バンクシーの正体はマッシヴ・アタックの3D?

「マッシヴ・アタックが訪れる先々でバンクシーの作品が生まれている」という説の真相に迫る。

by VICE Staff
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08 September 2016, 4:19am

今年3月、ロンドン大学クイーン・メアリー校の研究員たちが、ストリートアートのスーパースター、バンクシーの地理的行動解析を行ない、これまで不明とされてきたバンクシーの正体を、ブリストルに住むロビン・ガニンガム(Robin Gunningham)であると結論づけた。犯罪学の分野で開発されたジオグラフィカル・プロファイリングを用いて調査を進めたところ、世界にバンクシー作品が出現する流れとロビンの動きとが一致したというのだ。

しかし、ここにきてクイーン・メアリー大学の調査に勝るとも劣らない強力な説がまたひとつ浮上してきた。ジャーナリストのクレイグ・ウィリアムズ(Craig Williams)は、過去12年間で世界に出現したバンクシー作品のうち10数点が音楽ユニット、マッシヴ・アタックのコンサート日時の前後に会場近くで生まれているということに気づいた。調査結果がウィリアムズのブログで詳細に明らかにされているので、興味があれば覗いてみてほしい。

マッシヴ・アタックのロバート・デル・ナジャ(通称3D)は、 1980年代にグラフィティアーティストとして活動していた。ウィリアムズは、ロバートこそがバンクシーの正体なのではないかと推測している。ロバートはこの主張を否定してはいるものの、バンクシーとは友人であると明かし、マッシヴ・アタックとバンクシーが頻繁に同じ都市にいたという事実には一応の説明がつく発言をしている。バンクシーは2015年、マッシヴ・アタックが作り出すアートについて書かれた本に序文を提供しており、3Dはバンクシーの映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』に出演している。劇中、シェパード・フェアリー(Obey)とのインタビューのなかで、バンクシーは「イングランド南部の小さな田舎町に育つなかで初めて出会ったグラフィティアーティスト」と3Dについて語っている。

ふたりのお互いへの関与がどんなものであれ、この週末にマッシヴ・アタックのコンサートが予定されているブリストルでは、地元のひとびとがバンクシーの新作グラフィティを心待ちにしているにちがいない。

ウィリアムズが唱える"バンクシー=3D説"は「バンクシーとは、同じテーマをもとに世界を舞台として作品を生み出すクリエイティブ集団なのではないか」という大きな仮説のほんの一部でしかない。バンクシーが1人の男ではなく、複数人の体を借りて存在していると考えると、どうしてもそこには哲学的な問いが脳裏をよぎる——バンクシーとは私なのではないか——誰のなかにもバンクシーは存在するのかもしれない——と。まあ、もちろんそんなわけはないわけだが、そう信じる者も少なからずいるのは確かだ。

@thereaIbanksy

Credits


Text Wendy Syfret
Images via Wikipedia Commons
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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