4人目のBeastie Boys、ストリート・フォトグラファーRicky Powellが死去。

ストリート・フォトグラファー、Ricky Powellが死去。80年代から90年代のニューヨークやヒップホップをはじめとした様々なカルチャーシーンを捉えた彼の作品を鑑賞しつつ、彼の功績を辿る。

by Kazuki Chito
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03 March 2021, 5:34am

Ricky Powellは80年代〜90年代のヒップホップシーン、セレブリティ、ビッグアーティストたちをカメラに収め続けてきたニューヨーク出身のストリート・フォトグラファーである。多くのファンを魅了してきた彼の死が2月1日に、マネージャーのTono Radvany(トノ・ラドヴァニー)によって発表された。享年59歳、死因は心不全だという。彼と彼の家族に追悼の意を捧げるとともに、ヒップホップ黎明期を支えた彼の功績を辿って行きたい。

パウウェルの写真は当時のカルチャーシーンがもつ空気感をダイレクトに観衆へと伝える。彼は常センセーショナルな瞬間を記録するドキュメンタリーのような作品を生み出すため、常に現場にいることを心がけた。彼は80年代から90年代にかけてカルチャーの最前線を追い続け、アンディー・ウォーホールやバスキアなどのコンテンポラリー・アーティストたち、ヴァージン・スーサイズを撮り終えた90年代のソフィア・コッポラ、当時のブラックアンダーグラウンドカルチャーを世に広めたRun-DMCなどの写真を撮った。

パウウェルは1986年に行われた『Raising Hell』のツアーから1994年のLollapaloozaのセットまでの約8年間をBeastie Boys専属フォトグラファーとして活動し、「四人目のBeastie Boys」として世間に知られるようになった。アルバム『Paul’s Boutique』の収録曲 “Car Thief”では彼の名がリリックに登場することからも、Beastie Boysとは親密な関係にあったことが伺える。


活動は写真だけに止まらず、80’sのグラフィティと彼の写真が融合したフォトブック『Public Access: Ricky Powell Photographs 1985-2005』、彼が撮影したヒップホップアーティストの写真のみが掲載されている『Oh Snap!: The Rap Photography of Ricky Powell』、ニューヨーカーの普段の生活が写しだされた『Frozada Moments: Classic NYC Street Photography』といった著書の執筆も行った。

パウウェルはヒップホップの黎明期をカメラを通して支え、4人目のBeastie Boysとファンに親しまれていた。彼の写真は時間的、物理的な制約を無視し、私たちを当時のアイコンがいる現場へと連れて行き、純粋な勢いと情熱がそこにあったことを私たちに教える。いまこそ立ち止まり、振り返って確認したい作品をこの世に残していってくれたパウウェルに大きな感謝を示しつつ、彼の冥福を願うばかりである。

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