『バリー』:アニャ・テイラー=ジョイ インタビュー

『ウィッチ』から『スプリット』まで話題作への出演が続くアニャ・テイラー=ジョイ。彼女が大学時代のバラク・オバマが恋をした女子大生を演じた映画『バリー』公開時のインタビューを紹介する。

by Daniel Barna
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24 August 2017, 6:42am

This article was originally published by i-D US.

2016年4月、アニャ・テイラー=ジョイは20歳になった。少女から大人の女性へと変化していくうえで決定的な意味をもつ10年間に足を踏み入れたのだ。人生観が固まりはじめ、小さな選択が大きな結果を生むようになる——そんな年頃に差しかかった。そしてそれは、アニャの最新出演作『バリー』が題材としている年頃でもある。ヴィクラム・ガンジー監督による、このNetflixオリジナル作品は、20歳のバラク・オバマ前米大統領(オーストラリア出身の新人俳優デヴォン・テレルが演じている)がコロンビア大学に入学してからの1年間を描いている。

「もう子どもじゃない。だから誰も『こう生きろ』『こうなれ』って言わないけれど、自分ではどう生きたいかもわからず、将来を思い描くこともできない——この映画は、そんな微妙な時期を描いているの」と、アニャはi-Dに語ってくれた。劇中でアニャが演じているのは、大学時代にオバマの恋人となる同級生のシャーロット。しかし、コネチカット州出身の白人女性という事実が、人種問題の緊張へと発展していく。

アニャは映画『ウィッチ』や、M・ナイト・シャマラン監督による期待の心理スリラー『スプリット』での好演で一躍話題の女優となった。そんな彼女に、ニューヨークへの愛について、すでにオバマ大統領を恋しく思っている今について、そしていかに夢を叶えたかについて聞いた。

最初に脚本を読むときは、何か直感的に響くものを求めて読むのでしょうか?
もちろん。でも理論立てて説明できるものじゃないの。圧倒されて、言葉が出なくなるようなときもある。ただ脚本を指差して、「これ、やる。やらなきゃ」ってなるときも。それは衝動みたいなもので、そうやって選ぶと良い面も悪い面もあるけれど、ほとんどは良いほうに転ぶ。シャーロットの場合、脚本を読んだ瞬間から彼女の声が想像できて、立ち居振る舞いや世界観まで手に取るように理解できた。

シャーロットのどんなところが好きですか?
彼女は自分がいる場所にとても強い意識があるの。「わたしはニューヨーカー。ここがわたしの生きる場所。この街の政治的のあり方が好き」って。自分がいる場所をよく知ろうとする姿勢は、羨ましいくらい。

あなたとニューヨークの関係はどうですか?
14歳のとき引っ越してきました。出身じゃなくても「わたしはニューヨーカーだ」って自信を持って名乗れる街だと思う。ロンドンよりもずっとよく知っていると感じるの。自分がどこに向かい、何をやっているのかを強く意識させる街。喋るのも速いし、歩くのも速い——わたしも立派なニューヨーカーよ。

『バリー』においてニューヨークは、大きなカギを握る、いわば主役のひとりです。この街が、バラク・オバマを形成するのに大きな役割を果たしたと言っても過言ではないと思います。あなたにとって、ニューヨークという街はどの程度の影響を及ぼしているのでしょうか?
計り知れないほど影響を受けていると思う。街だけじゃなくて、そこに暮らしているひとたちにもね。バリーを取り巻くキャラクターたちは、まったく違う世界を描いていて、とても興味深かった。バリーはさまざまなことを学び、そのひとつひとつを検証していく——「自分は、いったい何を訴えていくべきなのか? 何者になりたいのか? どこにいるべきなのか? "僕"とはなにか?」っていうふうに。

この映画に出演する前は、バラク・オバマについてどういう印象を持っていましたか?
カリスマ性に満ちたひと。尊敬します。世界を変えていける人は本当に限られていると思うから。彼は世界を奮い立たせ、目覚めさせてくれた。あと、これは些細なことかもしれないけど、マイクドロップのイメージも強かった。アメリカ大統領がマイクドロップするなんてね。

オバマは、カルチャーに精通していますものね。
そう。そして、とても人間味にあふれていると思う。「わたしはアメリカの大統領——だから、ラップのビデオなんて見たこともない。完璧でクリーンだ」なんてイメージを打ち出そうとするような人間じゃないの。

チャンス・ザ・ラッパーの大ファンでもあるんですよね!
そうなの。この自由な国のリーダーは、人間らしい人であるべきだと思う。自分とははっきりと違う人を尊敬なんてできないから。人々は、自分たちを理解してくれて、この国に生きること、この地球上に生きることがどんなことかを理解してくれるひとを求めているの。

ひとはあなたの訛りをどこのものだと思うのでしょうか(アニャはアルゼンチンとイギリスに暮らしたことがある)?
アイルランド訛りだと言うひともいるし、イギリス訛りだと言うひともいる。アメリカ訛りだとも言われる。すぐにその土地の訛りを真似してしまう癖があるの。気持ち悪るがるひともいるから、やめようとは思っているんだけれど……わざじゃないんだけどね。子どもの頃から、環境に順応しようと必死だったから、それが染み付いているんだと思う。

世界を転々として育っていますが、だからこそアウトサイダーを演じることに惹かれるのでしょうか?
深く考えたことはないわ。それらしい答えを言葉にすることもできると思うけど、「この役はわたしのためにあって、わたしもその役のために生まれてきた」と感じられるかどうかだと思う。これだ!って感じるの。「自分のことを理解するのに役立つかも」なんて頭で考えたりはしない。

女優になったのは運命だと思いますか?
それは絶対にそう。子どもの頃、大人になったら何になりたいかって訊かれると、自信満々に「女優になる」って答えてた。「どうやって?」と訊き返す大人に、「すべてタイミングよく事が運んで、わたしは女優になるの」って答えてたの。そしてその通りになった。

Credits


Text Daniel Barna
Photography Alasdair McLellan
Styling Max Clark
Hair Pierpaolo Lai at Julian Watson Agency
Make-up Lotten Holmqvist at Julian Watson Agency using Estée Lauder
Anya wears cardigan vintage Mr Freedom from The Contemporary Wardrobe
Bracelet model's own
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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