Fashion East AW17:純粋な現実逃避

Rottingdean BazaarとArt Schoolが、歓びと政治、現実主義、ユーモア、そして現実逃避の世界を描いた。

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10 januari 2017, 10:45am

Rottingdean Bazaar fall/winter 17

世界が劇的な変化を見た2016年を過去に押し流し、ビッグ・ネームが軒並みスケジュール変更を発表した今季のメンズ・ロンドン・ファッションウィーク。聖火を若い世代へと手渡した形となったが、Fashion Eastメンズウェアのプレゼンテーションでも、この変化は顕著に見られることとなった。

ジェイムズ・バック(James Buck)とルーク・ブルック(Luke Brook)、ふたりのデザイナーによるレーベルRottingdean Bazaarは、ふたりが育ったブライトン郊外の小さな町の名前を冠したブランド。このブランドが放つ世界観は、古くからファッション界に根付く退屈なそれとはまったく違う。"実験性"を最重視して彼らの服を見ると、彼らにとって服とはワイルドなアイデアを具現化するためのキャンバスに過ぎないのだと気づかされる。今季の彼らは、服に取り付けられた洗濯方法ケア・ラベルの文言を「ボーダーシャツのストライプの間をマジックで塗りつぶしてください」と変えるなど、コンセプチュアルで風刺の効いた世界を打ち出した。また、これまでも彼らが一貫して追求し、先シーズンにはコレクションの中心的存在として扱われていた靴下への愛も健在だ。そして今回はオークションで落札したという古臭い生地を用いて作ったというTシャツなどが目を引いた。

Rottingdean Bazaar autumn/winter 17

Art Schoolは、風刺ではなくひたむきな姿勢で、また暗号的ではなくあくまでもオープンな表現で、Rottendean Bazaarとはその対極の世界を描き出していた。Theo Adams Companyとのジョイント・プロジェクトで生み出された今季コレクションは、音と動きが奏でる躍動感に満ちた世界観となった。それはまた、二分化されたジェンダーのいずれにも当てはまらないアイデンティティへの賛歌でもあった。前日に開催されたチャールズ・ジェフリー(Charles Jeffrey)のショー同様、Art Schoolのショーは"現実逃避"と極限まで高まった感情を表現していて、声高に叫ぶことはないが、しかし政治的視点は明らかだった。「大胆にして美しい」という表現がぴったりのショーだった。

新たな世代の台頭で、ファッション界の未来は約束された——そう実感できるショーとなった。

Art School autumn/winter 17

Art School autumn/winter 17

Credits


Text Felix Petty
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.