村上虹郎について知っておくべき10のこと

i-D Japan創刊号の登場でも大きな反響を呼んだ村上虹郎。アーティスティックな両親のもと育ち、現在映画、舞台からTVコマーシャルなどにも数多く出演している若干19歳の虹郎について、改めておさらいしてみよう。

by Takako Sunaga
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19 August 2016, 1:30am

河瀬直美監督の『2つめの窓』での出演でその頭角をあらわし、今や若手俳優のなかでも実力派として唯一無二の存在となっている虹郎。彼を語るのに、家族の話はつきものではあるが、彼自身、それに臆することなくむしろポジティブにとらえ、彼らからのアドバイスを吸収してさらにその先を見据えるように今後の自分のあり方をとらえている。「自分の限界が見たい」「俳優の高みにいくことは人生の高みにいくこと」と、つねに努力を重ねつつも、「今の自分はつまらない」などとあくまでも冷静に自分自身をとらえている。自分が保ち続けるべきリアルさをわきまえ、さらなる高みを志す彼の魅力に迫った。

1. もともと俳優になりたいわけではなかった
河瀨直美監督から『2つめの窓』への出演をオファーされるまで、役者になりたいと思ったことはなかった。「親が芸能の仕事をしていたので、芸能に関わりたくなかったんです。でも、興味はあったと思います。それまではみんなと同じ、ゆず、スピッツ、秦基博をカラオケで歌い、映画館で『BECK』や『ルーキーズ』を観ていたけれど、あの映画をきっかけにガラリと変わりました」

2. カンヌ国際映画祭に対する思い
2014年5月、『2つめの窓』でカンヌ国際映画祭に参加したとき、村上は16歳。『ディストラクション・ベイビーズ』で兄弟を演じた柳楽優弥が『誰も知らない』で同映画祭史上最年少の最優秀主演男優賞を受賞したのは14歳という若さだった。「柳楽さんとあの映画祭について話して、ちょっと心境に変化はあったんですけど、それでもやっぱりもう1回、あの映画祭に行きたい。できれば自分の主演作で。でも『ディストラクション・ベイビーズ』みたいな映画だったら主演じゃなくても全然いい。映画がないカンヌという街そのものには興味はないです」

3. 虹郎にとってカナダとは?
高校時代に留学していた場所で、今は母であるUAが住んでいる国。「モントリオールはジャズフェスもあるし、映画祭もあるし、知り合いから噂も聞いてたので、漠然と音楽を求めて留学しました。でも、シャイだし、トライアンドエラーを繰り返す勇気もなかったので、そんなに満喫もできなかった。自分のせいですね。日本で稼いでからまた行きたいです」

4. 東京という街について思うこと
大阪、沖縄、カナダを経て、現在は東京を拠点に活動中。東京については「働く場所だから戦場だし、人の目があるし、わりと疲れます」というスタンスだ。また、カルチャーが東京中心であることにも疑問を投げかける。「東京に住めば住むほど、映画とか、ファッションとか、東京でしか見られないものが多すぎ、って思いつつあるし、そういう状況をポジティブに捉えるのは傲慢だと思ってます。まだまだ小さいサイズの映画をやっていると、東京以外の人に届かないわけです。だから、ある先輩が俺に『なんでもいいからとにかく目立て』とアドバイスをくれた意味を噛みしめてます」

5. 実は面倒くさがり
7日間家に引きこもってゲームをしたこともある。「もちろん飽きるけど、面倒せーが勝っちゃうタイプ。それは自分にとってよくないことだから、意識的に動きまわるようにしていたい」

6. 高みにいる人は本木雅弘、忌野清志郎、UA
塚本晋也監督の『双生児』で眉なしメイクをしたと思ったら、周防正行監督の『しこふんじゃった』で日本アカデミー賞を獲るという、エッジーとど真ん中を両立する本木雅弘は、村上にとって高みにいる役者だという。「なぜ高みにいると感じるのかを言葉で説明できない。逆に、言葉で説明できる人はあんまり高みじゃないという気もします。清志郎さんも、母親の音楽も」

7. 写真について
インスタグラムにアップする写真を見ると、彼の目に世界はこう見えているのかと感じられて興味深い。「最初は周りがみんな撮ってるから『じゃあ俺も』みたいなノリでした」。ちなみに彼が言う"周り"とは、プロとして活動する一流のカメラマンたち。カメラは常に数台持ち歩いている。

8. 年齢よりも家族構成と出身地が気になる
日本人はまず、出会った人の年齢を知りたがる傾向があるが、村上虹郎がまず質問するのは家族構成と出身地だという。「人って年齢は関係ないと思うんです」と言われると、確かに。誰もがすべての年齢を経験するわけだから。「それよりも、出身地とか、家族構成、特に兄弟姉妹との関係が、その人にすごく大きく影響していると思う。長男の自分は、長男とは話さなくてもわかるところがあると思うし。自分から見て年上でも、その人が末っ子だったら、長男の俺だからわかるものがあるんです」

9. 未来は毎日の食事がつくる
10代男子の食事情は、「質より量」「腹が膨れればなんでもいい」がスタンダードになりがちだが、村上は「まずいものを食べるくらいなら、空腹を我慢して、次の食事でおいしいものを食べる」という美意識の持ち主だ。その「おいしいもの」は、肉だろうがジャンクフードだろうが、「自分にとっておいしいもの」。それ以上に大切なのが、「誰と食べたら面白いだろうか」という考え方。「その積み重ねが未来だと思います」。

10. モチベーションは「ばあちゃん」
大阪時代は両親とも忙しく、母方の祖母が彼の世話をしてくれたという。「だから、ばあちゃん子なんです。人間だから有名になりたいという気持ちはなくはないけど、それよりもNHKに出て、ばあちゃんを喜ばせたいというモチベーションは大きいです。あ、母親が大河ドラマ好きなので、そこも目指したいです」。目標は5年以内にNHK出演し、10年以内に祖母に家を買ってあげることだという。

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Credits


Text Takako Sunaga
Photography Yusuke Yamatani
Styling Tatsuya Shimada at Tron
Hair and make-up Takai
Styling Assistance Misaki Kato

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nijiro murakami