アート集団「BUFU」とガレージパーティ

女の子ばかりのスケーター集団Las Brujasとクィア・プロムを企画するなど、マイノリティの団結を訴え続けるコレクティヴ、BUFUに注目。

by Blair Cannon
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27 June 2016, 7:15am

​photography yeelen cohen

BUFUとして知られるBy Us For Usは、ブルックリンを拠点に黒人とアジア人の団結を訴える、クィアのアーティスト集団だ。今月、この集団のリーダー的存在である4人——学生時代からアート活動に傾倒し、現在はアーティストとして活動しているジャズミン・ジョーンズ(Jazmin Jones)、チゲ・タファッセ(Tsige Tafesse)、キャサリン・トム(Katherine Tom)、そしてソニア・チョイ(Sonia Choi)——は、クリントンヒル地区に打ち捨てられた倉庫を、有色人種アーティストやオーガナイザーたちのためのアートスペースへと作り変えた。BUFUはマイノリティが一致団結できる新たな方法を、このスペースで模索していくという。ユリ・コウチヤマ(Yuri Kochiyama)やリチャード・アオキ(Richard Aoki)などその世界のリーダーたちに関する映画上映や、人種間での不和とスピリチュアルに関するレクチャー、ジャムセッションなどはその一環だ。6月には「ブラックとアジアンの未来月間」と題し、ブロンクスのスケーターグループLas Brujasとプリンセス・ノキアのパーティや、アジア人アート集団イエロー・ジャケッツ・コレクティヴ(Yellow Jackets Collective)によるショーなどを行うという。ジャズミン、チゲ、そしてキャサリンが、アートを利用してコミュニティを繋ごうとするBUFUの活動について語ってくれた。

BUFUとは?そして立ち上げの経緯について教えてください。
チゲ(以下T:BUFUは、黒人とアジア人の政治的な関係性を考え直すための脱一極集中型マルチメディア・ドキュメンタリー・プロジェクト。当初はただのドキュメンタリーだったんだけど、今は自分たちのスペースがあるから、ドキュメンタリーという議論形式を形として見せることもできるようになったわけ。
キャサリン(以下K:元々このドキュメンタリーは、私たちの作品制作や、黒人とアジア人の結束をテーマにした政治活動のオーガナイズ作品——特にBlack Lives Matter——の延長線上にあったものだったの。BUFU創始者のひとり、ジウン・クォンは常に明確な政治的意見を持っていた。去年の10月に突然亡くなってしまって、私たちはこのプロジェクトを続けるべきか迷ったわ。だけど、この議論が続けられるべきだと感じたの。注視しなくても目に飛び込んでくる問題はたくさんあったし、それにもかかわらず多くの人はそうした問題を議論するきっかけを見出せないでいるように思えたから。

Yellow Jackets Collective. Photography Yeelen Cohen.

T:私はずっと、Black Lives Matterのような政治的な反抗運動に関わっていて、「有色人種の団結を築き上げるにはどうすれば良いのか?」ということに強い興味を持っていたの。アメリカでも世界の諸外国でも、黒人カルチャーとアジア人カルチャーの間にはとても複雑な歴史がある。だけど、お互いに共通の言語を有していない——文字通りの意味でも、どう話を始めれば良いのかお互いに分からないという点でもね。アジア人も黒人も、人種で括られる側にいるけど、その括られ方はずいぶんと違う。だから、それについて語ることも簡単ではないし、一緒に関係を築くのはさらに難しいのよね。
ジャズミン(以下J:私たちは「BUFUこそがアジア人と黒人のあるべき団結の姿」だなんてことを示したいわけじゃない。それより訴えたいのは、「これは、今ひとびとが実際に体験していることで、それを知ることは、絶対に有益」っていうことなの。

6月に行ってきたプロジェクトについて教えてください。
T:私たちは、この6月を「By Us For Us: A Month of Black and Asian Futurity(私たちによる私たちのための、アジア人黒人未来月間)」と呼んでいるの。ドキュメンタリーには多くの可能性がある。ただテキストを読むだけでもよ。ひとつの空間に集まり、多様な形で繊細な議論をしていくのは、本当に面白い体験になるはず。

Photography Benjamin Lundberg

プログラムはどのように構成しているのですか?
K:日毎にテーマを設けているの。日曜はBUFU Heals(癒しの日)で、朝からカポエイラと気功のクラスがあって、その後、瞑想やディスカッション、ヨガのセッションが続くの。
J:ドキュメンタリー・シリーズの第1弾では、5言語で50本以上のインタビューを録画したの。次には何をしようかって考えてるところよ。月曜には転写パーティをやる予定なの。日本語や韓国語、フランス語なんかを理解するためのレッスンを教える人たちがいて、転写を教えることができるプロも参加する。きっと有意義な楽しい時間になるわ。
K:火曜日はBUFU Eats(食べる日)。ディナーを食べながら、様々なコミュニティのオーガナイザーたちとディスカッションをするの。ケータリングをしてくれる人たちともパートナー関係にあるし、参加者にも何か食べ物を持ち寄ってくれるように呼びかけているから、たくさんの食べ物がテーブルに並ぶわ。水曜はBUFU Filmsで、映画の上映会よ。
J:木曜はBUFU Sessions(セッションの日)と題して、政治的教育を説いているグループが参加したり、アーティストたちにオープンスタジオを提供したり、オープンマイクでパフォーマンスをするの。金曜は、ワークショップやディスカッションを行なうBUFU Talks(トークの日)。土曜は交流会があって、その後にパフォーマンスを開催するのよ。
T:プログラムのほとんどは、私たちが提携関係にある人々と共に組み立てたの。彼らたちとはたくさん話し合ったわ。

提携関係にある人々について教えてください。
K:例えば、Yuri and Malcom Projectは、ユリ・コウチヤマとマルコムXが築いた関係を祝福して、壁画作品を制作している団体。政治的レターライティングのワークショップなんかも開催しているアート集団よ。それから、Coalition of Asian Americans Against Violence(CAAAV)。Yellow Jackets Collectiveも私たちとパートナー関係にある団体で、6月9日にオープンするアートショーのキュレーションを手がけたクィア・フェムのアジア人アーティスト集団よ。Active Archive of Afro-Asian SolidarityとKinshipも、今後BUFU Eatsのイベントを主催してくれることになっているの。
T:「こういうスペースがない」と私たちに相談してくるひともいるわ。特に、イベントをオーガナイズしたいのにスペースがないと嘆いている黒人やヒスパニックは多い。何かをやりたいという有色人種クィアの人々にはこの場所を提供しているわ。Black Girl Magicも今度セレブレーションイベントをするし、Brujasも6月18日にクィアのプロムパーティを開催する予定。レジデンスのアーティストたちもこれから招こうと考えているし、ここにスケートランプを作るっていうのもクールなアイデアだと思う。この倉庫をバスケットボールコートにするのもいい。"自分が受け入れられる場所を自ら作ろう"というスタンスなの。スピリチュアリティに関する話を誰かとしたければいつでも来ればいいし、ジャムセッションの日に音楽でコラボレーションをしながら何かを問題提起をしたければ、いつでもウェルカムよ。私たちの世界を体験してみたければ、土曜のパーティに来てみたらいいわ。パーティもまた、議論に参加する素晴らしい方法のひとつなんだから。

bufubyusforus.com

Credits


Text Blair Cannon
Photography Yeelen Cohen
Styling SoFly Butterfly
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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