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カンヌで認められた注目の日本人監督とは?

深田晃司監督初のカンヌ出品作『淵に立つ』が、「ある視点」部門で審査員賞を受賞。

by Takako Sunaga
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30 May 2016, 3:25am

(C)2016 FUCHI NI TATSU FILM PARTNERS & COMME DES CINEMAS

第69回カンヌ映画祭は、コンペティション部門で、80歳のケン・ローチが『I, Daniel Blake』で二度目となる最高賞のパルムドールを、27歳のグザヴィエ・ドランの『It's only the end of the world』が次点に当たるグランプリを受賞して幕を閉じた。

同映画祭の「ある視点」部門で、1本の日本映画がグランプリに次ぐ審査員賞を受賞した。それは、深田晃司監督の『淵に立つ』。08年の『トウキョウソナタ』(黒沢清監督)以来、日本映画として8年ぶり2本目の受賞となる。

『淵に立つ』は、郊外で小さな金属加工工場を営む夫婦が、ある日突然現れた夫の旧い知人で前科を持つ男により、残酷に振り回され、お互いの心の奥底を覗き込むはめに陥る過程を描く人間ドラマ。謎の男を浅野忠信が、夫婦を古舘寛治と筒井真理子を演じる。その他、『ゆとりですがなにか』の演技が話題の大賀や、三浦貴大らも出演している。

映画監督としてのデビュー作となる中編『ざくろ屋敷 バルザック「人間喜劇」より』(2006)以来、長編デビュー作の『東京人間喜劇』(2008)、『歓待』(2011)、『ほとりの朔子』(2014)、『さようなら』(2015)など、深田作品は海外で高く評価されてきた。そこで本作は、最初から世界に向けて発信することを意識して、『あん』(河瀨直美監督)、『岸辺の旅』(黒沢清監督)、『不完全なふたり』(諏訪敦彦監督)などを手がけたフランスのCOMME DES CINEMASと共同制作を行い、ポストプロダクションはすべてフランスで行ったという。そして作品にとって最初の出品先となるカンヌ映画祭で大きな賞を受賞した。いったい誰が、こんな上出来のシナリオを想像しただろうか? 11月の日本公開が待ち遠しい。

(C)2016 FUCHI NI TATSU FILM PARTNERS & COMME DES CINEMAS

監督・脚本:深田晃司 出演:浅野忠信 筒井真理子 太賀 三浦貴大 篠川桃音 真広佳奈 古舘寛治 2016年 日本 118分 配給:エレファントハウス  今秋、有楽町スバル座ほか、イオンシネマをはじめ全国ロードショー

fuchi-movie.com

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Text Takako Sunaga