ぶつかり合い共鳴するふたつのもの:liroto 19SS

なにも知らない無垢さは、悪気もなく時に素直に言葉を投げかける。特にそこに意図なんてなくて、余計に相手の心にズシリと響く。デビューコレクションと打って変わってテーマや演出を設けずに、カネコアヤノの旋律に共鳴したlirotoは、15ルックの服にその醇乎たる想いをかける。

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okt 21 2018, 5:40am

表参道の小道を入るとそこには、ひっそりと洗練された空間が佇んでいた。前回Amazon Tokyo Fashion Weekでデビューコレクションを果たしたlirotoは今回、青山・Palm maison TOKYOにて、柔らかく重い、少女の相容れない複雑さを服とカネコアヤノの歌声のみで勝負に出た。

暗転とともにシンガーソングライター・カネコアヤノの弾き語りが会場を優しく包み込む。今回は18AWのようなストーリー構成はせずに「カネコさんの曲が好きで始まったストーリーです」とデザイナー・富塚尚樹は語る。会場は一瞬にして彼女の子守歌のような歌声に身を委ねた。

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直線で引いたパターンによる変形フォルムというブランドアイコンに、今回はフリルやリボンなどのデコレーション、チューリップ柄のドレス、チュールなど「少女」を表す記号が繰り返し登場。少女というのは、何にもまだ染められていない無垢さが愛らしくも見え、一方で外部からは感じ取れない強い反骨精神を既に心の中に潜めている。その複雑な二面性は、15ルックの中で白色と黒色の対比色、(日本の伝統色での赤色(明るい)と黒色(暗い)の対比色)、ベイビーフェイスのモデルたちとパンクなヘア、カネコアヤノの優しい歌声と生々しい言葉、と常にショーの中で相反するものが幾度となくぶつかりながら気持ちよく溶け合う。時に少女の純粋な目で凝視されているかのような緊張感とカネコアヤノの柔らかい旋律が重なり、甘く可愛らしいだけで終わらせない不思議な強さがそこに宿った。

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