Fred Perryコラボで来日:ART COMES FIRSTインタビュー

ロンドンを拠点に活躍するART COMES FIRSTは、シャカ・メイドーとサム・ランバートによるクリエイティブ・ユニット。今夏、Fred Perryとのコラボレーションを発表した彼らにインタビューし、今回のコラボのきっかけや活動について聞いた。モダンテーラリングを得意とする彼らが、ブリティッシュ・トラッドの代表格とタッグを組み新たなサブカルチャーを発信する。

by Yuko Aoki
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05 September 2016, 2:24am

シャカとサム、2人の出会いは?
シャカ:20年くらい前に共通の友達を通して知り合ったんだ。初めて会ったときは、確かクラブの前だったかな。お互いにヴィンテージレコードやクローズが好きで意気投合して、そこから一緒にポートベロマーケットへ出かけたりする仲になっていった。

「ART COMES FIRST」誕生のきっかけは?
シャカ:僕らがティーンの頃、お金はなくともとにかく上質でかっこいいスーツが着たかった。だから、2人でマーケットへ出かけて高いスーツを買って、それを解体して新たに自分たちがかっこいいと思うスーツを縫っていたんだ。その時はそうゆう方法しかなかった。ある日、自分たちで作ったスーツを着ていたら、お金持ちの友人が「1000ポンドで買う」と言ってきた。それがきっかけで服を作る機会が増えたからポートベロマーケットにブースを出店したんだ。それが少しずつ発展して、スウェーデンで5年間ほどブランドを持つことができた。その後、僕はサヴィル・ロウで、サムはデザイナーとしてバラバラに活動していたんだけど、ちょうど2人とも同時期にジョブチェンジを考えていたから一緒にブランドをやろうかという流れになった。僕はこの時点でスタイリングや写真、インスタレーションとか色々なことをすでにやってはいたんだけど、ファッションだけじゃない、他のジャンルのものとアートとを組み込んだものがやりたかった。サムとは、そこの共通点もあったかも。

「ACF」でのそれぞれの役割は?
シャカ:基本的には服はサムがデザインを手掛けているけど、本当に色々なことをやるから2人の役割というのはその都度オーバーラップするよ。僕はコンセプチュアルデザインとか、スタイリングとか、全体を見ることが多いかな。

アート・ユニットとしてのART COMES FIRSTの活動について教えてください。
シャカ:僕らの活動の核は"アート"なんだ。アートという大きな傘があって、その下にファッションや音楽、写真だったりが存在する。ART COMES FIRSTの傘下に色々なディヴィジョンがあるイメージかな。それぞれの活動に共通項があるだけではなく、ライン名などは必ず頭文字を「ACF」となるようにしている。例えば、アパレルラインをAVEC CES FRERESにしたりね。

コラボする相手はどうやって決めるんですか?
シャカ:あまり数多くコラボしないようにしている。遺産、伝統、クラフトマンシップというものを大切にするという、同じヴィジョンを追う共通点があるなら、どんなジャンルでもやってみたいかな。Fred Perryには、まさにそれがあった。

Fred Perryとのコラボレーションのきっかけは?
シャカ:最初のきっかけは「Return of the Rude Boy Exhibition」。イギリスの美術館で8ヶ月間やっていた展覧会で、僕らは服と写真を担当していた。この展示が日本で開催されたときに声をかけてもらったんだ。サブカルチャーとファッションを繋げる人を探していたみたいで、自然な流れでスタートしたと思う。

Fred Perryとのコラボレーションアイテムにテーマはありますか?
シャカ:特に明確なテーマは決めていないけど、いつも僕らがやろうとしているのは、「違う文化を組み合わせよう」ということ。異ジャンルを融合させてオリジナリティを生み出す。今回は、クラフトマンシップやテーラリングをスポーツウェアに落とし込むことを意識していた。もちろん、そこにはしっかりサブカルチャーもあって。

アイコニックなポロシャツも通常よりタイトにしたり、襟元も工夫されてますね。
シャカ:ポロシャツの襟には、このタイプのシャツにはまず使わないドレスシャツの生地をハイブリッドしてみたんだ。「マルセラ」っていう普通はイブニングシャツに使うファブリックを採用してるよ。あと、今回僕らが直接トラックジャケットに刺繍を貼るサービスをやってみたんだけど、これはロックバンドのツアーをイメージしたもの。TOKYO、LONDONとラベルに都市名を入れたのはよくツアーで売られている非売品のシャツとか、コンサートに行かないともらえないような、レアなウェアを意識してみたんだ。ショップでACFのものを実際にさわって、手に入れてもらったこととツアーを実際に訪れることを重ねたんだ。

定期的に来日しているそうですが、ジャパンカルチャーについてどんな印象を持っていますか?
サム:私はイギリス人でロンドンに生まれたから、もちろん自分の国の伝統深さを知っているし、人種の違いや、文化的な違いを日々感じている。日本のカルチャーにも違いはあるけど、そのなかに同じ伝統があると思うんだ。日本の人は海外の情報やものを取り入れるのが好きでしょ?それを、さらに使いやすいようにアダプトする力がすごいと思う。何かにデザインのインスピレーションもらったら、それをさらにオリジナル化するということが起きるんだ。前に来日した時、裏地全面に「ACF」ロゴが入ったジャケットをわざわざ裏側にして着ていた男の子を街で見かけたんだ。僕らはそれを見て「じゃあ次はリバーシブルジャケットを作ろう」と思う。こうやってインスピレーションが返ってくる、このやり取りがあるのがとても面白い。

「ACF」の今後のヴィジョンは?
サム:まだ始めたばっかりだけど、すでに2人でできることを超えちゃってるような気がするかな。「ACF」コレクティブみたいなかたちで動いているし、これ自体がすでにサブカルチャーだよね。僕らのロゴをタトゥーにしている人がいたりね(笑)。具体的じゃないけど、今は、エンジニア、音楽、アーキテクチャー、テクノロジーに興味がある。これだけを遣っていこうというように制限するつもりはないよ。自分たちでも次に何やっているかわからない。楽しみにしてて(笑)。

FRED PERRY SHOP TOKYO
東京都渋谷区神宮前5-9-6
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Text Yuko Aoki

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