT最終日の3月24日は、同賞のWinnwes’ Dayでもあり、受賞ブランドがそれぞれの方法論でプレゼンテーションを行った。

少し驚いた。すでに海外で展示会を開いているメンズラインのsoeに関しては、デザイナーを務めていた伊藤壮一郎が、なんと今季を境にディレクターに就き、彼のもとで10年間働いていたという高木祐基が新しくデザイナーに就任したのだという。2016-17年秋冬に初発表されたウィメンズは、変わらず伊藤壮一郎がデザインするそうだが、明らかなブランド体制の変化でもある。が、この夜の目撃者は、それでもsoeのブランド・アイデンティティーには普遍なものがあると直感したにちがいない。

渋谷ヒカリエ・ホールBに向かって、通路を埋め尽くす行列があった。業界関係者のみならず、どうやらさまざまなタイプのユースたち(いま改めて、東京ファッションキッズには注目すべきだ)は、soeの洋服をその眼で刮目すべしとここに駆けつけたようだ。800人を越すゲストがこの夜のために来場したのだと聞いた。

空間構成は実にシンプルだ。中央のステージで、30名のモデルがアトランダムな多方向に身体を向けて、すっと直立している。ゲストは、そのステージの外周を一方向にそぞろ歩いていく。このミニマルな空間にあってこそ、洋服の“個性”はいかんなく引き立ってみえる。例えば、1995年にマンチェスター・ユナイテッドに所属していたエリック・カントナが相手チームのスポンサーに飛び蹴りをする瞬間を捉えた決定的写真が、コートやスカートにジャカードなどでアイコニックに描かれている——soeのユーモアと潔さの現れだ。そこからの発起かは分からないが、フットサルからのインスパイアは、カラーリングやユニフォームのようなシャツ、マフラータオル風のネックウォーマー、エンブレム刺繍などにも表れている。(昨今ことさら注目を集めている)高機能素材を、おそらくいち早く、ほかの素材と並列に扱ってもいる。一方で、マウンテンウェアとデニム、ウール——もしくはプレーンな質感とトラッドなタータンチェックやグレンチェックのハイミックス——独特な“エディット”的アプローチがどこか品のある表現に昇華されているのは、プロダクトとしてのハイクオリティがあってこそのクリエーションだからだ。

30人のなかに、日本人モデルの姿もあった。TSUGUMI、KENDALL ELENA、Mioko、TARO IMAI……。もちろんその佇まいを簡単にカテゴライズすることはできない。が、ただ、トーンの違うモデルが同じsoeの服を身に纏って、多方向に顔を向けているこの光景をみていると、なんだか“世界”は自分が思っているよりもっと広大なんじゃないかという気がしてきた。入場するときに手渡された一枚の紙には「open sessions」と記されていることだし。

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