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17歳の『Recens Paper』編集長が語る、未来へのマニフェスト

活気溢れる若者と彼らのアイデアを讃える雑誌『Recens Paper』。最新号となる6号は、270ページを割いて20人の気鋭アーティストたちのインタビューを掲載している。その発売を記念して、i-Dは、現在17歳の世界最年少雑誌編集長エリス・バイ・オルセンに、雑誌のマニフェストを教えてもらった。

by Elise By Olsen
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01 May 2017, 9:15am

記録(ドキュメンテーション)とは、知識を収集し、系統的なアーカイブ、日誌、コレクションを作り出すプロセスだ。それはすなわち過去の記録を保管し、保存することだが、同時に未来を予見し、それを説明する意味ももつ。子どものころ、わたしは映画『フィフス・エレメント』に見たように、車が宙を走り、ひとびとがハイテクなファッションに身を包む未来を想像していた。しかしいま、当時の未来である現代は、ただ過去を繰り返し、焼きましを続けている。

日記をつけたり、写真日誌を作ったりするひとがいる一方で、いまという時を保管する新たな方法を探るひとがいる。インターネットの普及で、わたしたちはそれまでになかった自己表現の手段を得た。そして、わたしたちが日々を記録する方法を得た。現代人は、すべてを捉えることに執着しがちだ。写真として残らなければ、その瞬間は存在しないとでもいうかのように——日常の些末なできごとまで記録し続けるわたしたちだが、果たして、わたしたちは何を捉えようとしているのだろう?

ファッション、写真、音楽、果ては車のデザインや政治の世界でも、レトロ傾向が強まっている現在。世界には、未来を楽しく明るいものとして思い描く視点が欠落しているのではないだろうか。未来を思い描くのが楽しくないのであれば、いったい誰が未来を示していくのだろう?人類の歴史において、"次"を生み出し、未来を築いてきたのは、いつの時代も若者だった。そしてその責任を負ってきたのも彼ら、若者たちだった。いま、皆で積極的に未来を思い描いてみようじゃないか。

政治と経済の影響を受けて暗雲がたちこめる世界には、悲観と皮肉で溢れている。そんなとき、人間は過去を懐かしむことで安堵する。あるいは、「次なる理想郷や明るい未来を思い描くなんて時間の無駄——クリエイティビティを育む時間などない」と考えてしまう。社会と産業からくる絶え間なき重圧により、世界の動きは速まる一方だ。追いつけないほどのスピードのなかで何かを作り出そうとしたときに、もっとも身近なインスピレーション源となるのは「過去」だろう。それほど手っ取り早いものはない。現在のファッション界では、年に8回のコレクションを発表しているが、作り手にとってそれは人間の能力を超えた速度だ。だから、クリエイティブ・ディレクターたちは歴史にアイデアを求め、自らが過去に作り出したものを焼き直す。そして、新しいものを作り出そうとするクリエイティビティは、遮断されてしまう。

『Recens Paper』は、次なる理想郷を讃える雑誌だ。過去を振り返り、レトロ感覚を楽しむのではなく、活気溢れる若者たちと新しいアイデアが描き出す新たな未来像の大切さを感じてほしい。過去をさまざまに切り取ったアーカイブを選集し、そこに今という時代を浮かび上がらせることで、未来を思い描く雑誌『Recens Paper』は、現代ユースカルチャーの記念碑だ。

見出し、探求し、見つめ、作り出し、共有して、記録せよ。

Credits


Text Elise By Olsen
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.