編集者が語る、『Buffalo Zine』第5号

『Buffalo Zine』の最新号がリリースされたのを記念し、そのコンテンツの一部を紹介。ブラーのバンドTシャツを着たレノン・ギャラガーについて、ダイエット・コークのCMさながらのパメラ・アンダーソンについて、そして撮影をすべて編集オフィスの建物で行なったことについて、ジンのクリエイターたちが語ってくれた。

by Felix Petty
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12 July 2017, 2:02pm

This article was originally published by i-D UK.

楽しくて革新的、エキサイティングで、喜びに溢れていて美しい、奇跡のような雑誌はお好き? あなたのファッションに新たな視点を与えて、知的欲求を駆り立てる雑誌があったらいいのにと思う? それなら『Buffalo Zine』の5号を読んでみて。楽しさと刺激が詰まった、奇跡のような出来栄えだから! 4号があまりに素晴らしかったもんだから、「次号がこれを超えるなんてムリ」だとにらんでいた私たちだけど、思い返してみると、3号のときも、2号のときも、創刊号のときにも同じことを考えていた。彼らが前号を超える新作を作り続けていることは奇跡のようだ。もしi-Dで働いていなければ、わたし自身、『Buffalo Zine』で働きたいとさえ思う(雇ってもらえればの話だけど)。

5号の刊行を祝福して、i-Dは『Buffalo Zine』のクリエイターたちに5つの質問をした。その内容を、最新号のコンテンツとともに紹介する。まずはこの記事を読んで、すぐに外へ出て、『Buffalo Zine』5号を手にとってほしい。すぐに売り切れてしまうし、この機会を逃せばあなたは一生後悔するはずだから!

最新号で5号を刊行したわけですが、創刊号から最新号までを、お気に入り号のランキング形式で教えてください。
自分の子どもに優劣をつけろって? そんなことできないよ! 「親といえどもやはり子どもに優先順位はつけてしまうもの」と一般的に言われるけど、どこの親がそれを公言する? しないだろ!

レノン・ギャラガーを起用した表紙は、過去最高の表紙だと思います。彼の父親はオアシスのリアム・ギャラガーですが、今回の表紙ではレノンに、オアシスと同じくイギリス出身で90年代にオルタナティヴ・ロックを牽引したブラーのTシャツを着せていますね。問題はなかったのでしょうか? 母パッツィから賞賛のひとことなどはありましたか?
ハハハ! ありがとう! 皮肉なことに、レノンにあのTシャツを着せるよりも、そのコンセプトを撮影チームに納得させるほうがずっと大変だったよ。

あのアイデアを、レノンとパッツィに伝えようか迷ったんだけど、ふたりにそういうユーモアが通じるか分からなかったし、正直なところ、ブラーTシャツを着てもらうというのは実現しないだろうと半ば諦めていたんだ。でも、リスクを承知で、撮影するときにやる気になったふたりに提案してみよることにした。eBayで買ったブラーTシャツも含め、すべての服にアイロンをかけ、ラックに吊るしておいた。でも、レノンとパッツィが現場に現れたとき、僕たちはブラーTシャツを掛けてあることすら忘れていたんだ。

現場に到着したレノンはコートを脱いで、ラックに近づいていった。そして、たくさんの服がかかっているラックからブラーTシャツを手に取って、「これ、僕用?」って訊くんだ。僕たちみんな凍りついたよ。その瞬間は永遠のように感じられた。するとパッツィがすぐに、「あら! よかったわね、レノン! レノンはブラーが大好きなのよ!」と。「そうか! 僕も好きです! 僕たちみんなブラーのファンです!」となった。レノンはTシャツを気に入ってくれて、「欲しい」と言ってくれたよ。

僕たちみんな、レノンとパッツィの大ファンになった。あのふたりは、僕たちがこれまで一緒に仕事をしてきたなかでもダントツで優しく温和で、ひたむきで、面白いひとたちだったよ。

今号について語るうえで、パメラ・アンダーソンについて触れないわけにはいきません。パメラはどんなひとでしたか?
素晴らしいひとだったよ。本来のパメラが見れるまでには少し時間がかかったけどね。でも、彼女が悪かったわけじゃない。彼女は朝6時にひとりでホテルからタクシーを拾ってきてくれたんだ。まだ辺りは真っ暗な朝6時に、ホテルからロンドンの僻地までね。撮影場所を知ったときは、おそらく頭を抱えただろうね。でも彼女はとても寛大で、いつもと違う一風変わった撮影だったにもかかわらず、ベストを尽くしてくれた。写真家のレト・シュミッド(Reto Schmid)が屋内で撮影をして、その後にハックニー・ロード通りに出て撮ってくれた。僕たちの編集部が入っているビルの入り口でポージングをしてほしいと頼んだときには、さすがに怒っていたけどね。ビルの隣にある倉庫で働く職員たちが朝のティーブレイクで続々と外に出てきていたときだったから当然だよね。ダイエット・コークのCMがあっただろう? あんな感じで、パメラは男たちの注目を集めてた。あんなに多くの一般人に囲まれることも、一緒に写真を撮ってくれとせがまれることも、まったく想定していなかっただろうから、申し訳なかったよ。

でも、この号でパメラは、若いホームレスたちを支援する慈善団体センターポイント(Centerpoint)の援助を得て、社会復帰を果たそうとしているハックニーの若い女性ふたりとのインタビューも引き受けてくれた。インタビューの中で彼女は、ほとんど語らていない私生活を明かしてくれている。胸を打つインタビューになっていると思う。

今号で、あなたたちがもっとも誇りに思っているものは?
今号に収められているすべての写真を撮影したビルは、僕たちがこの2年間、オフィスとして使ってきた建物なんだけど、もうすぐなくなってしまいそうなんだ。今号には、パフォーマンス・アーティストのディヴァイン・デイヴィッド(Divine David)と、伝説的なゲイバー<Joiners Arms>のオーナーだったデヴィッド・ポラード(David Pollard)の対談が収められている。<Joiners Arms>は僕たちのオフィスが入っている建物のすぐ近くにあったんだけど、つい先日、退去を命じられて、惜しまれながらも閉店したんだ。対談の中でポラードは、「ロンドンは自分自身を貪っているように見える!」と言っているんだよね。

銀行員や投資家、コンテンツ提供者が入るスペースづくりのために、僕たちのオフィスがある建物はじきに取り壊される。"本物のハンバーガー"屋や、タパス・バー、コンテナ並べるおしゃれなモール——そんな都市開発の波にビルのある地域が飲み込まれてしまう前に、僕たちは素晴らしいアーティストやコントリビューターたちに集まってもらい、今あるあの空間と場所をよく見てもらい、新たなヴィジョンを想像してもらったんだ。今号は、あの場所と空間がたしかに存在していたことを示す、素晴らしいメメントになると思う。

誰もが『Buffalo Zine』最新号を購入しなければならない理由は?
今シーズン最高の号だから!

Credits


Text Felix Petty
Images courtesy Buffalo Zine
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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