Photography David Dickenson

プロデューサーデュオTake A Daytripが選ぶ、音楽の新たな可能性に気づけるプレイリスト

リル・ナズ・Xをはじめ、ジェイムス・ブレイクやデュア・リパなどの楽曲を手がける2人組プロデューサー、Take A Daytripが「世界は狭いと実感できる」プレイリストを公開。

by Frankie Dunn; translated by Nozomi Otaki
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21 September 2021, 1:39am

Photography David Dickenson

2021年、i-Dはさまざまなプレイリストを公開してきたが、いずれも必ず1曲はTake A Daytripがプロデュースしたトラックが登場する。友人同士のデヴィッド・ビラル(David Biral)とデンゼル・バプティスト(Denzel Baptiste)が結成したこのプロデューサーデュオは、リル・ナズ・X、ジェイムス・ブレイク、デュア・リパ、セー・タンガナ、AJトレーシー(AJ Tracey)、マイリー・サイラス、サーペントウィズフィート(Serpentwithfeet)、TNT Tez、HIGHER BROTHERSなど、数々のアーティストの楽曲を手がけてきた。彼らがナズ・Xのスマッシュヒット「Panini」「Montero (Call Me By Your Name)」「Industry Baby」で、カニエ・ウェストと共同プロデューサーを務めたことは周知の事実だ。当然、ナズは彼らを9月17日リリース予定のデビューアルバムのエグゼクティブプロデューサーに任命した。ナズはメディアの話題を独占したマタニティフォトの撮影中、ふたりを自身のアルバムの「父親たち」と呼び、その後どちらかといえば叔父さんかも、と訂正している。

これからも多くのプロジェクトを控えているふたり。今回i-Dは、Take A Daytripの音楽の世界をさらに深く探るため、特別にプレイリストを制作してもらった。

 「このプレイリストは、音楽を通して世界は狭いと実感してもらうという、僕たちの最大の目標を示している」とふたりは語る。「これはいわば、国境や時間を越えた旅。世界中のみんなが楽しめる。ジャンルや時代、生い立ちに関係なく、僕たちの音楽的な視野を広げ、作品に新たな視点を与えてくれた曲を選んだ」

スタジオスペースや制作中の映画音楽、キャリア初期から変わらない目標について、ふたりに話を聞いた。

──プレイリストの中でお気に入りの1曲を教えて。

デヴィッド:
「Waters of Nazareth」か「Devil In A New Dress」かな。エネルギーとサウンドデザインの点で、僕たちのベースになった曲。どちらも僕たちの人生において大切な曲になった。

──意外だと思われそうな曲は?

 デンゼル:ミルトン・ナシメント(Milton Nascimento)の曲とか、DJ Lycoxの「Domingo Abençado」かな。どちらも全く新しい視点を与えてくれる名曲だよ。

──このプレイリストにぴったりなシチュエーションは?

デンゼル:国境を越える長距離のロードトリップ。

──音楽を通して世界は狭いと実感してもらうのが最大の目標だと言っていたけれど、その理由は?

デンゼル:カレッジで出会って好きな音楽を教え合う前から、僕たちはいつも故郷から離れたさまざまな場所の音楽を発掘していた。インターネットや、ツアーで住んでいる街を訪れたバンドを通して、音楽と創造性さえあれば、どこでも行きたい場所に行けると気づいたんだ。大きくなるにつれて、別のジャンルを探ってみたり、違うシーンで違うサウンドをつくっているアーティストやプロデューサーに出会うようになった。新たな人や曲との出会いによって、僕たちが目指すものは同じだと知った。それはつまり、人びとの心を動かし、想い出をつくることだ。

デヴィッド:みんなの心をひとつにする音楽をつくり、創造性とコラボレーションさえあれば、夢見た場所にたどり着けるということを世界中の子どもたちに示したい。

──〈Daytrip Cabin〉の雰囲気を教えて。どんな音や匂いがする?

デヴィッド:この山小屋は、あらゆるものから現実逃避できる場所にしたかった。スタジオは(ロサンゼルスの)中心部からそんなに離れていないけど、ここにいると完全に外の世界から遮断されているような感じがする。ここに足を踏み入れると、木の床を歩く足音以外、ほとんど何も聴こえない。Diptyqueのキャンドルに火を灯して、座ってくつろげるように、ビーズクッションやmadのカウチ、ラグもある。寝転びながらレコーディングすることもあるよ。ここに来たアーティストには、どんな曲を作りたいか明確にするために、とことんリラックスしてもらいたいんだ。

──今まで一度でも、クレジットにカニエの共同プロデューサーとして名を連ねることを想像したことはありますか?

デンゼル:
ずっと待ち望んでいたし、長年の夢だった。将来何がどうやって起きるかは、全く予測できないけどね。憧れのアイドルとアイデアを共有することほど、現実離れしたことはない。実際に話し合ってる最中も実感が湧かなかった。こんなふうに大勢に注目される作品に携わることは、ずっと僕たちの夢だったんだ。

──この先2〜3ヶ月の予定は? しばらくプロジェクトが続く?

デヴィッド:今はナズ・Xのアルバムの仕上げを最優先で進めてる。これまでもずっと彼と一緒に曲を作ってきた。ジェイムス・ブレイクの新譜も完成したばかりだし、ケイン・ブラウンやキッド・カディ(Kid Cudi)の曲も出る予定。映画のサウンドトラックも制作中なんだ。すごく楽しみだよ。

デンゼル:特に楽しみなのは、(プレイリストにも入っている)新人アーティストMidwxstと作っている曲。僕たちの〈NØ IDLE〉のクルーで、ゼイ・レイ・ロー(Zae Lay Low)というアーティストも育ててる最中なんだ。この先もたくさん新曲をリリースする予定だよ。

──最後に、音楽業界にまつわる知識で、新人時代に知っておきたかったことは?

デヴィッド:正直なところ、特に驚いたことはなかった。最初からチームで団結することの大切さを知っていたから。それが僕たちのキャリアにとっていちばん重要なこと。そのおかげで、どんなことにも立ち向かう心構えができていた。

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