日常に隠れる美しさ:kotohayokozawa 19SS

今回は妙にkotohayokozawaのデザイナー・横澤琴葉は落ち着いている様子だった。ショー始まる数時間前までチャットを続け、ショーの最後もとても軽やかな笑顔で登場した。kotohayokozawaの本質が所々に散らばったその光景は、彼女自身が洋服に浮かび上がっているようだ。

by YOSHIKO KURATA; photos by Jus Vun
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18 October 2018, 5:23am

ショーを見ながら、以前デザイナー・横澤琴葉とインタビューで話した際にブランドの起点を「肩肘張らない素直な自分の姿こそが、等身大のリアルな表現だと気づき始めました。こういう服を作ればいいんだって」という言葉が頭のなかでループしていた。デビュー当時はショー開催を頻繁に行っていたが、ここ数シーズンの展示会を経て、よりkotohayokozawaファンやお店を想像するようになった彼女は、以前に増して服だけではない自身が価値を見出すものをちゃんと見つめ、前のめりに表現しているように思う。そして、その普遍的かつコアな熱狂こそがkotohayokozawaファンの心を掴むのだ。

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「すべてがショーのためにやろうと思ったものではないです。自分の何気ない日常にある身の回りのものが組み合わせ次第で他には替えられないかけがえのないものになったり、無理して飾らなくても等身大の自分で良い、そういう日常の積み重ねの価値を伝えたくて」。ファーストルックに登場したブランドのシグニチャーであるプリーツトップスには、誰もが生活の中で見たことのある記号が散りばめられ、次第にそれらの要素は至る所に点在していく。例えば、3回模様替えを行ったショーのバックグラウンドは「このショーのために撮ったのではなく、自分の携帯のフォルダやインターンの子が持っていた写真などを使いました。そういう特別な場所というより匿名だけど誰もが見たことのある、わかるものです」

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もちろん新作でありながら、洗濯バサミ、ウェブサイト・She isでミシン、糸、定規無しに制作したシャツ、同居しているHIDAKAのコレクションアイテム(彼女が実際に着てみて純粋に良いなと思ったアイテム)、過去のインビテーションなど彼女の軌跡がクスッと笑みをこぼすほどに見え隠れする。「なにかやるために新しいものを買うっていうのは一個の選択肢でしかないなと思ったので、一つひとつのものをアップデートしていくべきだと思いました」その言葉はアップテンポのBGMにあったChicks on Speed「Fashion Rules」の歌詞の通り、着飾らない面持ちで本質を叫んでいるように感じた。

私たちが普段気づかない日常的なものの価値を見出し、再解釈することこそファッションだからこそ成り遂げられる技のように感じる。一方、ここで一旦ブランドの核を再度明確に、そして強く打ち出した彼女の今後の新たなうねりを見てみたい。

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Credit


Text Yoshiko Kurata
Photography Jus Vun
Editor Noriko Wada

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